金沢から特急で約30分。アクセスと過ごし方のコツを伝授

開湯1300年を誇る北陸の古湯・山代温泉。ノスタルジックな雰囲気が漂う山代温泉街で高い人気を誇る宿泊地が、『星野リゾート』の温泉旅館『界 加賀』です。
この記事では、基本情報から周辺スポットまで、旅好きライター愛ちあんが現地で感じた『界 加賀』の魅力をレポートします。

『界 加賀』基本情報

金沢から特急で30分の山代温泉にある『界 加賀』は、『星野リゾート』が全国20ヶ所で展開している温泉旅館のひとつ。創業380年の老舗旅館『白銀屋』の歴史を引き継ぎ、2015年にオープンしました。客室は、全48室。うち18室が露天風呂(温泉)を備える客室露天風呂付き! アクセスは、加賀温泉駅からバスorタクシーで約10分です。

部屋にも飲料水などは用意されていますが、宿周辺にコンビニなどはない閑静な場所なので、必要なものは駅前の大型スーパー等で購入してから向かうのが、いっそう快適に過ごすコツです。

風情ある温泉旅館で、贅沢を極める旅!

紅殻格子が印象的な伝統建築棟は、国の有形文化財に登録されています。はるか昔にタイムスリップしたかのような風情ある景観に、滞在の期待が高まります。
星野リゾート温泉旅館『界 加賀』外観
『界 加賀』。伝統建築棟と、それにマッチするように作られた地上8階建ての客室棟
旅館へ足を踏み入れると、そこは別世界! ロビーや廊下など、館内には金沢の希少伝統工芸のひとつである「加賀水引」のオブジェをはじめ、数々のアートが飾られています。中庭には緑があふれ、伝統とモダンが融合した和の空間におもわずため息が……♡ はやくも癒し度抜群です。
『界 加賀』の内観
(左上)「SNSで映える」と人気のオブジェ
(右上)『界 加賀』の中から外を眺めた様子も雰囲気があります
(右下)中庭に設けられた縁側
(左下)中庭は緑がたっぷりで癒し度満点
客室棟の1階には、ラウンジスペース「トラベルライブラリー」が。ここには加賀にゆえんのある本や、24時間飲み放題のコーヒーが用意されています。宿泊者が思い思いに過ごせる場所なので、チェックイン後やお風呂上がりにほっとひと息ついている人が多かったです。
星野リゾート温泉旅館『界 加賀』の「トラベルライブラリー」
トラベルライブラリー
(上)『界 加賀』の前身となる『白銀屋』に好んで逗留していた芸術家・北大路魯山人が書いた巨大な書が飾られている
(下)毎日15:00から20:30までセルフサービスで提供されるお茶と和菓子

加賀文化がちりばめられた、落ち着く客室

すべての部屋にローベッドとソファを配し、ベッドのフットピローには加賀友禅、ベッドの背後には加賀水引が飾られるなど、加賀の文化が室内随所にちりばめられています。
客室番号を示すプレートは全室異なるデザインで、そのすべてが石川県を代表する伝統工芸品・九谷焼で作られているのもポイント。
急須やカップも加賀市の山中温泉地区で作られる漆器「山中漆器」のものが置かれ、こだわり満載です。
星野リゾート温泉旅館『界 加賀』「露天風呂付き和室」
露天風呂付き和室
(左上)居間から見た寝室。扉で仕切ることができて便利
(右)部屋に用意されているお茶やお菓子
(左下)『界』ブランドの名物、風呂敷。歯ブラシなど、アメニティセットが包んである
今回宿泊した「露天風呂付き和室」では、24時間温泉を使ったお湯につかり放題♡ 露天風呂の横にはちょっとしたベランダがあり、椅子に座って風にあたることも可能。風呂上がりには、冷蔵庫にある石川県・能登のご当地サイダー「しおサイダー」(有料¥360)をゴクリ。汗で失ったミネラルを補給できます。
星野リゾート温泉旅館『界 加賀』客室露天風呂
(左)洗面台兼脱衣所スペース。露店風呂の手前にはシャワーブースが設けられている
(右上)露天風呂。湯の量や温度は旅館が管理
(右下)「しおサイダー」。ぜひ飲んでみて♪

宿泊者全員が入浴できる、素敵な大浴場♡

宿泊者全員が利用できる大浴場も。女湯、男湯ともに脱衣所・内風呂・露天風呂で構成され、脱衣所には伝統工芸品の「加賀提灯」が吊るされています。
風呂上がりに無料で味わえる「加賀柚子みつ」の用意もあり、行き届いたサービスに感動!
星野リゾート『界 加賀』の大浴場(左)加賀柚子蜜。(右)加賀提灯
(左)「加賀柚子みつ」。ビタミンCなどの栄養素豊富なシロップを、水で割っていただくスタイル
(右)加賀提灯。可愛さにテンションがあがります。

九谷焼で加賀の春夏秋冬を表現! アートな内風呂

内風呂には、加賀の春夏秋冬を表現した九谷焼のアートパネルが飾られています。露天風呂との仕切りガラスには、金沢箔(金箔)で描かれた白山がどどんと! 夜になるとまた違った雰囲気が楽しめるので、朝晩両方入ることをおすすめします。

星野リゾート温泉旅館『界 加賀』内風呂
内風呂。アートの詳細や様式についての説明書きも

風にあたりながら湯につかれる、気持ちのいい露天風呂

露天風呂から眺める美しくダイナミックな松の木。日光や風を感じながらつかる湯はまさに極楽。
星野リゾート温泉旅館『界 加賀』大浴場の露天風呂
露天風呂。女湯には黒松、男湯には五葉松が植えられている

九谷焼と絶品料理のマリアージュにもうっとり

温泉旅館の楽しみといえば、宿自慢の料理! 『界 加賀』では、料理に合わせてオリジナル制作した九谷焼とのマリアージュも見逃せません!!
夕食はコース料理のみで、今回は春夏秋の特別会席「のどぐろと鮑の会席」をいただきました。

夕食:目も舌も心も幸せになる「のどぐろと鮑の会席」

金継ぎのお皿を使用した先付けから、特製スイーツまで、全10品の特別会席。旬の食材がふんだんに使われ、その色鮮やかさに食欲がいっそう増します。たとえば、たくさんのおかずを少量ずつ盛りつけた「宝楽盛り」は、宝石箱のような美しさ。九谷焼の器のカラーリングも相まって、豪華なビジュアルです。コースの主役のひとつ「のどぐろ土鍋ごはん」は、その場で食べきれなければ箱に詰めて部屋に持ち帰ることができるのもうれしいポイントです。
星野リゾート温泉旅館『界 加賀』夕食、「のどぐろと鮑の会席」メニュー例

「のどぐろと鮑の会席」
(左)「のどぐろ土鍋ごはん」、(右)「宝楽盛り」

朝食:和定食でパワーチャージ

朝食は、一年を通して和定食です。厚焼玉子に、季節の魚を使用した本日の焼き魚、白米にお味噌汁。メインとなるのは、石川県伝統の魚醤をベースとした「いしる鍋」。海の幸や野菜が入った、旨味たっぷりのお鍋で体はポカポカに。
星野リゾート温泉旅館『界 加賀』朝食
朝食(左)大人用の和御前、(右)「いしる鍋」。この鍋も九谷焼です

ユニークなアクティビティにも注目

『星野リゾート』といえば、ホテル・旅館ごとに、さまざまなアクティビティが用意されているのが特徴ですよね。
『界 加賀』では、伝統文化や民藝とふれあう体験がラインアップされています。

“己”との対話。ひとりでお茶をたしなむ「独服」

自分で淹れたお茶を自分で楽しむ「独服」は、中庭の離れにある茶室にて開催される有料のアクティビティ。
茶室はものすごく静かで、中庭の木々が揺れる音しか聞こえません。そんな空間で己と対話しながら、金沢市下新町にある『上林金沢茶舗』の「加賀棒茶」を深煎りと浅煎りで、お菓子とともにいただきます。
星野リゾート温泉旅館『界 加賀』、「独服体験」の様子
ライター愛ちあんが「独服」を体験。お菓子は山代温泉の和菓子処『しもつね』の最中と、金沢の和菓子屋『諸江屋』の「花うさぎ」の2種類。
  • 茶室「思惟庵」
    開催時間:毎日15:00~18:00の間で、00、20、40分スタート
    料金:¥1500
    申込:当日15:00よりフロントにて受付

滞在の記念に。「金継ぎアクセサリー作り」

「金継ぎアクセサリー作り」は、九谷焼のかけら同士を金継ぎ(※)で組み合わせ、ピアスや髪飾りなど、世界にひとつだけのアイテムを作ることができる人気の有料アクティビティ。完成したアイテムはスタッフによる仕上げ後、チェックアウトのタイミングで受け取ることができます。
※割れてしまった器を鮮やかに修復できる技法
星野リゾート温泉旅館『界 加賀』アクティビティ「金継ぎアクセサリー作り」
(左上)パーツ選び。どんな組み合わせにするか悩みどころ
(右上)体験中はスタッフがしっかりとサポートしてくれます
(右下)完成したピアス
(左下)パーツをつなぎ合わせる作業中
  • 金継ぎアクセサリー作り
    開催期間:11/6(日)まで
    開催時間:15:00~、16:00、17:00~ 各回2組(最大6名まで)
    料金:¥3000
    申込:当日15:00よりフロントにて受付

周辺観光もばっちり! 山代温泉で行くべきスポット

『界 加賀』の周辺には、観光スポットも豊富なんです! 滞在中でも、チェックイン前orチェックアウト後でも、気軽に立ち寄ることができるおすすめの2スポットを紹介。

『古総湯』

『界 加賀』の目の前にある共同浴場『古総湯』。明治時代の総湯を復元したもので、幻想的なステンドグラスが特徴です。床や壁の九谷焼のタイルの絵柄まで、当時のまま復元! 温泉は源泉かけ流しで、シャワーはありません。桶でかけ湯をして、湯船につかります。当時の風習や空間を体験できる貴重な場所です。
石川県・山代温泉「古総湯」
夜の『古総湯』。『界 加賀』宿泊者は、部屋にある風呂敷を受付で見せれば無料で利用することができる
  • 古総湯
    営業時間:6:00~22:00
    料金:大人¥500、中人(6歳以上12歳未満)¥200、小人(3歳以上6歳未満)¥100、3歳未満無料
    ※『界 加賀』宿泊者は条件付き無料
    休業日:各月の第4水曜6:00〜12:00(正午から通常営業)

『はづちを茶店』

『界 加賀』から徒歩約30秒の場所にある『はづちを楽堂』内の『はづちを茶店』は、地元食材を使用したスイーツを堪能できるカフェ。
おすすめは、山代温泉の街をイメージしたキュートな「加賀パフェ」。ほうれん草のクラッカーや大根のしそチップなど、地元野菜が使われているユニークなメニューで、層によって異なる味や食感を楽しんで♡
(左)地域のコミュニケーションをサポートするための施設『はづちを楽堂』(右)「加賀パフェ」(お茶付き¥1000)。思わず写真を撮りたくなるビジュアル!

(左)地域のコミュニケーションをサポートするための施設『はづちを楽堂』
(右)「加賀パフェ」(お茶付き¥1000)。思わず写真を撮りたくなるビジュアル!

  • はづちを茶店
    営業時間:9:30~17:00
温泉、食、アクティビティから、周辺観光まで。『界 加賀』は、ゆったりとした時間の中で、のんびりかつ大充実の滞在ができる素敵な旅館でした。
日常を忘れ贅沢な時間を過ごしたい時に、これほど満足のいく場所があるなんて♡ 想像を超える極楽ステイを体験してみてください。

※掲載されている情報は2022年10月9日時点のもので、テキストには個人の感想が含まれています。
▶︎▶︎『界 加賀』公式サイトはこちらから
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  • ライター愛ちあん
  • 元・MORE読者ブロガーのモア世代ライター。スタバやタリーズの新作レポなどグルメを中心に、ライフスタイル全般を担当中!みなとみらいのフリーマガジンを作っていたほど地元愛が強いハマっ子。夏と旅行と海を愛するアクティブ女子で、スポーツが大得意。島旅が大好きです♡

取材・文/矢野愛 ※掲載情報およびイベント等については変更や延期・中止の可能性があります。公式サイト等で最新情報をご確認ください。