デリケートゾーンを気にする女性

ニオイ悩みの中でも、季節を問わず気になっている人が多いのが、デリケートゾーンのニオイ。人に相談しにくいから、ひとりで悩んでいる人も多いのでは? そこで、その原因や対策について、皮膚科医の慶田朋子先生に教えていただきました。

教えてもらったのは……

銀座ケイスキンクリニック・院長
慶田朋子先生

医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業。『切らないハッピーリバースエイジング®』をモットーに、最新の照射治療と職人的注入治療を組み合わせることでメスを使わずに肌質を高め、バランスのとれた魅力的で若々しい顔立ちに変えていく治療が人気。 TVや雑誌、WEBなど多方面で活躍。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』など(小学館)がある。

銀座ケイスキンクリニック院長☆トモコセンセのブログ☆

デリケートゾーンのニオイの原因って?

☑たまった汚れ、汗
☑毛に付着した尿や便、おりものなど
☑月経時の湿った状態
☑すそわきが(体質)

そもそも女性の性器は複雑な構造なので、小陰唇の付け根や裏側などに汚れや垢がたまりやすく、よく洗わないと残ってニオイの原因になります。また、汗も原因のひとつです。汗が出る汗腺には、アポクリン汗腺とエクリン汗腺の2つがあり、エクリン汗腺からの汗はサラサラしていて無臭なのに対し、アポクリン汗腺から出る汗はねっとりしていてニオイがあるのが特徴。デリケートゾーンにはアポクリン腺があるので、汗のニオイは誰でも多少は強くなります。また、皮脂の分泌も盛んですし、ショーツやアンダーヘアによってもムレやすい部分。アンダーヘアには汗や皮脂だけでなく、尿や便、おりもの、月経血も付着しやすく、ムレた状態が続くと雑菌が増えてそれらが分解され、においの原因物質が発生し、よりニオイが強くなります。特に月経中はナプキンによっていっそうムレやすいのでその傾向が。また、デリケートゾーンにワキガと同じようなニオイがあるなら、“すそワキガ”の可能性も。この場合は体質的なものなので避けられませんが、ボトックス注射などで治療が可能なので皮膚科や美容皮膚科などで相談してみましょう。そのほか、おりものから悪臭がする場合は性感染症や細菌性膣炎の疑いもあります。健康な女性のおりものは酸っぱいニオイがしますが、強い悪臭がする場合は感染症の可能性もあるので、婦人科を受診しましょう」(慶田先生、以下同)


今日からできる! デリケートゾーンのニオイ対策TIPS

泡立てている様子

1 たまりやすい垢や汚れを優しく落とす

「女性器には垢や汚れがたまりやすいので、入浴時には必ず洗いましょう。膣の入り口あたり(会陰部)から小陰唇、大陰唇をやさしく洗って。小陰唇の付け根や裏側は特に汚れがたまりやすいので、丁寧に洗いましょう。ただし、膣の中を石鹸で洗うのはNG。膣の中を洗うと酸性の状態が保たれなくなってカンジダ菌や大腸菌、黄色ブドウ球菌などが増えやすくなり、逆にニオイの原因になります。膣の中は洗わないこと」

2 デリケートゾーン専用か敏感肌用のソープを使用

「デリケートゾーンは文字どおりとっても繊細な場所。洗浄力が強すぎるもので洗うと乾燥やバランスの乱れを招くので、デリケートゾーン専用のものか、敏感肌用のソープなど、低刺激のもので優しく洗って。これもデリケートゾーンのニオイの原因を防ぐ大事な方法です」

3 IラインとOラインのレーザー脱毛も効果的

「デリケートゾーンのニオイ対策のためには、アンダーヘアはないに越したことはありません。毛がなければニオイの原因となる尿や便が付着して残ることもなくなります。正面のVゾーンの毛はあってもいいですが、ニオイ対策という面ではIラインとOラインはなくていいと思います。ただ、自己処理をすると肌を傷付けたり、埋没毛や毛嚢炎の原因にもなるので、医療機関でのレーザー脱毛がおすすめです」

4 月経時のニオイ悩みには、タンポンとナプキンの併用を

「月経中のデリケートゾーンのニオイを防ぐには、ナプキンやタンポンをこまめに変えることが大切。またこれらを併用することでニオイ悩みをぐっと減らすことができます。タンポンをすると経血が表に出ませんし、多少出てもナプキンで吸い取ることができます。また、ナプキンだけだとデリケートゾーンが経血で濡れた状態が続き、それによって炎症(ナプキンかぶれ)を起こして雑菌が増え、ニオイが発生しやすくなります。タンポンを併用すればそれも防げるので、ダブル使いがおすすめなのです」

5 大事な日の前日は、にんにく・肉・スパイス類を避けるのも◎

デリケートゾーンのニオイの隠れた原因となるのが食べ物。体内で発生するニオイの原因物質はアポクリン汗腺から汗と一緒に排出されます。また、腸内環境が悪いと体内でにおいの原因物質が発生し、血液を通じて体臭として放たれます。特にニオイの原因となりやすい食べ物が、肉・にんにく・スパイス類などです。たとえば、3食すべてカレーを食べている人は、体からスパイスのニオイがすることも。栄養が偏るのでこういった食べ物を常に避ける必要はありませんが、気になる人はデートの予定のある時などの2、3日前からは摂りすぎないようにしてみて」



以上のような方法でデリケートゾーンのニオイ対策を。また、慶田先生から、こんなメッセージも。
「デリケートゾーンのニオイを過剰に気にする人もいますが、もともと女性のおりものはヨーグルトのような酸っぱいニオイがするもので、これは健康だからこそ放つにおいです。パートナーからにおいを指摘されて悩む女性もいますが、それは相手が女性の体について無知だから。よいパートナーシップを築くためには女性の体について優しく導いてあげるといいと思いますよ」

デリケートゾーンのニオイ対策グッズのおすすめはこちらから

原因と対策が分かったら、アイテムにもこだわりたい。おすすめのニオイ対策グッズを以下の記事にて紹介中。ぜひチェックしてみて。

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取材・文/和田美穂