知らないとソンをする! キャッシュレスのウソ? ホント?

日々の支払いも楽になるうえ、貯蓄も増えると話題のキャッシュレス。消費税の増税に伴い、無視できない存在になりましたよね。まずは、キャッシュレスにまつわる漠然とした疑問や不安をスッキリ解消しましょう。知ればきっと利用したくなるはず!

教えてくださった方々

『JCB』広報部 貴田久美子さん
2008年入社。社外広報を担当。キャッシュレスや『JCB』について正確に、より広く知ってもらうべく情報発信を行っている
『キャッシュレス推進協議会』ディレクター 鈴木麻友さん
オールジャパン体制によるキャッシュレス普及に向け、推進役を担う協議会の中心メンバー。自身もキャッシュレス生活を実践中
ファイナンシャルプランナー 風呂内亜矢さん
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。『ケチケチせずに「お金が貯まる法」見つけました!』(王様文庫)など著書多数

キャッシュレス=電子マネーである ×

キャッシュレスの定義、実は勘違いしている人も多いのでは?

「キャッシュレスとは、紙幣や貨幣などの物理的な現金ではなく、『デジタル化された価値の移転を通じて活動できる状態』を指します。決済手段は『前払い』、『即払い』、『後払い』の3種類で、決済方法ごとに多様なサービスが」(鈴木さん)。「以下の表にあるものすべてが“キャッシュレス”です。使いすぎが心配な人は、管理しやすい『前払い』や『即払い』を選ぶと安心です」(風呂内さん)
キャッシュレスの仕組みを知って疑問や不安の画像_1

キャッシュレスだと貯蓄が増える 

「今年3月に行った調査の『2018年の1年間で増やせた貯蓄額』を見ると、キャッシュレス派は現金派の2.4倍という結果になりました。家計簿アプリと併用して支出を“見える化”している人も多いように感じます」(貴田さん)。「お金の流れを把握して、貯まる仕組みを設計できる人は、貯蓄できる可能性がアップ。ただ、キャッシュレスによって消費行動が増え、支出が23%増加したというデータもあるので、お金とのつきあい方が苦手な人は、まず現金管理の徹底から!」(風呂内さん)。「最近は、支払いのお釣り分を投資や貯蓄にまわせるサービスも増えているので活用してみては」(鈴木さん)
キャッシュレスの仕組みを知って疑問や不安の画像_2
キャッシュレスの仕組みを知って疑問や不安の画像_3
(右)あおぞら銀行『BANK The Savings』はデビット利用額の一定割合を自動的に積み立て
(中)支払いの端数で投資運用。『おつりで投資「トラノコ」』(月額¥300+運用報酬年率0.3%)
(左)設定したルールにそって自動貯蓄できるアプリ『finbee』

キャッシュレスは家計簿をつけないと危険だ ×

「ポイント還元率の高さばかりが注目されていますが、キャッシュレスの大きなメリットのひとつは、記録が自動的に残る点にあります。交通費や自動販売機など、レシートの出ない支出もデータですべて蓄積され、何にいくら使ったかを振り返りやすくなります。現金の場合、レシートを処分してしまえば記録は取り戻せませんが、キャッシュレスならいつでも取り戻せるのです」(風呂内さん)。「明細データによって履歴が“見える化”されることで、家計簿をつけなくても管理が楽になり、予算も立てやすくなるはずです。カード会社や銀行それぞれのスマホアプリで、記録の確認もスムーズにできます」(貴田さん)
取材・原文/国分美由紀 イラスト/二階堂ちはる ⒸWAHA/amanaimages