Story of my life 私の履歴書【連載第5回】

自分らしくキャリアを築いている女性にインタビューするこの連載。今回は、大学卒業と同時に起業し、現在ご自身で立ち上げたブランドを展開中の尾﨑美紀さんにインタビュー。お仕事ついて、また32歳の現在の恋愛観や今後の野望などをお聞きました。

DINETTE株式会社 代表取締役
尾﨑美紀(おざき みき)

1993年生まれ、愛知県出身。2017年、大学卒業と同時にDINETTE株式会社を設立。 美容メディア『DINETTE(ディネット)』の運営と、コスメブランド『PHOEBE BEAUTY UP(フィービービューティーアップ)』、フェムケアブランド『LUMERE BEAUTY(ルメールビューティー)』を手がけている。

History

2012年 芸能活動を始める。

2014年 日本テレビ『PON!』にお天気お姉さんとしてレギュラー出演。

2015年 GirlsAward 2015 SPRING/SUMMERなどにモデルとして出演。

    芸能活動を休止。

2017年 DINETTE株式会社を設立。大学卒業。

2022年 『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン2に、 2代目バチェロレッテとして出演。

夢を持っていなかった大学生が、卒業後に起業!

上京して自分の進みたい道や目標とする人が見つかった!

尾﨑さん座りカット

——大学時代に起業した経緯を教えてください。
実は、高校生までは医学部志望だったんです。だけど、血があまり得意ではないことに気づき、向いていないかもと思う出来事が続いて断念。ただ、地元の名古屋は出たかったので、夢も目標も持たないまま東京の大学に進学しました。大学在学中にスカウトされて、芸能活動もしましたが、仕事として続けることに不安もあったので、就職活動をしました。大手の広告代理店に内定をいただきましたが、OB・OGの話を聞いているなかで、将来の自分のイメージ像に対してワクワクしなかったんですよね。一方で、同じ時期に受けていた、ベンチャーの広告代理店の社長とお話しした時に、“こういう人になりたい”と大きく気持ちが動いたんです。いろいろ考えて内定を辞退したあと、その社長にまた連絡をして、「卒業までインターンをさせてもらえないか」とお願いしました。そこで働いた数カ月の間に、周囲の人を巻き込みながら、0の状態から1をつくる社長の姿に感動して、“自分もこういうことをやりたい!”と強く感じて、起業することを決めました。

——ベンチャー企業の社長と出会ったことが、尾﨑さんの転換期だったんですね。
そうですね。でも、ひとつめの転換期は、上京した時かな。特にやりたいことがなくても、東京に来たことで、環境が変わって興味がわくことにたくさん出合えた。名古屋にいたままだったら、挑戦しなかったことがたくさんあったと思います。また、芸能活動をしたことで、プロの方にメイクをしていただいたり、たくさんの洋服を着させていただいたり、そういうことが楽しいと思うようになって。性格も、より明るく前向きに変わったタイミングかもしれません。
ふたつめの転換期がベンチャー企業の社長と出会えたこと。社長は、起業する人を増やしたいと考えていている方だったので、私が相談すると快く応援してくださったんです。今でもずっとメンターをしてくださる、私の心強い味方です。

——美容関係の起業をするのに決めた理由はなんですか?
自分の性格的に好きなことじゃないと継続するのが難しそうだったので、まず好きなことができることを考えた時に、美容だなと。また、インターンをさせてもらっていた会社が、当時からInstagramでマネタイズを早めにしていて、“メディアがお金になるんだ”と知ったので、初期コストがあまりかからなそうなコスメを紹介するメディアをやろうとスタートしました。

最初は、大学の友達や、芸能活動をしている友達に協力してもらい、購入したプチプラコスメで、メイクのHOW TO動画を撮って、アプリで編集するということをひたすらやっていましたね。5ヵ月ぐらい続けていくと、フォロワーが1万、2万と少しずつ増えてきて。すると、メンターの方が「今後の体制としてしっかり伸ばしていったほうがいい」と広告代理店経由でつなっていた人を紹介してくれたり、自分でインターンを募集したりして一緒に働いてくれる人を少しずつ増やして、会社も大きくしていきました。

がむしゃらに頑張ってきたことはムダにならない!

尾﨑美紀さん

——現在は、メディア以外に、自身でプロデュースしたコスメやフェムケアブランドも立ち上げています。やりがいを感じている部分は?
お客さまが参加するイベントや、ブランドのアカウントのDM対応などで、実際にお客さまとお会いできたり、コミュニケーションを取っている時は、一番やりがいを感じます。“こういう方たちが使ってくださっているんだ”と実感できてうれしいですね。あとは、やっぱりブランドのことや、“こういう会社にしたいな”と考えている時は、夢がどんどんふくらんですごく楽しいです(笑)。

——今現在、自分が想像していた働き方ですか?
まったく違います(笑)。自分が起業するなんて選択肢は大学生の時には思ってもいなかったし、いまだに高校の同級生や昔の友達は、私が医者になると思っていた人が多いので、私よりも友達のほうが驚いているかもしれない。

——尾﨑さんは現在32歳ですが、30代に突入して思うことはありますか?
20代の時は、“年を取りたくない”と思うこともありましたが、30代になって、がむしゃらに頑張ってきたことが、ちゃんと自信となって、いろんな形で生きていると実感する機会が増えています。本当に頑張ってきたことや自分が費やしてきたものって、絶対にムダにならないと思っていて。だから、今の20代の子には、失敗してもいいから、がむしゃらにやりたいことをやってほしい。“これだけいろんなことをやったぞ”という自信と経験を手にして、ぜひ30代を迎えていただきたいなと思います。

恋愛リアリティ番組『バチェロレッテ・ジャパン』への出演で考え方に変化が! 

尾﨑美紀さん ロゴ

——2022年に、『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン2に出演したことも大きな出来事だと思うのですが、自分の生き方、考え方に変化はありました?
そうですね。今までは悩んでいても、人に迷惑をかけたくないと思うタイプでした。だけど、 『バチェロレッテ・ジャパン』に出演してから、自分だけで悩んでも解決しない、「困ってるから協力してほしい」と言ったほうが円滑に進む場合もあるんだと思い直す部分もあって、自分を開示できるようになったかも。恋愛でもカッコいいところばかり見せて、無理をすると続かない。心から向き合うんだったら、弱い部分や悩みを開示したほうが、距離や関係性って深まるんだなとすごく思いました。

——尾﨑さん自身の現在の恋愛観や結婚観は? 
結婚願望はあります。同性の経営者の先輩も、すでに結婚されていたり、子育てと両立していたりと、パートナーといい関係を築いている。そういう先輩を見ていると、自分も仕事とプライベートの充実を両立していきたいですね。パートナーとも、常に悩みや弱い部分を開示できる関係でいたい。今の彼は、ちゃんと話を受け止めてくれて、悩みもポジティブに変換してくれる人なので、話すと「よし、また頑張ろう!」って気持ちになれるんです。お互いに補い合える関係でいたいなと思います。

日本を代表する女性経営者になって、若い子たちの選択肢を広げたい!

——人生のモットーは何ですか?
自分が自分のファンでい続けること! 大変な時でも自分が一番の味方でいる、第三者として自分を見た時にいつでも応援できる自分でありたいんです。それは、“やらないで終わっていくよりも、やって後悔するほうがいい”という考えがあるから。後悔してもそこから学びを得て、また新しいチャレンジにつなげる人生のほうが充実した毎日を送れるはず。 “あれやればよかったな”と後悔をして、胸を張れない状態だと、自分を嫌いになっちゃいそうな気がして。でも、“自分ならできる!”と応援してあげられると、自己肯定感にもなるし自信にもつながると思うんです。

——今後の野望も聞かせてください!
新たな商品開発や海外展開など、細かい野望はたくさんありますが、大きな野望でいうと、日本を代表する女性経営者になること。日本では女性起業家って、まだハードルが高いと思われがちで、 高学歴じゃないとできない、レアな経験を積んでいないとできないなどと思っている人もけっこういるんです。そうではなくて、自分の好きなことで夢を達成する、周りを巻き込みながら夢を実現してきた人もいるってロールモデルが増えていくと、若い子たちが自分の人生を考える時に、選択肢として、起業や自分で何かをするっていうことが、今よりハードルの低いものになるんじゃないかなと思っていて。自分の姿がひとつのロールモデルとして成り立って、日本が少しずつ変わっていくといいなと思っています。

尾﨑さんに「一問一答」聞いてみた!

Q.気分が上がる“アゲめし”は?
A.揚げたてのポテト 「マヨネーズをつけて食べるのが大好きです♡」 

Q.最近の癒しは?
A.飼っているトイプードルのぷにちゃんとのお出かけや、自然の多い場所に旅行すること。

Q.これがあれば“ONになる”メイクアイテムは?
A.リップ  「薄い色の唇だとテンションが上がらないので」

Q.よく見る動画コンテンツは?
A.Netflix 「最近は、『グランメゾン東京』などを観ています。夢を諦めずにチームで目標を達成していくストーリーが好き」

Q.経営者に必要なものは?
A.忍耐と継続力 「ツライと思った時に簡単に諦めずに結果が出るまで続けることが大事です」

Q.憧れる生き方をしている人は? 
A. Glossier(グロシエ)の創業者のエミリー・ワイスさんと、イットコスメティックス創業者のジェイミー・カーン・リマさん「ふたりともコスメブランドを立ち上げていて、女性としての生き方やポジティブな思考に憧れます」

お仕事バッグの中身は?

尾﨑さん お仕事バッグの中身

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撮影/齊藤晴香 取材・文/宮平なつき