大阪から2時間以内のアートな小旅行、行き先リスト

グルメ、景色、ホテル、と旅の理由は数あれど、“アート”をひとつの目的にしてみたら……? 今かつてないほどにアートで盛り上がる大阪。そこから2時間以内で行ける、関西屈指の美麗な美術館で五感を刺激するひとときを過ごそう。

CONTENTS
  1. 大阪から2時間以内のアートな小旅行、行き先リスト
  2. 【1】京都府(京都市)
  3. 【2】大阪府(大阪市)
  4. 【3】滋賀県(甲賀市)
  5. 【4】兵庫県(姫路市)

【1】京都府(京都市)

京都市京セラ美術館の荘厳な空間を堪能

大阪から▶︎電車で約1時間|車で約1時間

京都市京セラ美術館の外観

現存する日本の公立美術館の中で最古の建築と京都が生んだきらびやかな芸術作品に触れる

平安神宮のすぐそばに位置する、『京都市京セラ美術館』。和洋折衷の建築は圧巻の美しさで、天井高が16mもある中央ホールや、天井のステンドグラス、石造りの階段など空間自体も見どころ満載。この地の芸術を語るうえで重要な作品を中心に、約4200点もコレクションしており、展覧会は毎回見応え抜群。京都の伝統文化を感じられる限定商品やオリジナルグッズがそろう、ミュージアムショップ『ART RECTANGLE KYOTO』も立ち寄って。

京都市京セラ美術館の内観

撮影/来田 猛

【 現在開催中の展覧会 】
「京都市美術館開館90周年記念展 竹内栖鳳 破壊と創生のエネルギー」
近代京都の日本画界に最も影響を与えた画家、竹内栖鳳の画業をたどる。重要文化財『絵になる最初』(展示期間/11月7日〜)は必見。●10月7日(土)〜12月3日(日)まで

「ザ・トライアングル 山本雄教」
国内外のアートフェアやギャラリーで存在感を放つ若手現代美術家。一円玉や米粒など、身近なものを用いたユニークな作品を一挙に。●10月13日(金)〜2024年2月12日(月)まで

■京都市京セラ美術館
住所/京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
電話/075-771-4334
営業時間/10:00〜18:00(最終入場時間は展覧会により異なる)
休館日/月曜(祝日の場合は開館)、年末年始
HP/https://kyotocity-kyocera.museum/
観覧料/コレクションルーム大人¥730(企画展は展覧会により異なるため公式サイトで確認を)

【2】大阪府(大阪市)

藤田美術館の和×モダン空間へ!

大阪から▶︎電車で約15分|車で約15分

藤田美術館

藤田美術館蔵

明治期の藤田邸宅のエッセンスを取り入れたモダンかつ重厚感のある空間でアートを身近に

茶道具や仏教美術など、国宝9件、重要文化財53件を含む約2000件を所蔵。開放感あふれるガラス張りのエントランスは、“土間”をイメージ。静ひつな空気に包まれた展示室は、作品を至近距離で観られるつくりで、QRコードを読み取ればスマホで解説が読める。また展示品の撮影も可能で、古美術への興味がわく仕掛けが随所に施されている。無機質空間がおしゃれな『あみじま茶屋』を併設しており、若手現代作家が作った茶器でお茶とおだんごがいただける。

藤田美術館の外観
藤田美術館 あみじま茶屋

『あみじま茶屋』も人気スポット

■藤田美術館
住所/大阪府大阪市都島区網島町10の32
電話/06-6351-0582
営業時間/10:00〜18:00
休館日/12月29日〜1月5日
HP/https://fujita-museum.or.jp/
入館料/大人(20歳以上)¥1000

【3】滋賀県(甲賀市)

MIHO MUSEUMで大パノラマを堪能する

大阪から▶︎電車で約1時間50分|車で約1時間30分

MIHO MUSEUM

世界的建築家が設計した桃源郷で古代美術と自然の美しさを味わう

滋賀県信楽の山奥に佇む『MIHO MUSEUM』は、パリのルーヴル美術館のガラスのピラミッドで知られる建築家、I.M.ペイが、“桃源郷”をイメージして設計。遊歩道からトンネルと橋を経た先に、ガラス屋根の美術館が見えてくるアプローチは見事。エントランスホールからは、山々が連なるパノラマビューを堪能できる。茶道具や仏教美術などの日本美術と世界の古代美術約3000件をコレクションしており、目玉は自然光が優しく射し込む部屋に展示された「ガンダーラ仏立像」。天候によって見え方が変化する。

MIHO MUSEUMアプローチ

ユートピアへ誘う夢幻的なアプローチ
写真提供/MIHO MUSEUM

■MIHO MUSEUM
住所/滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
電話/0748-82-3411
営業時間/10:00〜17:00(入場は閉館の1時間前まで)
休館日/春季・夏季・秋季、各開館期間中の月曜(祝日の場合は翌日)、展示替え期間
HP/https://www.miho.jp/
入館料/大人¥1300

【4】兵庫県(姫路市)

姫路市立美術館で霧のアートを観る

大阪から▶︎電車で約1時間20分|車で約1時間30分

姫路市立美術館

中谷芙二子《白い風景—原初の地球》霧の彫刻 #47769、オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト、姫路市立美術館、兵庫、2023年
©Fujiko Nakaya photo by Shiro Yamamoto

歴史的建造物がつくり出す壮大な景観とアートが見事に調和した幻想空間

世界文化遺産・姫路城の敷地内にある、明治時代の建物を活用した美術館。お城の白壁、赤れんが、芝生が生い茂る庭園が織りなす景色は圧巻。夜間にはライトアップされ、昼間とはひと味違った景観を楽しめる。姫路にゆかりのある作家の作品を中心に、モネやマティスらの作品まで幅広く所蔵。庭園でも、さまざまな彫刻作品を展示しており、なかでも異世界へと誘う中谷芙二子の霧のインスタレーションは注目。

姫路市立美術館の外観

【 現在開催中の展覧会 】
「中谷芙二子 《白い風景—原初の地球》霧の彫刻 #47769」
“霧の彫刻家”・中谷芙二子の作品。人工的に発生させた霧のインスタレーションでは、真っ白な世界に溶け込む非日常体験ができる。●開催中〜11月26日(日)まで

■姫路市立美術館
住所/兵庫県姫路市本町68の25
電話/079-222-2288
営業時間/10:00〜17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日/月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
HP/https://www.city.himeji.lg.jp/art/
観覧料/企画展により異なるため公式サイトで確認を

取材・原文/海渡理恵 ※MORE2023年11月号掲載