【二拠点生活のリアル】仕事の都合でしかたなく始めてみたら、思いがけず新しい自分に出会えた20代女子の話。
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二拠点生活に興味はあるけれど、実際のところ大変じゃない? 本当に実現可能なの? そんな疑問にお答えすべく、今まさに実践している20代女性たちに二拠点ライフのリアルを聞いてみました。今回は、大阪と東京を行き来する外園桃子さん。
二拠点生活のきっかけは大阪への転勤
2年前、仕事で東京から大阪への転勤が決まった外園桃子さん。結婚を考えていたパートナーが東京にいたことから、東京と大阪を行き来する生活がスタートしました。
「プライベートで東京に行くのは月に1回ぐらい。仕事でも毎月東京出張があるので、月の3分の1ぐらいは東京で過ごしています。出張の時は、平日はホテルに泊まって仕事をして、週末を彼の家で過ごしてから大阪に戻ることが多いですね」
移動に欠かせないトローリーは収納しやすいタイプを愛用。
自宅は新大阪駅から徒歩5分。あくまで自分の拠点は東京だった
桃子さんが二拠点生活で最優先したのは、東京へのアクセスのよさ。いつでも気軽に東京へ行けるよう、大阪の自宅は新大阪駅付近で探し、新幹線改札まで徒歩5分の場所に決定。そこには、「自分の拠点は東京」という思いがありました。
「友達はみんな東京にいるし、大阪には仕事で来ているんだから、プライベートの人間関係は今までどおり東京で築いていけばいいかなと思っていました。東京に出やすいことはもちろん、会社まで徒歩10分なのに仕事関係の人たちが住んでいないエリアなので、オンとオフを切り替えられるのもメリットだと感じています」
移動の新幹線車中は、絶好のリラックスタイムに。
それほど大きなストレスを感じることはないものの、二拠点生活ならではの苦労や工夫の必要があると言います。
「移動に時間もお金もとられる分、スケジュール管理がけっこう大事なんですよね。お互いが行き来する時の予定を決めずにいると、時間をむだにしてしまって『せっかく行ったのに…』みたいなことがあるので。あとは行き来するタイミングで冷蔵庫の食材を使い切る工夫が必要だったり、彼の家にはサニタリーボックスなどがないので、生理のタイミングに重なる時は面倒くさいな…と思ったりすることも(笑)」
大阪のお気に入りのカフェにて。
人間関係やコミュニケーションに生まれたポジティブな変化
仕事の都合で始めた二拠点生活でしたが、慣れてくると「意外と楽しいかも」と思えるようになったという桃子さん。そして、人間関係に対する考えにも少しずつ変化が。
「転勤が決まった時は、東京を離れたら友達が減っちゃうんじゃないか…ってすごく不安だったんですけど、いざ始まってみたら逆でしたね。東京から大阪や神戸へ出張に来た友達が会いに来てくれたり、私が東京へ行くタイミングで『せっかく来るならみんなで会おうよ』と声をかけてもらえたりすることが増えました。二拠点だからいい関係を維持できている面もあるのかなって。学生時代の友達が2人ぐらい大阪周辺に住んでいて、5〜6年ぶりに再会できたことも嬉しかったです」
その変化は、仕事でのコミュニケーションにもいい影響をもたらしているようです。
「転勤前は知り合いがいなくて不安だったけど、だからこそ会社の人と深くコミュニケーションを取ってみようと思えるようになったんです。大阪の職場は後輩も多いので、誘われた時は『せっかく声をかけてもらったんだし』とできるだけ顔を出すようにしています。会社の人たちと遊びに行く機会も増えましたね。むしろ東京にいた頃は、大学時代の友達も含めたプライベートな人間関係で満足していたから、会社で深いコミュニティをつくる気はあまりなかったんです。でも今は社内のコミュニティのメリットを実感しているので、毎月出張に行く東京の本社でも少しずつ人のつながりを増やしています」
東京のカフェにて、女友達と集まる機会も増えて。
当初は「大阪には仕事で来ている」と割り切っていた桃子さん。近頃は、同僚たちとのランチタイムが「自分にとってのオアシス」になっているのだそう。
「仕事の合間の1時間ですが、私にとっては大事な時間。お互いのプライベートな話をしたり、後輩から仕事の悩みを聞いたり、そういう時間を過ごすことで自分の凝り固まった考えから少しずつ解き放たれていく感じがするんです」
大阪ではランチタイムが大切な時間に。
旅行も現地集合! ひとり時間を楽しめるように
そして、二拠点生活を経験する中で「ひとりが怖くなくなったこと」も大きな変化でした。
「誰かと一緒に行動するのが好きだったんですけど、ひとりでどこへでも行けるようになりました。この間も、彼や友達は東京から、私は大阪から出発して、現地集合&解散でハワイに行ってきました。二拠点生活をする前の私だったらできなかったと思います。休日も、好きなカフェでゆっくり過ごすひとりの時間がリフレッシュになっています」
まもなくパートナーと結婚する桃子さんですが、仕事の都合でしばらくは二拠点生活&週末婚の日々が続く予定。けれど、転勤当初のような不安はないと言います。
「社内には単身赴任している人も多いので、結婚後に離れて暮らすことへの不安を相談すると『意外と何とかなるよ、大丈夫』と経験談を話してくれる人が多くてちょっと安心しています。今は彼と一緒に暮らしたいという思いが強いけれど、仕事を続けるうえで単身赴任の可能性が出てきたら、また二拠点生活をするのもありかなと思える自分がいます」
ひとりでふらりとカフェに行くことも増えたそう。