貫地谷しほり 今月は、舞台『赤坂大歌舞伎』に恋して♡
『赤坂大歌舞伎』
職人たちが華麗に舞う、歌舞伎の世界に興味があります
しほり(以下S) 歌舞伎は、学校の課外授業で観にいったことがあるくらいで、実はちゃんと観劇したことがないんです。でも、出演中の舞台『もとの黙阿弥』の劇中劇で歌舞伎に挑戦することになって以来、興味がわいてきました。日本の伝統芸能のひとつだし、これだけ長く続いてきたのには理由があると思うので、それをこの目で確かめてみたいです。 ゆっこ(以下Y) 歌舞伎に挑戦した感想は、いかがですか? S) 見えを切るシーンがあるのですが、日舞すらやったことのない人間からすると難しいことだらけです。ただ、私は劇中で も初めて歌舞伎をやるという役どころなので、上手じゃなくていいのが唯一の救いです。主演の片岡愛之助さんからも、「あ んまり練習しちゃダメですよ」と言われてます(笑)。 Y) 9月から始まる『赤坂大歌舞伎』では、中村勘九郎さんがユーモアを交えた品格ある舞いを繰り広げる『操り三番叟(あやつりさんばそう』、そして中村七之助さんによる主要人物七役早替りが見どころの『於染久松色読販 お染の七役(おそめひさまつうきなのよみうり おそめのななやく)』が上演されます。 S) 勘九郎さんのお芝居は、以前に三谷幸喜さん演出の舞台『ろくでなし啄木』で観劇させていただきました。まだお名前が“勘太郎”さんだった時の出演作で、とにかく勘九郎さんのエネルギーがすごくて、このテンションを最後まで保てるなって圧倒されっぱなしでした。今、稽古場での愛之助さんを見ていても感じるんですけど、歌舞伎の世界で活躍されてる方々って、みなさん小さい頃からいろんな芸を仕込まれていて、一種の職人さんみたいなんです。何者にも振りまわされない確固たる技を持った方々。私は感情型の役者だから、気持ちが乗ってる時はいいけど、そうじゃない時のお芝居はけっこう大変なんです。でも、そんなふうにムラがあるようじゃプロとは言えないので、そこを乗りきるための技をこれから身につけていきたいと思ってます。
--------------------- MORE2015年10月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック! 取材・文/吉川由希子 撮影/北浦敦子 ヘア&メイク/SAKURA(アルール) スタイリスト/青木宏予 ---------------------