全編吹き替えなし! 圧巻のステージパフォーマンスに号泣必至

CONTENTS
  1. 全編吹き替えなし! 圧巻のステージパフォーマンスに号泣必至
  2. あらすじ
  3. ここが見どころ!
  4. ■配信サイト

韓国ドラマ大好き! なライターが、ぜひおすすめしたい作品を紹介する不定期連載コラムです。

今回は、15年間の無人島生活を生き延びた歌手の卵が、焦がれ続けた“歌姫”を目指して再始動する姿を描いた『無人島のディーバ』のあらすじと見どころを紹介します。

無人島のディーバ モクハ(パク・ウンビン)無人島でのソロカット

無人島で一人、たくましく生きるモクハ

無人島のディーバ
全12話
出演:パク・ウンビン、キム・ヒョジン、チェ・ジョンヒョプ、チャ・ハギョンほか 
Netflixシリーズ「無人島のディーバ」独占配信中


あらすじ

歌手を夢見ていた中3のソ・モクハ(少女時代役はイ・ハ)は、暮らしている離島からソウルに向かう途中の船から転落して無人島に流れ着く。15年もの間、過酷なサバイバル生活を強いられたモクハだったが、TV局で働くカン・ウハク(チャ・ハギョン)、カン・ボゴル(チェ・ジョンヒョプ)兄弟に発見され、社会復帰を果たす。

慣れない都会生活を過ごしながら、傷付けられるのもいとわずに自分を手助けしてくれた同級生チョン・ギホ(少年時代役はムン・ウジン)の行方を捜す中、憧れの歌手ユン・ランジュキム・ヒョジン)が落ちぶれていることを知ってしまう。彼女の再起を強く願うモハクのこの行動が、ウハク兄弟やランジュの抱える問題を浮き彫りにしていく。

ここが見どころ!

「現代の韓国国内で遭難⁉ しかも無人島に、女子中学生がひとりで15年間も⁉」というストーリーのさわりだけ読むと、まるで超能力系SF作品のようですが、まごうことなき日常系。それも、社会復帰したヒロインが、幼少期からの夢・歌姫になるまでの紆余曲折を、愛と笑いと涙とサスペンスで描いたヒューマンドラマ。面白いのかって? ええ、一度観始めたら止まらない、徹夜必至の沼ドラマだと断言できます!

何せ、本作の主人公、モクハを演じているのは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(2022年)で、大ブレイクした演技派女優のパク・ウンビン。彼女は、子役時代から現在に至るまで、時代劇、スポーツドラマ、音楽ドラマなどジャンルレスで活躍。演じてきたキャラクターも男装女性や自閉スペクトラムを持った弁護士など、一筋縄ではいかない役柄も多く、いずれも高い評価を得ています。そんな彼女が16歳でサバイバル生活を強いられ、15年ぶりに戻った現代では、社会や芸能界の理不尽さを目の当たりにして、傷付きながらも成長するモクハを体当たりで熱演。
以下、おすすめポイントです!

無人島のディーバ モクハ(パク・ウンビン)とボゴル(チェ・ジョンヒョプ)の2ショット

参加した結婚式で偶然、ボゴル(チェ・ジョンヒョプ)と遭遇し、戸惑うモクハ(パク・ウンビン)。

主人公のサバイバル能力がすごい

正直に言えば、観る前までは「無人島経由で社会復帰した、たくましいヒロインが歌姫を目指すサクセスストーリーなのかな」と想像していたんです。しかし、そんな予想は第1話から粉々に砕け散りました……。

全羅道にある離島で暮らす中学生のモクハと同級生のギホ。最初はそりの合わない2人でしたが、ある日、お互いに父親からの酷いネグレクト受けていることを知ります。父親に内緒で逃走資金を貯めていたギホは、歌手を目指すモクハへ、一緒に島を離れようと持ちかけるのですが、あと一歩のところで、彼女の父に追い詰められ、モクハは船から海へと転落。気付けば無人島へと流されていたのでした。

15年後、島の清掃ボランティアにやってきたウハク&ボゴル兄弟に発見&保護されたモクハは、ひょんなことから憧れの歌姫ランジュに遭遇。そして、偶然の出会いをしっかりとキャッチし、マネージャー兼コーラススタッフとして雇ってもらうことに。全盛期を過ぎて思うように声の出ない、落ちぶれ歌手のランジュを不屈のポジティブ思考で誉めちぎり、「私ってまだイケる⁉」とやる気と自信をつけさせて音楽シーンに戻すことに成功。
15年間、無人島で培ったガチサバイバー能力を都会で応用し、時には笑いを、時には涙を流しながらも、ガンガンとのし上がっていくモクハの姿にスカッとします!
また、随所に散りばめられた謎と伏線をキッチリ回収していく様子も、サスペンスとしてレベルが高く、楽しめます。

  • 無人島のディーバ モクハ(パク・ウンビン)のソロカット

    ジャガイモでカモメを呼び寄せるモクハ。その目的は、カモメと一緒に食卓を囲むことだった(涙)。

  • 無人島のディーバ モクハ(パク・ウンビン)のソロカット

    島に流れついたゴミを再利用して、住まいをアレンジするモクハ。

  • 無人島のディーバ モクハ(パク・ウンビン)のソロカット

    孤独な生活に絶望するモクハ。だが「あと5分生きれば……」という希望を胸に耐え続ける。

  • 無人島のディーバ モクハ(パク・ウンビン)とドローンの初対面シーン

    15年もの無人島生活に終わりをもたらすドローンとの出会い。

芸達者なパク・ウンビンに惚れ惚れ

K-POP好きな方は納得していただけると思うのですが、韓国のアーティストやタレントの多くは実に多才。歌に、ダンスに、演技に、撮影ポーズ、さらにはMCまでなんでもこなしちゃうんです。そして、主演のウンビンも。

モクハは歌姫を目指す設定のため、ほぼ毎回、ウンビンが、美しい澄み切った歌声を披露するシーンがあるんです。「どうせリップシンクでしょ?」と思われるかもしれませんが、「(モクハへの)没入感を壊したくない」と、自ら歌うことを希望した彼女は、6カ月間、毎日(1日3時間!)歌のレッスンに励んで、本編の歌声を作り上げたんですって。

サバイバル生活シーンでは、「えっと……海女さんですか?」とツッコみたくなる素潜りで海の幸をザックザク獲ったうえ、手際よくさばくし、主食のいも掘りも堂に入っている。本編では最初から最後までコテコテの全羅道訛りで通しているけど、まるで違和感がない(ウンビンはソウル生まれ、ソウル育ち)。なんなら「素朴で可愛く見える」という方言女子特有の魔法までかけてくる。

また、16歳から31歳までお金とは無縁の生活していたせいか、お金への執着があまりなく、世間ズレもしていないので、どこかお嬢様っぽい。そうかと思えば、15年のサバイバル生活で手に入れた危機管理能力と不屈の精神で危険を本能的に回避するなど、タフな一面も見せてくるので、どのシーンを見ても、ウンビンの多才さと多彩な魅力が伝わってくる……と言うのが、本作品の一番の魅力ではないでしょうか。

ぶっちゃけ、強くて優しくて清らかなのに、どこか親しみやすいというモクハのキャラクターをここまで説得力をもって完璧に演じられる人はほかに考えられません。

  • 無人島のディーバ モクハ(パク・ウンビン)のギター弾き語りカット

    弾き語りシーンも多いため、ギターも特訓したというウンビンの腕前は、さすが!のひとこと。

人気急上昇中のチェ・ジョンヒョプも出演

  • 無人島のディーバ ボゴル(チェ・ジョンヒョプ)のメガネカット

    メガネ姿が萌え! しかし、この笑顔の裏にはある悲しい決意が……。

  • 無人島のディーバ ボゴル(チェ・ジョンヒョプ)の同僚たち

    大切な人を守る忠犬のように、実の兄ウハク(写真右)を威嚇するボゴル。

散々、ウンビンについて語ってきましたが、もうひとり、大注目の俳優が。それは無人島でモクハを見つけ、何かと世話を焼くボゴル役のジョンヒョプ。2024年1月期のドラマ『Eye Love You』で、ヒロインの二階堂ふみの相手役の韓国人留学生テオ役を演じ、日本での注目度が急上昇した俳優です。

これまで、『ストーブリーグ』(2019)では苦しむ野球選手、『シーシュポス: The Myth』(2021)ではパク・シネに想いを寄せるサン、『わかっていても』(2021)ではハン・ソヒに長い間片想いしている通称“ジャガイモくん”など、スランプに悩んだり、主人公に片思いするサブキャラを多く演じているのですが、そのいずれも、表情に滲ませる切なさが役柄といい感じで絡んで目が離せなくなる、という魅力を持っています。

本作でも、モクハを見つめるボゴルの眼差しはツン強め。しかし、時々、スイッチングで表れるデレが、とんでもない直球で、観ている方がドキッ。ちょっと影があって、心に傷を抱えているからなのか、優しく、賢く、気が利いていて、助けが必要な時に側にいてくれて、しかも余計なことを言わない(口数が少ないだけだけど)ボゴルは「ひょっとして神?」と何度も思いました……。

なお、チャ・ハギョンこと、VIXXのエンが演じるボゴル兄のウハクにもご注目を。弟とは別次元のいい人で、思わず応援したくなっちゃいます。個人的には、モクハ、ボゴル、ウハクの友達以上家族未満の優しい三角関係にほっこりしました!

  • 無人島のディーバ ボゴル(チェ・ジョンヒョプ)のソロカット

    何かを隠すかのような、影のある眼差しのボゴル。

  • 無人島のディーバ モクハ(パク・ウンビン)とボゴル(チェ・ジョンヒョプ)のカット

    モクハに新しい靴を履かせてあげるボゴルの手が優しい。

いかがだったでしょうか。

本作は、やや荒唐無稽な設定に、純愛劇とピュアな友情&成功ストーリーを絡めつつ、巧妙に散りばめた謎と伏線がエモさとともにさく裂する極上サスペンス・ストーリー(長い!)です。

モクハをはじめとする登場人物たちの言葉や生き方は強く、前向きで、心に刺さる言葉ばかり。本作を観て、新しい環境を乗り越えるパワーをチャージしてくださいね。

無人島のディーバ モクハ(パク・ウンビン)とボゴル(チェ・ジョンヒョプ)の2ショット

同級生のように“約束”する、モクハとボゴルが可愛い!

無人島のディーバ モクハ(パク・ウンビン)とボゴル(チェ・ジョンヒョプ)の2ショット

モクハとボゴルが互いに思いやる、感動のシーン。

■配信サイト

『無人島のディーバ』
全12話
Netflixシリーズ『無人島のディーバ』独占配信中

無人島のディーバ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
ライター
中川薫

Kカルチャー・旅・お酒・漫画・音楽・スポーツ観戦好きのライター。ドハマりしたK沼が旅沼に直結し、年間十数回は海外へ。マイブームは「海外の大衆食堂をめぐること」。2023年は釜山&ソウル(韓国)、バンコク&ブリーラム(タイ)、ホーチミン&ハノイ&ダラット(ベトナム)、コロンボ(スリランカ)、リヤド&ジェッダ(サウジアラビア)で食べまくりました。