【ワキのニオイ】不安な人こそ知っておきたい、原因&対策TIPS
人に会う時、汗をかいた後など……不安になればなるほど気になってくるのがわきのニオイ。なんとかするにはどうしたら? その原因やおすすめの対策について、皮膚科医の慶田朋子先生に教えていただきました。
教えてもらったのは……
わきのニオイの原因って?
☑わき汗の放置
☑運動不足、汗をかかない生活
☑アポクリン汗腺由来の汗(ワキガ)
「わきはもともと汗をかきやすい部分ですが、汗には2つのタイプがあるのでまずはそれを知っておきましょう。汗が分泌される汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。エクリン腺は体温調節を行うのが主な働きで、ここから分泌される汗は無色透明で、分泌直後は無臭です。一方、アポクリン腺は、いわゆる“フェロモン”を分泌する役割がある汗腺で、ワキの下や乳輪、外耳、外陰部、肛門周辺に分布します。ここから分泌される汗にはたんぱく質などが含まれ、多少のニオイがあります。このアポクリン腺から出る汗のニオイが特に強い場合が“ワキガ”です。ただし、日本人にワキガは少なく、遺伝的な保有率は10%程度との報告もあります。ちなみに、80%以上を保有する欧米人は香水文化を発達させました。多くの日本人の場合、エクリン腺から出た汗を放置することで、皮膚表面で古い角質や皮脂と混ざり合い、それが常在菌によって分解されたり、酸化したりすることがニオイ発生の原因です。わき毛を処理していないと、汗が付着してよりいっそうニオイが拡散しやすくなります。また、普段から運動をしているなど、よく汗をかく習慣がある人の汗はサラサラで無臭なのですが、運動不足などで汗をかく習慣がないと汗腺の機能が弱まり、ニオイの強い汗になるので要注意」(慶田先生、以下同)
不安になる前に! わきのニオイ対策TIPS
1 汗をかいたらこまめに拭く
「わきの下は大量に汗をかきやすく蒸れやすい部分で、それを放置すると常在菌による分解や酸化が進んでニオイの原因になるので、汗をかいたら濡れたタオルやウエットティッシュなどでこまめに拭き取りましょう。濡れたもので拭くと涼しくなり汗が止まりやすくなりますし、汗に含まれている成分を除去することもできます。また、汗が染み込んだ下着を着たままだと、皮脂が酸化して臭いやすいので、汗っかきの人は、替えの下着を持ち歩くようにするか、吸湿速乾作用のある下着にするのもおすすめです」
2 定期的に汗をかく習慣をつける
「そもそもの汗を臭いづらくする方法もあります。それはあえて‟汗をかく”ということ。普段から汗をかく習慣がなく、汗腺をあまり使っていないとニオイの強い汗になっていってしまうので、定期的に運動をしたり、入浴をするなど、汗をかく習慣をつけましょう。サラサラで無臭の汗になっていきますよ」
3 寒い季節は、発熱性インナーを避けてみる
「これは寒い季節に気を付けたい点。寒いからと、汗を吸収して発熱する機能のあるインナーを着る人が多いですが、暖かい場所にいると温まりすぎて汗をかきやすくなり、ニオイの原因になることも。汗をかきやすい人は発熱機能のあるインナーは避けるのもおすすめです」
4 わき毛のレーザー脱毛も効果的
「わき毛があると蒸れやすいうえ、毛によってニオイが拡散されてしまうので、ニオイが気になる人はワキ毛のレーザー脱毛をするのもよい方法。自己処理をしている人も多いですが、かみそりの刃で角層まで剃ってしまい、湿疹になってしまうことも多く、それを放置すると黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が増えてニオイの原因に。自己処理をするより、レーザー脱毛をするほうがおすすめです。レーザー脱毛はアポクリン腺の活性を抑えるので、ワキガ対策にも効果的です」
5 ひどい場合は医師に相談。「ボトックス注射」という治療も
「ワキガの人や、わきの汗が多くて悩んでいる人はわきにボトックス注射をするという方法もあります。注射をするとアポクリン腺とエクリン腺の働きが弱まり、ニオイと汗の量を軽減させることができるんです。施術は、麻酔を塗ってから、ワキの下に注射するだけ。5~10分で済み、個人差はありますが約半年間さらっと快適に過ごせます。悩んでいる人は皮膚科や美容皮膚科などで医師に相談を」
わきのニオイ策おすすめグッズはこちらから
わきのニオイの原因と対策についてマスターしたら、アイテムもアップデートしたい。おすすめのケアアイテムを以下の記事からぜひチェックしてみて。
取材・文/和田美穂