有明海の干潟で未知の体験! 佐賀県鹿島市で自然の神秘に触れるリトリート旅
MORE編集部
日本一個性的な海と呼ばれる、有明海。佐賀県鹿島市には、その有明海の干潟が広がり、神秘的な風景や自然をまるごと感じられます。知らないことだらけの干潟には、こんな楽しみ方があったんだと驚きの連続! 次の旅は、佐賀県鹿島市で好奇心をくすぐる有意義な時間を過ごしてはいかが?
有明海の干潟とは?
有明海は九州北西部にある海域で、佐賀、福岡、長崎、熊本の4県に囲まれた海です。有明海には112本の河川が流れ込み、その水には豊富な栄養が含まれています。潮の流れと共に海水に泥が混ざり、泥の浄化作用によって海水がきれいに。有明海は自然のサイクルによって育まれた、豊かな海なんです!
そして一日に2回ずつ、満潮の時間は海に、干潮の時間は広大な干潟へと姿を変えます。潮の満ち引きが大きなこと、とてつもなく広大な干潟こそが有明海の特徴。
肥沃な干潟には、ムツゴロウやシオマネキなど、国内では有明海でしか見られないような固有種の生物が生息しています。泥の中をムツゴロウがピチピチと飛び跳ねる様子はとってもキュート!
どこにあるの? 鹿島市の干潟マップ
佐賀県鹿島市には、ふたつの干潟があります。ラムサール条約に登録された肥前鹿島干潟(MAPの01鹿島新籠海岸)と七浦地区の干潟(MAPの02干潟展望館)です。肥前鹿島干潟に入ることはできませんが、海辺の見晴らし台に大型望遠鏡があります。七浦地区では約3キロ先まで干潟が出現し、干潟体験等のアクティビティが楽しめ、水族館や道の駅が隣接していて観光に最適!
豊かな自然環境とおもしろい体験、ふたつの側面を持つ佐賀県鹿島市の干潟。泳ぐ以外で、海の姿に触れることができるのも魅力のひとつです。
有明海の干潟への行き方
肥前鹿島干潟(MAPの01鹿島新籠海岸)
〒849-1301 佐賀県鹿島市常広
ラムサール条約推進室Facebook →
鹿島市干潟交流館(MAPの02干潟展望館)
〒849-1323 佐賀県鹿島市音成甲4427-5 (道の駅鹿島 敷地内)
干潟交流館Instagram →
※道の駅鹿島の敷地内に2019年にオープン
鹿島市の干潟はここがすごい!
肥前鹿島干潟は、佐賀県南部の有明海西岸に位置し、塩田川、鹿島川の河口と海岸に発達する干潟。都市開発により世界中で湿地が失われていく中、2015年、湿地に生息する動植物の保全を目的とした「ラムサール条約」に登録されました。干潟に生息するのは、ムツゴロウなど魚だけではありません。秋から春にかけて渡り鳥であるズグロカモメやチュウシャクシギ等のシギ・チドリ類が渡来し、東アジア地域における重要な渡りの中継地となっていて、野鳥観察のスポットでもあります!
ずっと眺めていたくなる、肥前鹿島干潟
「ラムサール条約」の登録を契機に、鹿島市は環境や経済などの問題解決に向けた取り組みを本格的に開始。市民、企業、金融機関、地方自治体が一体となり、干潟を起点に産業を回す仕組みが次々と生まれ、SDGs達成に向けた好循環が広がっています。
地域の悩みを解決! ロハスでおいしい特産品
干潟をシンボルにした鹿島市の活動は、SDGsをベースにした事業支援のシステムが評価されて“環境系大臣表彰3冠 ”を達成! 内閣府の「SDGs未来都市」に選定された九州随一のエシカルな海街に。
そして地元の悩みもロハスに解決しながら、「肥前鹿島干潟ラムサールブランド」として認証した新たな特産品を生み出しているんです。たとえば、海岸清掃で刈り取ったヨシなどを使った堆肥で米を栽培したり、地元の酒蔵が棚田米で日本酒を造ったりすることで、土砂災害や水害の軽減、耕作放棄地の活用を促し、経済活性化と環境保全の両立を実現。旅で訪れた人も、おいしく食べてサステナブルな活動に参加できてしまうというワケ!
干潟を楽しむ! 体験できること
鹿島市の海沿いエリアに現れる広大な干潟では、自然の神秘を五感で楽しく感じることができます! 美しい景色を眺めたり、泥んこになって遊んだり、海の幸をいただいたり。有明海の干潟に触れて、リフレッシュ&エネルギーチャージをして。
干潟で体験できること1「ライトアップ」
期間限定のため、次回開催は未定
カモによる海苔の食害を解決するため、 過去には干潟をLEDでカラフルにライトアップしました。カモとの共存を図りながら、観光スポットとしてのエリアの活性化にも成功。
特別なライトアップだけでなく、普段の静かな干潟も映えるんです!干潟の水面に空が反射して、幻想的な反転世界が出現。有明海ならではの素晴らしい景色を、写真に収めて。
干潟で体験できること2「干潟遊び」
干潟とは、潮が引いたときに現れる海底の泥のこと。有明海の干潟の大部分は、軟らかい泥干潟です。だから、鹿島市では泥んこ遊びができちゃう! 大地に素足や素手で触れること(アーシング)はリラックス効果が期待できる、今注目の健康法なんですよ。
道の駅鹿島では、4〜10月に干潟体験を楽しむことが可能。板の上に乗って移動するガタスキーなど、インストラクターの手ほどきで安心して遊べます。
干潟でダッシュ!? 泥んこになっても思わず笑顔に♪
年に一度開催される、「鹿島ガタリンピック」はわざわざ旅の目的にしたい大運動会。子どもから大人まで参加することができ、干潟の上を自転車で駆け抜けたり、押し相撲で争ったり、ユニークな競技が目白押し。子どもの頃のように、思いっきりはじけちゃいましょう!
有明海の恵みをおみやげに!
有明海ならではの特産品をチェック。やはりハズせないのは、海苔の最高級品として知られる「佐賀海苔」。『不知火海苔』の「味のり レインボー」は有明海で収穫した一番摘みの海苔を使用。やわらかな口溶けと海苔本来の味わい、そして上品な香りが格別。おつまみにも最適です!
あっと驚かせるおみやげなら、有明海に生息する珍魚「ムツゴロウ」を、自家製しょうゆだれに漬け込んで乾燥させた 『川田食品』の「丸干しむつごろう」がおすすめ。臭みがまったくなく、スナック感覚でそのまま食べられます! 日本酒やビールのおつまみにぴったり。
肥前鹿島干潟の動画をチェック!
原文/海渡理恵 構成&文/横溝桃子