高橋克典さん「自分だけの幸せの基準を見つけてください」【お悩み相談室『俺の人生論』】
恋に仕事……、女子の悩みは酸いも甘いもかみ分けた男に聞け! 高橋克典さんの2回目です。
【今回のお悩み】趣味や習いごとが長続きしません。このままじゃ、つまらない大人に……。
友人たちは旅行やジョギング、フラダンスなど、夢中になれる趣味があって楽しそう。でも私は映画観賞、食べ歩き、ヨガなど、とりあえずかじってもすぐに飽きてしまい、続きません。このままだと、つまらない大人になりそう。どうしたら長く続けられますか?(28歳・保育士)
この人は、なんで趣味を長く続けなければいけないと思っているんだろう? だって、趣味なんだから。楽しければいいわけでしょ? 苦しい思いまでしてうまくなろうと思ってないでしょ? そこが不思議だね。
たくさんの趣味を持てばたくさんの出合いがある
僕はすごくハマり症なので、これが好きだ、と思うと短期間でどっとハマり込むんです。で、趣味がどんどん増えていく。
オートバイもそうです。大好きですけど、子どもが生まれたり仕事が忙しくなったりして、生活に合わなくなった。オーディオもそうですね。一時期、いい機材を揃えて凝りまくったけど、音楽をゆっくり楽しむヒマもなくなって、中断。そうやって〝ちょっとお休み〟状態になっているのが、車、バイク、ステレオ、ボクシングにキックボクシング、いろいろあります。俳優という本業があるから、気分転換するために、そういうものが必要なんです。でも、それをやり続けることに意味があるわけじゃない。
それでも別にいいと思うんです。一生ひとつのことにのめり込むのもいいけれど、次々と違うことに挑戦するのもいい。だってそうすれば、いろいろなものと出合えるじゃないですか。
この人は28歳。若いから、まだ自分が本当に好きなものと出合えていないのかもしれない。僕が今いちばんハマっているのはゴルフですけど、ほんの1年前に始めたばかりです。50代半ばになるまで興味がなかったのに、いきなり始めて、今はそこそこの腕前です。それだって、ダメじゃないでしょ。
人としての魅力は、もっとずっと本質的なものです
「このままだと、つまらない大人になりそう」っていう彼女の心配も、意味がわからない。人間としての深みと趣味が続くかどうかは別ものかと。
じゃあ人間の深みって、なんなんだ? 何かについて詳しい人は、たしかに面白い。でも、人としての魅力や存在感というのは、もっと本質的なことじゃないかと思うよ。大事なのは、その人が自分の中にひとつの答えを持っているかどうか、自分だけの確固たる意見を持っているかどうか、なんだ。
僕が若い頃からずっと思っているのは、小さくまとまりたくないっていうこと。これが好きとかこれはこうじゃなきゃいけないとか、こだわりがありすぎると、生きるのが窮屈でつらくなる。大事なものはたったひとつ、心の中に秘めておけばいい。後のことは極端な話、どうでもいいんです。その大事なひとつというのは、探せば絶対に自分の中にあるから、そこに目を向けて生きていれば、不安はなくなっていくんじゃないかな。
今、みんな情報過多の中で生きているせいか、人のことを気にしすぎている。人から自分がどう見えるか、気にしすぎているよね。でも、人と同じである必要はない。幸せの基準は、自分の中にあるんです。
僕の場合は、仕事と家庭。そこを真面目にやっているから、ほかのものは取っ替え引っ替えだっていい。そう思っています。
自分だけの幸せの基準を見つけてください。そうすれば、自分に合う趣味はきっと見つかる。そしてその趣味をもっと楽しめるようになる。そう思います。
たくさんの趣味を持てばたくさんの出合いがある
僕はすごくハマり症なので、これが好きだ、と思うと短期間でどっとハマり込むんです。で、趣味がどんどん増えていく。
オートバイもそうです。大好きですけど、子どもが生まれたり仕事が忙しくなったりして、生活に合わなくなった。オーディオもそうですね。一時期、いい機材を揃えて凝りまくったけど、音楽をゆっくり楽しむヒマもなくなって、中断。そうやって〝ちょっとお休み〟状態になっているのが、車、バイク、ステレオ、ボクシングにキックボクシング、いろいろあります。俳優という本業があるから、気分転換するために、そういうものが必要なんです。でも、それをやり続けることに意味があるわけじゃない。
それでも別にいいと思うんです。一生ひとつのことにのめり込むのもいいけれど、次々と違うことに挑戦するのもいい。だってそうすれば、いろいろなものと出合えるじゃないですか。
この人は28歳。若いから、まだ自分が本当に好きなものと出合えていないのかもしれない。僕が今いちばんハマっているのはゴルフですけど、ほんの1年前に始めたばかりです。50代半ばになるまで興味がなかったのに、いきなり始めて、今はそこそこの腕前です。それだって、ダメじゃないでしょ。
人としての魅力は、もっとずっと本質的なものです
「このままだと、つまらない大人になりそう」っていう彼女の心配も、意味がわからない。人間としての深みと趣味が続くかどうかは別ものかと。
じゃあ人間の深みって、なんなんだ? 何かについて詳しい人は、たしかに面白い。でも、人としての魅力や存在感というのは、もっと本質的なことじゃないかと思うよ。大事なのは、その人が自分の中にひとつの答えを持っているかどうか、自分だけの確固たる意見を持っているかどうか、なんだ。
僕が若い頃からずっと思っているのは、小さくまとまりたくないっていうこと。これが好きとかこれはこうじゃなきゃいけないとか、こだわりがありすぎると、生きるのが窮屈でつらくなる。大事なものはたったひとつ、心の中に秘めておけばいい。後のことは極端な話、どうでもいいんです。その大事なひとつというのは、探せば絶対に自分の中にあるから、そこに目を向けて生きていれば、不安はなくなっていくんじゃないかな。
今、みんな情報過多の中で生きているせいか、人のことを気にしすぎている。人から自分がどう見えるか、気にしすぎているよね。でも、人と同じである必要はない。幸せの基準は、自分の中にあるんです。
僕の場合は、仕事と家庭。そこを真面目にやっているから、ほかのものは取っ替え引っ替えだっていい。そう思っています。
自分だけの幸せの基準を見つけてください。そうすれば、自分に合う趣味はきっと見つかる。そしてその趣味をもっと楽しめるようになる。そう思います。
【高橋克典さんの回答】大事なものがひとつあれば、趣味なんてどうでもよくなる
たかはし・かつのり●1964年12月15日生まれ、神奈川県出身。1993年から歌手、俳優として活動をスタート。ドラマ『サラリーマン金太郎』、『特命係長 只野仁』シリーズなど主演ヒット作多数。近年は司会やナレーションなど幅広く活躍中
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