“『豊島美術館』をきっかけ”にめぐる、アートな瀬戸内・島旅

ただ写真に映える、だけじゃなく自分と向きあう時間をくれる──そんな美術館と島の空気。アート×旅の火つけ役ともいえる瀬戸内の、今こそ行きたい『豊島美術館』をご紹介!

『豊島美術館』って?

『豊島美術館』の敷地

香川県・直島(なおしま)の隣に位置する豊島(てしま)内にある、国内外のアート好きから愛される人気美術館。壁に並んだ作品を鑑賞するのではなく、空間そのものがアーティストのひとつの作品。来館者の中には朝から日が暮れるまで何時間もいる人や、涙する人もいるそう。私たちの持つ美術館の概念を変えてくれるような唯一無二の空間が、今また話題に。

♦︎Where?

東京から約4〜5時間、大阪から約3〜4時間

東京方面からは電車で岡山駅へ、宇野港に移動しフェリーで渡るか、飛行機で高松空港へ、高松港に移動しフェリーの2パターン。大阪方面からは電車で岡山駅か、車で瀬戸大橋を渡り高松まで出てフェリーで渡るのが一般的。

♦︎How?

『豊島美術館』のチケットは事前予約が安心

希望の入館時間のオンラインチケットが完売していない場合は当日も購入できるが、完売していると入館できないので事前購入はしておいたほうが◎。希望の時間を30分単位で選択できる。
事前予約サイト▶︎▶︎https://benesse-artsite.jp/

♦︎Point!

直島や宇野港(岡山県)に宿泊し、日帰りがオススメ!

豊島には大きなホテルなどはなく、夜は飲食店の営業などが不定期なこともしばしば。そのため旅中の宿泊地はホテルや飲食店が充実している、直島や岡山県の宇野港付近がそのほかの島にもアクセスがよく便利。

香川県『豊島美術館』までの道 海と道路

美術館までの道のりも楽しんで

香川県『豊島美術館』までの道

『豊島美術館』が位置するのは、家浦港から電動自転車で約30分の小高い丘。遠いかも……? と思いきや、道中にはほかのアート作品や豊島の美しい棚田、目の前に広がる瀬戸内海などさまざまな絶景ポイントがあるため体感はあっという間! 豊島の空気感を味わいながらサイクリングを楽しんで。バスや車の場合は10〜20分が目安。

家浦港でレンタサイクルを予約しておくと◎

家浦港 フェリー

島内のタクシーは1台、バスは利用可能なものの、時間がかなり絞られる&島民の方々優先のため、自由に回りたいなら電動自転車を事前予約するのが安心。
『豊島レンタサイクル』http://www.tppp.jp/index.php#about

『豊島美術館』で空間と自然、自分の心と向きあう体験を

『豊島美術館』の「母型」

空間全体が内藤礼の「母型」という作品。床からは断続的に地下水が湧き、小さな水滴や水たまりなどがさまざまな表情を見せる
内藤 礼「母型」 2010年 写真/森川 昇

入口で靴を脱ぎ中に足を踏み入れると、柱のない開放感のある空間が。開口部に屋根はなく、季節や時間によって見える景色が絶えず変化していくため、“その瞬間、その空間で何を感じるのか”、自分の心の声に耳を傾けられる特別な時間に。

『豊島美術館』の「母型」 雫

ころころ転がるしずくに、吹き抜ける風。自然と一体化しながら“感じる”美術館

豊島美術館カフェの店内

〈 豊島美術館カフェ 〉

美術館同様、カフェスペースも建築家・西沢立衛デザイン。豊島産のフルーツを使ったドリンクやスイーツなどが楽しめる。美術館内は撮影禁止だが、カフェ内は撮影が可能になっている。
●営業時間、定休日は『豊島美術館』に準ずる

『豊島美術館』
住所/香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607

電話/0879-68-3555
営業時間/3〜10月/10:00〜17:00(最終入館16:30)、11〜2月/10:00〜16:00(最終入館15:30)
休館日/3〜11月/火曜、12〜2月/火〜木曜(祝日の場合は開館、翌日休館。月曜が祝日の場合は、火曜開館、翌水曜休館。開館日は公式サイトで確認を)
HP/https://benesse-artsite.jp/art/teshima-artmuseum.html
鑑賞料金/¥1570(予約制)

撮影/高村瑞穂 ※MORE2023年11月号掲載