29歳、独身、非正規労働者の女性の“もがき”が詰め込まれた物語『燕は戻ってこない』など、今読みたい本3選
最近発売された本の中から、おすすめを厳選して紹介!
最近発売された話題の本から、3冊のおすすめをご紹介します。
『燕は戻ってこない』桐野夏生
![おすすめ本。『燕は戻ってこない』桐野夏生](https://image-more.hpplus.jp/block/image/sp/upload/ecd/ecd6762f925c845eccf93ed76cf5a6f8.jpg)
29歳独身のリキは、非正規労働者であり日々の生活に困窮している。自分の武器になるものと言えば健康な身体のみ。貧困から脱出するために、高額な報酬と引き換えに代理母になるという選択をする——。生活のためとはいえ、他人の子どもを宿すという決断と葛藤、妊娠してからの揺れ動く感情。女性の“もがき”が詰め込まれた物語だ。(集英社 ¥2090)
『ミウラさんの友達』益田ミリ
![おすすめ本。『ミウラさんの友達』益田ミリ](https://image-more.hpplus.jp/block/image/sp/upload/e67/e6767bbbe703b024f0f76f019b5c900e.jpg)
著者の漫画デビュー20周年記念作品として描き下ろされた本書は、5つの言葉を話すロボット「トモダチ」とのルームシェアを通して、人の心の交流を描く。大切にしてきた関係でも、ほんの小さなすれ違いで壊れてしまう。何気ない日々の喜びやせつなさを共有できる存在がいることの大切さを、あらためて気づかせてくれる一冊になるだろう。(マガジンハウス ¥1430)
『おとしより パリジェンヌが旅した懐かしい日本』〈著〉イザベル・ボワノ 〈訳〉トリコロル・パリ
![おすすめ本。『おとしより パリジェンヌが旅した懐かしい日本』〈著〉イザベル・ボワノ 〈訳〉トリコロル・パリ](https://image-more.hpplus.jp/block/image/sp/upload/07a/07a6bb4e844dab3b825ec6efdacbe6b5.jpg)
10年にわたって日本をたびたび訪れてきたフランス人イラストレーターが、その旅の想い出を絵日記のようにつづった本書。日本の古きよき優しさあふれる風景が、彼女の目と指先を通して伝えられ、忘れかけていたものが思い出されるよう。『純喫茶アメリカン』のプリンなど、思わずキュンとするスイーツのイラストも必見だ。(パイ・インターナショナル ¥1760)
原文/千吉良美樹