銭湯に集う人々の心温まる交流を描いたハートウォーミングストーリー

ドラマ『湯あがりスケッチ』とは

“銭湯ブーム“の火付け役とも言われている塩谷歩波さん(『銭湯図解』著者)。塩谷さんの人生を原案として生まれたドラマ『湯あがりスケッチ』(2月3日配信開始/ひかりTV)は、著書『銭湯図解』がきっかけで、ちょっと可笑しくも愛らしい人々との出会いが生まれていくストーリー。全8話で構成される本作は、毎話、今も実際に営業している都内の銭湯と、それぞれのエピソードの鍵となる 8 人の女性が登場し、物語を盛り上げます。

銭湯というどこか懐かしい場所を舞台に描かれるのは、悩みやしがらみを抱えながらも日々を生きる女性たち。
主人公・澤井穂波を演じるのは、役者、映画監督、執筆家としての活躍を見せる小川紗良さん。さまざまな顔を持つ彼女ならではの表現力で、“澤井穂波“を体現していきます。本作が連続ドラマ初主演となる彼女の、表情の演技や、銭湯を通じて出会う人々との対話や生き方、その葛藤にも注目です。

森崎ウィンさん独占インタビュー

今回は、このドラマで熊谷喜多を演じる森崎ウィンさん(31)の、独占インタビューをお届けします。俳優として、また歌手として、着実にキャリアを積み重ねている森崎さん。このドラマでは、どんな新しい姿を見せてくれるのでしょうか? また、銭湯を通して交流する女性たちの姿を描くこの作品を、森崎さんはどのように捉えているのでしょうか?
インタビューを通して、ひたむきでチャーミング、そして必死に生きているひとりの人間でもある森崎さんの、心の内が少し見えてきました。
森崎ウィンさん
Q .このドラマは、『銭湯図解』の著者・塩谷歩波さんの人生がベースとなっているそうですが、森崎さんは台本を読んでどんな感想を持ちましたか?
森崎さん
いろいろな人生を背負った人たちが
銭湯というひとつの場所に集まって
人生観だったり自分との向き合い方だったりを
もう一度見つめ直す、
そういういった人たちが集う場所が銭湯だというのを
この台本を通してあらためて知りました。
人間って”前に進まないといけない、進まなきゃ!”って
思いがちなんですが、
そんなにすぐ変わらなくてもいいんだな
という教訓を得た気もします。

人には、
“変わらないといけないという気持ちになる時”と、
“誰かと会うことによって自分が感化されて
次に進めるタイミング”というのが
必ず来ると思うので、
そこまでは、ゆったりする時間も必要だと
あらためて知ることができた
台本なのかなと思います。

ストーリーとしては純粋に、
“すぐに答えを出してくれないところ”が僕は好きで、
想像させられるような脚本にひと目惚れしました。
Q .森崎さんは人生の中で、小川紗良さん演じる澤井穂波のように、頑張りすぎて心身が疲れてしまった経験はありますか?
森崎さん
正直なところ、
“すごく頑張っている”という感覚が
たまに無い瞬間があります。
僕たちのような仕事は忙しさに波があって、
“自分が今頑張っているんだ”という感覚が無いまま
気づいたら色んな物を背負っている
ということがあったりします。

いろんなことが詰まりすぎていた時期に
一度あった経験なんですが、
空き時間が2時間だけできたので
いったん家に帰って
テレビでバラエティ番組を観ていたら、
泣いてる自分がいたんです。

でもその涙の後に
すごくスッキリして
“よし、動こう!”という気持ちに
切り替えられて。
気づかぬうちに
そんな風になっていたことがあります。
Q .主人公の穂波は銭湯に行くことで癒されていきます。森崎さんにとっての癒しは何ですか?
森崎さん
僕の場合はキャンプに行くことですかね。
携帯電話も触らず、
自分の見慣れた景色からいったん離れて
自然に触れて、
自分の体の隅々まで
細胞の一つ一つまで
癒しの空気が入り込んでくるのが感じられて、
僕にとってはキャンプが一番の癒しです。
森崎ウィンさん
Q .森崎さんは“お風呂好き”ですか? 銭湯にも行きますか?
森崎さん
実はお風呂にはぜんぜんつかれないです(笑)。
僕はミャンマー出身なのですが、
ミャンマーにはお風呂につかるという文化がなく、
幼い頃から浴槽につかるということを
してきませんでした。

なので今回、銭湯に入るシーンもあったので
正直なところ入り方も分からないままに、
スタッフの皆さんに聞きながら
クランクイン前に
普段まったくお湯をためない家の浴槽にお湯をはり、
初めて30分ほどがんばって入ってみました。
最初は新鮮でやっぱりいいなぁ、
たまにはちゃんとつかったほうがいいなぁと
思っていたのですが、だんだんのぼせてきて、
それでもiPadを持ち込んで作業をしたり
台本を読んだりしてみたのですが、
結局浴槽の縁に座っていた時間のほうが
長かったような気がします(笑)。
Q .森崎さんが演じる熊谷喜多は、劇作家志望で、銭湯の常連ということですが、熊谷喜多のどんな部分に魅力を感じますか?
森崎さん
生みの苦しみの渦中にいたり
自分で自分にプレッシャーをかけていたり、
だけれども
人当たりはよくて、人前ではすごく明るく演じていて
明るくいればいるほど
“自分の中の暗い部分を隠している”
という感覚がある人物です。

台本を最初に読んだ時も、
中川監督にお会いしてからも、
「(熊谷について)監督は自分のことを
書いているのではないかな」と。

撮影中にもそう感じたりしました。
ある時、撮影現場で監督が
「自分の当て書きをしているのかもしれない」と
途中で気づいていらっしゃって、
いっそう面白い人物だなと思うように。

僕自身も音楽をやっていて
0から制作に携わる際、生みの苦しみや、
次に進めない、曲を作れないというブランク期間に
入っていたりするので、
熊谷には共感できる部分が多いです。

自分のやりたい方向がたまに定まらなかったり、
自分の人生はこれからどうなっていくのだろうかと
考えていても同じように時間は流れていて、
自分の周りの環境も変わっていくし、
その変化というものに自分が焦り始めたりとか。
役者としても
そういうところに共感する部分が多く、
僕自身も悩んでいる時期なので、
今熊谷という役に出会えたのは
運命的な気がしています。
森崎ウィンさん
Q.がんばっていた仕事を辞め、銭湯で癒されながら新しい人生を見つけていく。そんな、主人公・穂波のような人の姿に、何を思いますか?
森崎さん
やりたいことがハッキリしていて
自分の心の内に正直に生きている人というのは、
僕の中には
すごく美しく映ります。
もちろん、世の中そればかりでは
うまくいかない瞬間もあると思いますが、
“本当に美しいな”というのは感じます。

それと同時に、
そういう人に会うと自分のモチベーションも
上がるのかなと思いました。
Q.もし自分の大切な人が、穂波のように、あらためて自分と向き合ったり人生を再スタートしたりしていたら、森崎さんはどのように寄り添いたいですか?
森崎さん
そっとしておきますかね。
でも必要な時にはすぐサポートできるように
僕自身も頑張りつつ、
隣にいてあげたいなと思います。
Q.  2022 年の目標を教えてください。
森崎さん
1日1日を大事にして
前へ突き進んで行きたいと思います。
そして健康面も気をつけていきたいです。
Q .最後に、森崎さんが考える “このドラマの魅力”を教えてください。
森崎さん
どんな人に対しても寄り添えるような
ドラマになっていると思います。
そして、登場人物たちの
個性豊かなキャラクターに注目していただきつつ、
どの登場人物に対しても
感情移入ができるのではないかと思います。

2022年、
“心の拠り所”として
このドラマを是非観ていただきたいです!
森崎ウィンさん

森崎ウィンさんプロフィール

1990年8月20日生まれ。ミャンマー出身。
俳優としても数々の作品に出演。18年のハリウッド映画『レディ・プレーヤー1』で注目を集める。20年に映画「蜜蜂と遠雷」で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞。同年、MORISAKI WIN名義でリリースした配信シングル「パレード - PARADE」でメジャーデビュー。昨年5月にはファーストアルバム「Flight」をリリースし、初のトラック制作にも挑戦した。現在、スタートアップ企業「ZUS INC.」を舞台に若手起業家3人の苦楽を描いた蜷川実花監督のショートムービー『WE ARE ONE.』がYouTubeにて配信中。ミュージカル『ジェイミー』で主演をつとめる。本年は、ブロードウェイミュージカル『ピピン』で主演を務める。

作品概要

『湯あがりスケッチ』
原案:塩谷歩波『銭湯図解』
監督・脚本:中川龍太郎
配信日時:2022 年 2 月 3 日(木)より、毎週木曜22:00~
配信話数:全 8 話
■番組公式ホームページ:https://www.hikaritv.net/sp/yuagari-sketch/index.html
■番組公式 Twitter :https://twitter.com/yuagari_sketch

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塩谷歩波さんプロフィール

設計事務所、高円寺の銭湯・小杉湯を経て、絵描きとして活動。建築図法”アイソメトリック”と透明水彩で銭湯を表現した「銭湯図解」シリーズを SNS で発表、それをまとめた書籍を中央公論新社より発刊。レストラン、ギャラリー、茶室など、銭湯にとどまらず幅広い建物の図解を制作。TBS「情熱大陸」、NHK「人生デザイン U-29」数多くのメディアに取り上げられている。エッセイ「40℃のぬるま湯につかって」を連載中。好きな水風呂の温度は 16度。2022 年 1 月 11 日~16 日、個展「図解がいっぱい展」を開催。
銭湯図解 Official Website
文/MORE編集部