• 取材に持参したMOREには仲野さんのインタビューが掲載されていた。そのことを伝えるとパラパラとめくり、男性アイドルのページで手を止めて「ほんとだ、太賀だ!」と菅田さん。すかさず「盛れてるねぇ!」と乗っかる仲野さん。口を開くと終始こんな感じで、スクリーンの中でまとうオーラは(失礼ながら)笑ってしまうほど消失する。

    これまでおふたりでいちばんバカをした日のことを描写してもらえますか?

    仲野「『LOVE』(菅田さんの2枚目のアルバム)のジャケットを撮った時は?」

    菅田「あー、あれはバカだね、確かに。よく太賀に写真を撮ってもらうんですけど、その時『3年A組(—今から皆さんは、人質です—)』終わりで顔もシュッとしてたんです」

    仲野「サインくれるんですよ。撮り時の」

    菅田「で、やりましょうってなって、太賀の車で海に行くことになって。オレは砂浜を自分の部屋みたいにしたら面白いかなって自分の洋服をいっぱい持っていきつつ、ギターもあったから『アンプ欲しいね、買う?』と。その時点で21時くらいかな?」

    仲野「営業してる店を探して、吉祥寺の楽器屋ででっかくて重いアンプを買ったんです」

    菅田「もう撮影後どうすんだよっていうね」

    仲野「で、僕のカメラはフィルムカメラなんで夜の海で撮影するには光量が足りないってなったんですよ。とりあえず懐中電灯を買おうと思って将暉に探してきてって言ったんですけど、30個くらい買い占めてきて……」
  • 菅田「横にいたおばあちゃんの視線すごかったもん。何かあったのかな……みたいな」

    仲野「電池もめちゃくちゃ買い込んで、海に着いたのがもう24時くらい。荷物があんまりにも多すぎて夜逃げみたいだった」

    菅田「そう、夜逃げ。でも不思議なことに、砂に一個一個懐中電灯をさして照らすと」

    仲野「ロマンティックじゃ〜んってね(笑)」

    菅田「そこでオレがこう、しっとりと(笑)」

    仲野「アハハ! 『なんでお前なんだよ!』みたいなね。帰りに言いあったよね」

    菅田「ごめんっていうね。真っ暗な浜辺にポワポワ〜って光がともってて。相手が女の子だったらプロポーズ成功でしたよ。まあそれが、アルバムのジャケットになったという(笑)」

    仲野「報われた感じがしました(笑)」
  • 目玉焼きには何をかけますか?

    仲野「しょうゆ」

    菅田「何もかけない」

    仲野「やっぱりね。将暉はそうだと思った」

    なぜですか?

    菅田仲野「そういう人だから(笑)」

    仲野「何をかけるか聞かれたら、何もかけないって言う人なんですよ(笑)」

    では、初めて買ったCDは?

    菅田「SEKAI NO OWARI」

    仲野「プッチモニ」

    菅田「え……、プッチモニなの?」

    仲野「うん。ゴマキの熱狂的なファンだった」

    菅田「知らな! タイプ違うじゃん。なんでみんなが大好きなマドンナタイプにいってんの? むしろオレのほうがゴマキ好きだわ!」

    仲野「いや、好みにも変遷があるのよ。ズコーンと射抜かれたからね。小2で」

    菅田「オレの中の太賀のイメージは、教室の端で本を読んでる麗しい子が好きっていう」

    仲野「うんうん。今は確かに。間違いない」

    お互いの言動のクセや好みを熟知しているのはさすがだけれど、好きだったアイドルに関してはなぜか「ショックだわ」とうなだれた菅田さん。まるで、自分の知らない恋人の過去を知って傷ついたような口ぶりで。
  • では、相手が持っているものでいちばん欲しいものはなんですか?

    菅田「アンテナですね。映画とかカメラとかいろんなカルチャーに精通してるのはすごい」

    仲野「僕はスタミナ。半端ない仕事量なのに遊ぶし創作活動もしてる。いつ寝てんの?」

    菅田「お前が逆にすぐ寝るんだよ。(若葉)竜也くんと箱根に行った時、ロッジを借りて『夜通しで遊ぶぞ!』ってなったんです。でも1時くらいには太賀がもう『眠い……』って。チェックインしたの23時ですよ? 爆音でギター弾いて起こしましたけど」

    仲野「もう寝てる人を起こす神経がまったくわかんない! 生理現象だからね? いつもそうやって起こされるんですよ。まあ、やっぱりオレがちょいちょい寝てるってことか!」

    菅田「そうだよ(笑)」