そもそも「妊活」って? タイミング、費用から、卵子凍結、産み分けまで、疑問に産婦人科専門医がアンサー!
“いつか産みたい”女子が今知っておくべき妊活のこと
Q.将来子どもが欲しい?
20代女子の“妊娠・出産”への意識をアンケート調査。「いつか子どもを持ちたい」と答えた83%のうち、具体的なタイミングはまだ考えていないという人は半数以上でした。リアルなタイミングはまだまだ想像しづらい人も、今から考えておいてソンはない“妊活”についての大切な情報をギュッと集めました!
いつか産みたいけど……妊活モヤモヤQ&A
20代女子が今“妊活”について考えていることって? なんとなく不安なことや、そもそも妊活とは……? など、アンケートで寄せられたリアルな疑問に専門家がアンサー!
教えてくれたのは
月花瑶子先生
産婦人科専門医として不妊治療専門クリニック『杉山産婦人科 新宿』にて生殖医療に従事している。監修書に『やさしく正しい 妊活大事典』
産婦人科専門医として不妊治療専門クリニック『杉山産婦人科 新宿』にて生殖医療に従事している。監修書に『やさしく正しい 妊活大事典』
シオリーヌさん
「性の話をもっと気軽にオープンに」をテーマに活動する助産師&性教育YouTuber。著書に『やらねばならぬと思いつつ』など
「性の話をもっと気軽にオープンに」をテーマに活動する助産師&性教育YouTuber。著書に『やらねばならぬと思いつつ』など
そもそも「妊活」って?
A.厳密な定義はないけれど、しいて言えば避妊を解除すること
「そもそも『妊活』という言葉自体に厳密な定義はありません。しいて言うなら、妊娠に向けてパートナーと避妊することをやめ、タイミングをとり始めたら妊活スタートという認識でいいと思います。アプリで月経周期を管理し、排卵日を意識するのも妊活の一環といえます」(月花先生)
いつから始めればいいの?
A.20代から考えられたら理想的です
「これは“20代で出産すべき”ということではなく、妊娠が成立する確率や、もし病気が見つかって治療する場合を考えると、意識するのは早いほどいいという意味です。年齢が若ければ誰でも妊娠しやすいというわけでもありません。若くても卵子の質や精子に問題があるケースも珍しくないと知っておいてほしいですね」(月花先生)
妊活の相談ってどこですればいいの?
A.まずは婦人科で相談してみましょう
「検診などで通っているかかりつけの婦人科があると、相談しやすいと思います。もし医師や病院の方針が自分に合わないと感じたら遠慮せず病院を変えることも大事! いろんなクリニックのサイトなどを見てみて、しっくりくるところを探すのがおすすめです」(シオリーヌさん)
妊娠できるかどうかわかる検査ってある?
A.確実にわかる検査はありません
「妊娠できるかどうか確実にわかる検査はありませんが、妊娠を妨げる要素がないかどうかを調べることはできます。また、不妊に悩んでいる約3組に1組が、はっきりとした原因はわからないといわれています」(月花先生)
妊娠しにくい体質ってあるの?
A.月経の不調があれば、早めに病院へ!
「体質というよりも、月経にまつわるトラブルがある人は一度婦人科へ。たとえば、月経不順や生理痛がとてもつらい場合は、子宮内膜症の可能性があります。特に月経不順の場合は排卵していないケースも考えられます。また、排卵が起きづらくなる多嚢胞性卵巣症候群の人は月経周期が長い人に多い傾向があります」(月花先生)
生理不順なのですが、妊娠に影響はある?
A.1週間を超えるズレや周期にばらつきがある場合は婦人科へ
「1週間以内のズレは時折あることですが、それ以上のズレは何か原因があるかもしれないので一度婦人科へ。また、周期にばらつきがある場合はアプリなどで排卵日を予測するのが難しい可能性もあるので、通院が妊娠への近道かもしれません」(月花先生)
今すぐ妊娠したいわけじゃないけど、基礎体温って測ったほうがいい?
A.習慣化できるならやってみても◎
「基礎体温は起床後すぐ測る必要があるので、毎日続けるのはけっこう大変なもの。ホルモンバランスのバロメーターなので、ルーティンに組み込めるならやってソンはありませんが、無理しなくてOKです」(シオリーヌさん)
卵子も老けるって本当ですか?
A.本当です!
「毎日新たにつくられる男性の精子と違い、女性は胎児の頃から卵子(原子卵胞)が準備されていて、そこから順々に消費されていく仕組みです。つまり、自分の年齢=卵子の年齢。年齢に伴い卵子の老化も進むので、妊娠のしやすさに影響します。卵子の数には限りがあり、個人差も大きいので、若くても卵子の数が少ないケースもあります」(月花先生)
卵子凍結って今から考えておくべき?
A.選択肢として知っておくのはアリ
「婦人科系の病気の治療が必要だったり、30代後半から40代での妊娠・出産を考えているのであれば、ひとつの選択肢として20代や30代前半に採卵(卵子の採取)をしておくのはアリかもしれません。クリニックにもよりますが、だいたい採卵完了までに約30万円程度、卵子を凍結した後も保管に年間10万円程度かかるので、費用のこともふまえたうえで考えるとよいと思います」(月花先生)
産み分けって本当にできますか?
A.できません!
「さまざまな説はありますが、もともと2分の1の確率ですし、医学的なエビデンスとして通用するものは存在しません。ちまたでいわれている方法をトライしても害はありませんが、保証もないと心得て」(月花先生)
妊活にかかる費用が気になる!
A.必要な治療や自費の検査にかかる程度です
「ブライダルチェックは自費診療なので、クリニックによって1万〜3万円。検査で異常が見つかれば治療費もかかるけれど、問題がなければ特にかかりません」(シオリーヌさん)
イラスト/Kanna Takeda 取材・原文/国分美由紀 構成・企画/西脇素子(MORE)