
【井桁弘恵】スポーツとSDGsの関係は? ラグビーチームのD-Rocksに取材!【いげちゃんのコツコツSDGs】

日々、よく耳にする“SDGs”という言葉。なんのために取り組むの? 私にできることは何? SDGsに興味を持ち始めた井桁弘恵が、そんな疑問に向きあいます!
【Vol.35-1】スポーツを通して、SDGsを考えよう
実は、スポーツとSDGsには密接なつながりが! スポーツが持つ人を巻き込む力や人を集める力を活かし、持続可能な社会づくりに積極的に取り組む、千葉県浦安市を拠点とするラグビーチーム「浦安D-Rocks」。選手、スタッフが一丸となり、サポーターやさまざまな企業と共にSDGsの達成を目指すこのチームに話を伺いました。

(左から)佐藤大樹選手、井桁弘恵
What’s SDGs?

国連で採択された、2030年までに達成すべき17のゴールのことで、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略。私たちが地球に住み続けるために、貧困、飢餓、環境、教育、ジェンダー平等などの問題を世界が協力して解決することを目指す。
スポーツとSDGsの関係は?

話を伺ったのはこの4名



気候変動の影響がスポーツにも

野外観戦や、スポーツチームの光熱費にも大打撃!

「浦安D-Rocks」は、ラグビーを継続的に楽しめる社会作りを目標に、「サステナビリティ宣言」(2023年12月)を行い、持続可能な社会の実現に向けた取り組みをされているそうですね。その背景には、気候変動がスポーツ活動に与える影響があると聞きましたが、具体的にはどのような場面で影響を感じるのでしょうか?

地球温暖化が進むことで、夏場の暑さがかなり厳しくなっていて、日中の練習が難しい状況です。そのため、練習時間を朝早く調整するといった工夫が必要になっていますね。また、グラウンドは照り返しの影響ですごく暑く感じることが多く、ラグビーでは特にスクラムを組む時にその暑さがより厳しくなる。パフォーマンスにも少なからず影響がありますね。

スポーツ観戦に慣れている方ならご存じかもしれませんが、最近では、「給水タイム」が導入され、どの競技でも試合途中で水分補給の時間が設けられるようになりました。また、観る側の負担も大きくなっていて、野外の試合会場の場合は長時間の観戦が難しくなってきていますね。

たしかに。「給水タイム」をよく見かけるようになりました。

ここ4〜5年で起きた大きな変化のひとつですね。また、ほかの競技で言えば、サッカーも昨年は台風の影響などにより中止になった試合が例年の約5倍に増えたといわれています。

5倍も!? そんなに中止の試合が増えていたとは驚きです。

ラグビーは冬のスポーツなので、サッカーのように公式戦への影響はまだ少ないものの、夏場の練習における水道光熱費の高騰には地球温暖化の影響を感じますね。たとえば、ラグビー選手は練習後に急速に体を冷やす必要があり、高い気温が続くとエアコンの設定温度も自然と低くなってしまいます。このような水道光熱費の高騰を抑えることは、チームを続けていくための課題の一つであり、「浦安D-Rocks」が「サステナビリティ宣言」をして、ここ浦安でサステナブルな取り組みを率先して進めていこうというきっかけのひとつになりましたね。
佐藤選手「環境問題について学ぶことでエコへの意識が高まった」

「サステナビリティ宣言」をされた後、みなさんは具体的にどのような取り組みをされたのでしょうか。

まず、チームが勉強会を開催してくれて、地球温暖化や海洋プラスチック問題など、環境問題についてさまざまな角度から学びました。気候変動がプレーや日常生活に与える影響をデータで具体的に知ることで、環境保護への意識が高まったと思います。たとえば、実生活でもリサイクルを心がけるようになりましたし、クラブハウスまで自転車で通うようになりました。

海洋プラスチックの問題は、スポーツにどう関係しているのでしょうか?

実は、海洋プラスチック問題はスポーツ特有の課題のひとつなんです。特に、マイクロプラスチックの流出源として、グラウンドの人工芝も影響を及ぼしていると言われています。そのため、我々の練習グラウンドでは天然芝を採用していますが、こうした問題をスポーツに関わる者として正しく理解し、アスリートとして何ができるかを考えることが必要だと感じ、学びの場を設けています。

そういう場で選手が学んだことを発信することは、非常に大きな影響力を持っているんです。たとえば、ペットボトルのキャップの分別について選手が子どもたちに教えると、すぐに行動が変わるんです。だからこそ、選手自身が環境問題への意識を持ち、学び、それを発信することは大きな価値のあることだと思います。

たしかに。だからこそ、スポーツチームがSDGsに取り組むことには大きな意義があるんですね。

そうですね。ラグビーをはじめスポーツには、楽しく人々の意識や行動を変える力があります。さらに、サポーターの方々やスポンサー企業など、さまざまな立場の人々と共に目標に向かって挑戦する“チームづくり”の力もあります。こうしたスポーツの持つパワーを活用し、「浦安D-Rocks」が地域のハブとなって持続可能な社会の実現に貢献できればと思っています。

付け加えると、ラグビーというスポーツには、「One for all,All for one」という精神が根付いていて、選手は利他的に行動することができるんですね。そして、この「All」というのは、今や「社会」そのものを指していると私たちチームは考えています。
オフショット動画もチェック!
【井桁弘恵 衣装クレジット】
(写真1、2枚目)シャツ¥999/GRL ワンピース¥42900/ミュラー オブ ヨシオクボ ニット¥45100/リーミルズ エージェンシー(ジョン スメドレー) 靴¥33000/リーガルコーポレーション(クレイ) イヤカフ¥5500(イットアトリエ)・リング¥13200(オンブル ビジュー)/フォーティーン ショールーム 靴下¥10560/真下商事(パンセレラ)
(写真3枚目)プルオーバー¥11990(ファーストハンド)・Tシャツ¥9350(アメリカーナ)/デイトナパーク メガネ¥19800/キングスター(ザ ベッドフォード ホテル)
撮影/アキタカオリ モデル/井桁弘恵(モア専属) ヘア&メイク/𠮷﨑沙世子(io) スタイリスト/小林優奈 取材・文/海渡理恵