シーズンレスに着回せるベーシックな服特集。スタイリストおすすめのアイテム7選
日頃から「定番服こそアップデートが必要!」とずばり言いきる、ベーシックの名手・石上さんが着回し力があってシーズンレスに活躍する=“衣替えずに”使える、今の気分が詰まったアイテムをピックアップ。この先3年ずっと使えて、今らしさもあるから手持ち服も旬顔にしてくれる、そんな頼もしい“新定番服”の魅力をじっくり解剖!
- ネイビーのタックパンツ
- グリーンのストライプシャツ
- 切替えボリュームフレアスカート
- 茶系のチェックジャケット
- 黒ベースの柄ワンピ
- メッシュのクルーネックニット
- 白のフリル衿ブラウス
- 20代女子におすすめ。新ベーシックブランド7選
教えてくれたのは…
『MORE』や『LEE』などの女性誌はもちろん、広告やカタログで幅広く活躍中の人気スタイリスト。ベーシックアイテムを取り入れた、どこか可愛げのある着こなしに定評あり。大人に似合うフレンチシックなスタイルも得意分野
ネイビーのタックパンツ
「上品さを確保しながら目新しく見せるなら、土台の色を黒からネイビーに更新。コンサバにならず、美脚見えする少し太めが◎」(石上美津江さん)
パンツ¥20900/シンゾーン ルミネ新宿店(ザ シンゾーン) Tシャツ¥7700/シンチ(オブラダ) ブレスレット¥18700/ショールーム ロイト(ニナ・エ・ジュール)
“衣替えない”のはこんなデザイン
☑︎ 色は黒に近い濃紺がずっと使える
☑︎ 太すぎないセミワイドシルエット
☑︎ ウエストはフラットなデザイン
SPRING&AUTUMN
きれいめシャツとならお仕事シーンも余裕でクリア
ほどよい落ち感があるからこそ、きちんと感のあるシャツとの着こなしもきれいに決まる。
SUMMER
メンズライクなシルエットが肌見せトップスをヘルシーに
ちょっぴり露出度の高いキャミも、さりげなくクールダウンしてくれるから照れずに着られる。
WINTER
重量感のあるレイヤードも直線的なシルエットですっきり
センタープレスが縦のラインを強調して、ロングニットカーデを主役にしたカジュアルコーデを上品に。
VARIATION
太めのウエストバンドでお腹まわりがもたつかずスマートに。
ほどよい光沢感がありしわになりにくいソフトツイルを使用。
グリーンのストライプシャツ
「数多くあるストライプの中でもグリーンなら新鮮見えするうえ、意外に主張が強すぎないんです。裾がイン&アウトで使えるように、ゆとりのあるサイズ感を」(石上美津江さん)
“衣替えない”のはこんなデザイン
☑︎ なじみのいいくすんだトーン
☑︎ ドロップショルダー&ゆるめの身幅
☑︎ 何にでも合う長め丈なら3年活躍
SPRING&AUTUMN
ジャケットとは相思相愛。ロゴTでカジュアル感をひとさじ
ストライプの端正なムードを生かしてジャケットコーデを格上げ。
SUMMER
抜け感のあるフォルムだから軽めのはおりとしても活躍
ほんのり涼感のあるトーンがTシャツ×デニムの夏らしいワンツーにぴったり。
WINTER
真冬は脇役に抜擢して重ね着に奥行きをプラス
タートルトップスとニットの間にさし込んで、さわやかなグリーンをクールなきかせ役に。
VARIATION
ちょっぴり深みのある落ち着いたグリーンで着こなしやすい。
とびきりフレッシュな若草色。ボタンダウンがちょうどいいアクセントに。
切替えボリュームフレアスカート
「ボトムの形が変わると一気に更新感が生まれます。主流だった細身の形に代わるのがフレア。さりげない切替えなら甘すぎず大人にジャスト!」(石上美津江さん)
“衣替えない”のはこんなデザイン
☑︎ 色は黒の無地がずっと使える
☑︎ 1カ所or2カ所の切替えライン
☑︎ 足首くらいの長め丈
SPRING&AUTUMN
ボーダーTとのワンツーもどこか可愛げある表情に
控えめな切替えがカジュアルコーデにひとさじの甘さを。重ための足もととも好バランス。
SUMMER
Tシャツとサンダルでとことんラフにハズして
主張が強すぎないからこそ、カジュアルなTシャツともバランスよく決まる。
WINTER
ざっくりニットとも好相性。赤をきかせてメリハリよく
スカートのエアリーな質感がボリュームのあるニットを軽やかに見せてくれる。
VARIATION
ぽこぽことした凹凸のある生地感がシックな黒にニュアンスを与えてくれる。
つるんと肌すべりのいいポリエステル素材。ウエストゴムだからストレスフリー。
茶系のチェックジャケット
「色を配したデザインだとほかの色になじみやすくなるのでジャケットは無地よりチェックのほうが断然使えます。軽めの素材と抜け感のある形なら、一年中こなれた印象に」(石上美津江さん)
“衣替えない”のはこんなデザイン
☑︎ 茶系ベースの細かいチェック柄
☑︎ ノーカラーではなく、衿つき
☑︎ 袖をまくりやすいやわらかな素材
SPRING&AUTUMN
ポロニット×チノパンでトラッドなムードを生かして
ゆとりのあるシルエットなら、かっちりとした端正な装いもお堅く見えない。
SUMMER
涼しげなキャミワンピに肩かけしてこなれ感を強調
やわらかくて肌なじみのいい素材感だから、こんなラフな取り入れ方もちゃんと絵になる。優しげなブラウンベースのチェック柄は真夏の着こなしにも自然にフィット。
WINTER
タートルニットの上からカーディガン感覚でレイヤード
しなやかな素材感だからこそ、コートのインにも着られる。
VARIATION
2種のチェックがミックスしたテーラードカラーに。
洗練感のあるガンクラブチェック。薄手で肌なじみよし。
黒ベースの柄ワンピ
「大人っぽさも可愛げも叶える黒ベースとオールシーズン使える薄手素材の最強コンビ。一枚でもニットと重ねても楽しみ方は無限大!」(石上美津江さん)
“衣替えない”のはこんなデザイン
☑︎ ベースは黒で、柄は単色
☑︎ 柄は小さいサイズ
☑︎ レイヤードしやすいとろみのある素材
SPRING&AUTUMN
カジュアルなGジャンでワンピの可憐さを引き立てて
ちょっぴり肌寒さを感じる春や秋の端境期にはGジャンとコーディネートするのも素敵。ワンピのシルエットをきれいに引き立てつつ抜けのある表情を叶えるなら、袖を通さずさっとはおるのが正解。
SUMMER
一枚ですとんと着る日はどこかパリジェンヌっぽく
シンプルなデザインだからさっぱりして見えないようにプラスアルファの小物使いで盛り上げるのも楽しい。かごバッグや赤のカーディガンでフレンチシックに楽しんでも。
WINTER
裾の揺れ感を味方につけて柄スカート風にアレンジ
上からニットやアウターを重ねてスカート代わりに着こなすと、また新しい雰囲気に。
VARIATION
しゃりっとした質感が心地いい一着。大人感のあるシックな小花柄。
前後ともV字にあいた女っぽいデザイン。
メッシュのクルーネックニット
「透け感のある、ゆるめの編み地だからこそ春夏は涼しく秋冬はインナーで遊べるという強みが。存在感がある分、あくまで形はシンプルに徹して」(石上美津江さん)
“衣替えない”のはこんなデザイン
☑︎ 首もとはシンプルなクルーネック
☑︎ 少しオーバーサイズなシルエット
☑︎ 編み目の大きさは1㎝くらい
SPRING&SUMMER
Tシャツをレイヤード。白でつなげて涼しげに
透ける白Tが夏っぽさを主張。
AUTUMN&WINTER
タートルをさし込めばあったかコーデが完成
落ち着いた黒小物で優しげ配色を引き締めて。
VARIATION
少し黄色みがかった白はどんな色にもなじみやすい。
グレー×白のミックスカラー。身幅やネックラインのゆとりがリラクシーな印象を後押し。
白のフリル衿ブラウス
「小さめのフリルカラーは可愛くなりすぎず、フレンチシックな着こなしに寄せることも可能です。袖口にディテールがあると重ね着した時、より印象的に」(石上美津江さん)
“衣替えない”のはこんなデザイン
☑︎ フレンチシックな小さめフリル衿
☑︎ ニュアンスが出るコットン素材
☑︎ 袖にもさりげないポイントがある
SPRING&SUMMER
袖をたくし上げつつワークパンツで着くずして
一枚で着るなら辛口なパンツと。大人に適度な甘さが手に入る。
AUTUMN&WINTER
メンズライクな装いを甘いフリルで味つけ
ちら見せすることで可愛げが際立つ。
VARIATION
前立てや袖口までフリル仕立てになったコットン素材のブラウス。
シルク混の素材はしなやかさが魅力。袖口には控えめにピンタックをあしらって。
20代女子におすすめ。新ベーシックブランド7選
“ずっと使える服”がそろうブランドを厳選。ベーシックとして愛される理由も必見!
オブラダ
元『シンゾーン』のディレクター・染谷真太郎さんが昨年スタートしたデニムを中心としたカジュアルブランド。素材からディテールまで染谷さんの深いこだわりが反映されたアイテムが多数。
選び抜かれた真のベーシックが集結
ウールとポリエステルをミックス。まるで“上質な学生服”のような素材を使ったタフなドレスパンツ。
▶︎ディレクターによる解説
「将来、ヴィンテージになっても味わいや愛おしさが増していくような洋服をイメージしています。飽きのこないシンプルなデザインなのに袖を通すと満足度が高い、そんなアイテムがブランドの強みです」(『オブラダ』ディレクター・染谷真太郎さん)
リノ
2015年に誕生した東京生まれのブランドは、肩ひじ張らずに着られる抜け感のあるアイテムが豊富。ヴィンテージの古きよきムードを生かした小粋なデザインはデイリーにぴったり。
素材も形も秀逸だから一枚で決まる
体を包み込むようなビッグシルエット。防しわ加工を施しているので、お手入れも簡単。
▶︎プレスによる解説
「時を経て受け継がれたヴィンテージウエアを着想源に今の気分に落とし込んだ洋服は“ずっと飽きずに着られる”まさにベーシックのような存在。次世代にもさらに受け継がれるのが理想です」(『リノ』/navy note プレス・山越美津香さん)
ビリティス・ディセッタン
レースやフリル、チュールなどを多用したロマンティックな世界観が魅力。「17歳」を意味するブランド名には“17歳の頃の素直な感性を持つ大人に着てほしい”という思いをこめている。
永遠に“女の子”でいさせてくれる服
洗いざらしを思わせる、ぱりっとしたペーパーライクなコットンがチャーミング。
▶︎デザイナーによる解説
「あえて毎回テーマを持たず着心地のよさやどの角度からも素敵に映えるシルエットを考えできるだけ丁寧な縫製に。短いサイクルでは決して終わらないこの先もずっと愛せるものを時間をかけて大切につくっています」(『ビリティス・ディセッタン』デザイナー・星 丈二さん 瀬下裕子さん)
アンクレイヴ
エディターとしても活躍中の東原妙子さんをディレクターに2020年にローンチ。「むやみに欲しがらない大人のための服」をコンセプトにした洋服はおしゃれプロたちにもファンが多い。
洗練感のあるカッコいい女性像が叶う
しっかりとしたはり感とギャザーがキープできるメモリータッチ素材。
▶︎プレスによる解説
「オンオフ着られるデザインでありながら色使いや着た時のバランスに目新しさを感じるような、さりげない工夫をプラス。着心地のよさも機能性も一切妥協せずに“毎日着たくなる”ことを前提に手がけています」(『アンクレイヴ』プレス・前田実香さん)
クチュール ド アダム
セレクトショップのメンズ服のバイヤーを長年務めていたディレクターが手がけるレディスブランド。トラッドスタイルをベースにした、ハイセンスでマニッシュなアイテムが評判。
マスキュリンな大人っぽさに惚れ惚れ
レーヨン×アセテートのサステナブルな再生素材。ドレープ感もきれい。
▶︎ディレクターによる解説
「ブランドの軸となるジャケットはメンズスーツを手がける工場で美しいシルエットや丁寧な仕立てを意識して形にしています。自立した女性にこそタイムレスに愛せる“本物”を着てほしいという思いがあり、それがベーシックな物づくりにつながっているのかもしれません」(『クチュール ド アダム』ディレクター・平野洋樹さん)
エスロー
2021年秋冬にデビューしたレディスブランド。質にこだわった素材と体の動きを捉えたパターンを組み合わせた着心地のいいアイテムが魅力。昨年からはユニセックスラインも登場。
なじみがいいのに、ちゃんと今っぽさも
シンプルな見た目ながら、縫い代をあえて表にして立体的に見せたユニークなディテールがポイント。
▶︎デザイナーによる解説
「リラックス感とクリーンさをあわせ持つファブリックを使用。実用的であることはもちろん、手持ちのアイテムと組み合わせることでその人らしさがより際立つようなニュートラルな洋服を目指しています」(『エスロー』デザイナー・清水一子さん)
ヌキテパ
2003年のブランドスタート時から、インドの手仕事を反映させたクラフト感のあるアイテムをリリース。やわらかなムードが漂うワンピースやブラウスは特に人気でリピートする人も。
記憶に残る色柄の使い方がお上手!
コットン100%で季節を問わずに使える優しい着心地。
▶︎プレスによる解説
「“自分のスタイルをキープする”という意味がブランド名にこめられておりトレンドに左右されず長く着られる服を提案しています。インドで生産されるレースや刺しゅう、風合いのある素材はまさにシーズンレス」(『ビームス』プレス・目黒越子さん)
撮影/小嶋洋平(モデル) 坂田幸一(製品) ヘア&メイク/川添カユミ(ilumini./栞里分) 河嶋 希(io/巴瑞季分) モデル/佐藤栞里 土屋巴瑞季 スタイリスト/石上美津江 取材・原文/野崎久実子 撮影協力/アワビーズ EASE TITLES プロップス ナウ ※MORE2023年3・4月合併号掲載