働く20代女子のための「サステイナブル」について私たちが知っておきたいこと

サステイナブル」———具体的な内容を知っている人はどのくらいいるのだろう? 実はひとごとではない、20代女子にも関係の深いこと。“すぐ隣にある”大事なこと、その内容をひもときます。

あのビューティブランドもサステイナブルな活動を!

肌への効果や香り、おしゃれなデザインだけではない、コスメブランドの取り組みを取材。美しい背景にある、たゆまぬ努力に拍手を贈りたいほど!

『Dior』は自然を愛する創業者の気持ちをかたちに

『ディオール』『イヴ・サンローラン』etの画像_1
『ディオール』の取り組みは大きく2点。製品の主成分となる花の調達と、パッケージに関することです。

花の調達にまつわる取り組みは、始まりがなんと25年前! スキンケア効果のある花の栽培をする“ディオール ガーデン”を設立。可能なかぎり有機農法で栽培し、土地自体が持続可能なものになるよう配慮しています。また、その地域の人々とパートナーシップを組み、持続可能な地域発展も当初から続けられています。

パッケージは、3年ほど前から梱包の簡素化などに取り組み、年間で約51トンの厚紙を節減するなどに成功。1月10日に発売した新「カプチュール トータル セル ENGY」シリーズは、リサイクル可能なガラスケースやボトルに変えプラスチックを減らし、リフィル対応できる容器を取り入れた。誰もが憧れるラグジュアリーブランドとしてのイメージや品質はそのままに、サステイナブルに取り組み続ける今後にも期待!

サイズ自体を小さくしたり、使用するプラスチックを減らしたり、外箱も“FSC認証紙”を使用し細部まで工夫を。若々しく、イキイキとした肌に導く原動力として大切な、幹細胞の再生力を回復させるシリーズ。エイジングケアとして。
カプチュール トータル セル ENGY(右から)ローション175㎖¥8500・スーパー セラム30㎖¥16000・クリーム50㎖¥16000/パルファン・クリスチャン・ディオール
『ディオール』『イヴ・サンローラン』etの画像_2
ディオール ガーデンで働く女性たち。南仏グラースで栽培される香水用の花々は、伝統的な栽培方法を再開させて採取しています。殺虫剤も化学肥料も使わない有機栽培で、9ヘクタールも維持!

『YVES SAINT LAURENT』は製品のアイデンティティを持続可能に

『ディオール』『イヴ・サンローラン』etの画像_3
モア読者にも絶大な人気を誇る『イヴ・サンローラン』は、新製品の「ピュアショット」においてサステイナブルに関しての取り組みを大々的にお披露目!

ブランドらしさを残しながらも、パッケージはレフィルにし、先進のサイエンスに加え、サステイナブルの取り組みで栽培された植物のパワーを融合。その取り組みというのが、『イヴ・サンローラン』のDNAを持つ土地、モロッコに設立したウリカガーデン。そこでは、伝統的な手法により、環境への配慮もなされた植物作りを実現し、現地女性の雇用を確保することで経済支援も行っているのです。ちなみに、ウリカガーデンで栽培している植物成分は、スキンケアアイテムだけではなく「ルージュ ヴォリュプテ シャイン」や、「ラディアント タッチ」などメイクアップアイテムにも採用。ブランド創設者ムッシュ イヴ・サンローランは人生とキャリアを女性に捧げたクチュリエであり、ウリカガーデンでも、そのDNAは女性支援という形で伝承されています。

目的別に4タイプのセラムが。スケルトンのボディに、レフィル内の色が透けてスタイリッシュなデザインに。
ピュアショット(上から時計回りに)ナイトセラム30㎖¥10500・Lセラム30㎖¥10500・Yセラム30㎖¥10500・ライトセラム30㎖¥10500・リフィル(4種)30㎖各¥9000/イヴ・サンローラン
『ディオール』『イヴ・サンローラン』etの画像_4
ウリカガーデンにはウリカの5つの村から女性が働きに出向いている。新しいコミュニティもでき、情報交換の場にも

『L'OCCITANE』は具体的な数値と期限を設けて活動を強化

『ディオール』『イヴ・サンローラン』etの画像_5
1976年のブランド誕生時からサステイナブル活動を行ってきましたが、2019年、あらためて“ロクシタンの約束”として6つの活動を制定。ブランド理念「人と自然が調和した美しさを」の実現に向け、環境・生態系・人権などの課題に対し、フランス本国はもちろん、日本でも多岐にわたる取り組みが。近年の活動だと、昨年10月に、被災地支援として福島県南相馬市に約20種、1301本の木を植樹。たくさんの人がボランティアとして参加しました。また、毎年2月にはチャリティ製品として、『ロクシタン』の顔ともいえるシアバターが限定パッケージで発売になる。その収益はロクシタン基金を通して女性支援を行うNGO団体に寄付。店舗では、容器のリサイクルボックスを設け、資源を守ることも。精力的、積極的に取り組みが行われており、目標達成に向けて一丸となっていくのだそう。

『ロクシタン』が独自に作成した6つの約束のロゴマーク。「植物の多様性を保護、生産者をサポート、地球の自然にやさしく、女性の自立を支援、視覚障がいへの取り組み、伝統的技術の継承」を、具体的な期限と目標数値を掲げ、達成を目指しています。
『ディオール』『イヴ・サンローラン』etの画像_6
❶女性の自立支援を目的としたリミテッドデザインのシアバター。ハイビスカスの柄と香りが。
ウーマンズ デー シア バーム(2/19〜限定発売)20g¥1500/ロクシタンジャポン
❷全国の店舗に配置されているリサイクルボックス。対象製品のあき容器を持っていくとメンバーズカードにポイントがつくシステム

『INTEGRATE』のコスメを使いネパールの女性にハッピーを!

『ディオール』『イヴ・サンローラン』etの画像_7
ネパールへの女性支援をメインに、サステイナブルの取り組みを行っているのが『インテグレート』。男尊女卑や、望まない妊娠、安全ではない中絶などの問題を解決するためにメイクアップを通して活動しています。

具体的には、ピア・エデュケーターという、多様性を含めた包括的性教育を同世代の若者に伝えていく研修を受けた15〜25歳の人たちを育成。同世代の立場から性教育を。その場への出席率向上、自己肯定感を高めるために『インテグレート』のコスメを使ったメイクアップレッスンも一緒に。スタート時の2016年はピア・エデュケーターが37人、性教育とメイクレッスンを受けたのが2184人だったのが、2019年にはどちらも約3倍に! 性教育での知識蓄積はもちろん、メイクを通して女性としてのあり方などをあらためて考えられるきっかけを増やしています。その活動を知ってもらうため、ネパールと日本の女性をつなぐ意味で“GIRL meets GIRL”というカードと一緒に、ピンキーリングとネイルをセットで販売しています。

赤とホワイトラメのネイルがセットに。中にはネパールの女の子とのつながりを意味して、赤いピンキーリングが♡
インテグレート ガールミーツガール ネールズ&リング 16(限定品)¥1000(価格は編集部調べ)/資生堂
▶︎▶︎「サステイナブル」ってなんですか? みんなで一緒に学ぼう!【まず覚えたい「SDGs」編】
▶︎▶︎『スナイデル』や『MHL』などで知る。毎日のファッションから始められる「サステイナブル」なこと【ファッションブランド編】
▶︎▶︎20代女子にオススメの“サステイナブルでおしゃれなもの”を、モア編集部が厳選!【ファッションアイテム編】
▶︎▶︎『ジョンマスターオーガニック』や『クラランス』も!いつもの買い物から始められるサステイナブル
取材・原文/浦安真利子 撮影/魚地武大(TENT) スタイリスト/辻村真理