料理家・長谷川あかりさんの経歴! 綿密な自己分析と行動で夢を掴む
It girlの「私の履歴書」
選んだ生き方にこそ、センスが表れる
主体的にキャリアを選択し、自分らしく働く女性たちを取材するこの連載。今回は、SNSでアップする料理レシピが健康的なうえに満足感が高いと話題! 料理家、管理栄養士として大活躍中の長谷川さんにお話をうかがいました。
長谷川あかり(はせがわ あかり)さん
俳優を引退し、22歳で短大・大学へ進学。卒業後2冊のレシピ本を出版した人気料理家
Job :
料理家、管理栄養士
Profile :
1996年生まれ、埼玉県出身。2022年から本格的に料理家・管理栄養士として活動。著書に『クタクタな心と体をおいしく満たす いたわりごはん』(KADOKAWA刊)、2023年6月に発売したばかりの『つくりたくなる日々レシピ』(扶桑社刊)がある
History
2018
20歳の時に婚約したパートナーと結婚したことをきっかけに、芸能活動から退き栄養学を学べる短期大学を受験、入学
2020
管理栄養士の国家資格を取得するために、短期大学から4年制大学に編入
2021
大学の授業と並行し、スープ作家の有賀薫氏のアシスタントとして活動開始
2022
管理栄養士の資格を取得し、大学も卒業。11月には自身初の料理本を出版する
長谷川あかりさんの選択
“自分らしいフィールドを見極めることが夢に近づく第一歩”
小学6年生からタレント、俳優としてのキャリアをスタートさせた長谷川さんが、芸能界を退いたのは20歳の頃だった。
長谷川あかり「キャンパスライフを謳歌したり一般企業で働き始めたりする同級生を見て『今まで芸能界で生きることしか考えていなかったけど、一回立ち止まってみたい』と思い始めたのが方向転換のきっかけ。料理は高校生の頃から趣味として楽しんでいましたが、栄養学を学ぼうとは思ってもいませんでした。ですが、料理を楽しむ私を見ていた夫からの提案で、専攻を考えるように。大学で学ぶうち、もっと栄養学をわかりやすく伝えたいという気持ちが増し、料理家になることを決意しました」
長谷川さんのレシピは手軽で家庭的。だけど作っている途中も食べていても気分が上がる。ショート動画に収まる時短料理でも、特別な日に作る豪華な料理でもない、その絶妙なバランスは長谷川さんだけのオリジナルだ。
長谷川あかり「大学在学中にアシスタントについていたスープ作家・有賀薫さんのスープが大好きで、その影響で私らしいレシピについても考えるようになりました。当初、有賀さんが家族のために作っていたスープは、簡単なのに栄養もとれて、食べた途端に感動する味。有賀さんの代名詞となったスープのような家庭料理を作れたらいいなと憧れていました。そのふんわりとしたイメージを明確なものにするため、自分のレシピをどんな人に、どんなふうに作ってほしいのかを考えていった結果、私自身が『簡単で体にやさしいけど、ちゃんとワクワクする料理』を求めていること、そして意外とそういったレシピを提案している人が少ないということに気がつきました。『自分と同じような気持ちの人に届けよう』とターゲットがしっかり定まってからは、意識しながら料理を作りSNSに投稿。考えをまとめるまでは時間がかかりましたが、そこからは驚くほど急スピードで夢が叶い、興味を持ってくださった出版社さんから昨年初の書籍を、そして、先日2冊目のレシピ本を発売することができました。35歳までに書籍を出版することが夢だったので、次の目標はまだ探し中ですが……。一時的なトレンドではなく、作ってくださる皆さんの一生に寄り添う料理家になれるよう、今は目の前の仕事に誠実に取り組みたい。向きあう中で、きっと次のやりたいことが見つかると思っています」
“届けたい人に料理を届けるために綿密な自己分析をしました!”
「WEB上やメディアにたくさんのレシピがあふれているなかで、自分はどうしたら料理家として信頼してもらえるのか。夫からのアドバイスで、自己分析することから始めました。まずはユーザー像を詳細に設定する『ペルソナ分析』。レシピを届けたい人の年齢、職業、特徴などをワード3枚分にどんどん書き出していきました。ほかにも、9×9マスの表の中心に目標を記し、周りのマスに必要な課題を書く『マンダラチャート』や、自分の強み、弱みを分析し行動すべきことを明確にする『SWOT分析』などを実践。これによって、提案したいレシピが自然と見えてきました」(長谷川さん、以下同)
「『料理家』がどんな仕事をするのか、私自身もなってみるまでわからないことだらけでしたが、『雑誌の料理企画の監修や、書籍の出版がしたい』という漠然とした夢は抱いていたんです。業務内容を知るためにも、まずはスープ作家・有賀薫さんのアシスタントとして経験を積みました。たとえば、雑誌のレシピであれば企画内容に合わせた提案をしつつ自分の色を表現すること、読者層に合わせた食材選びや、おいしそうに見える立体的な盛りつけ方まで。そこで学んだことがベースになっています」
Akari's OSHIGOTO STYLE
FASHION
「ベーシックで飽きがこないけど、気分は高まる。料理を作る時に私が大切にしていることは、服や食器、インテリア選びにも共通しています。ファッションでいうと、私は鮮やかなカラーが好きなので、色でテンションを上げる分デザインはシンプルにして引き算を」
MAKE-UP
「健康的に見えるよう、メイクでは血色感にこだわっています。シャドウはピンク系を使うことが多いのですが、グラデにはせず単色で。リップは『シャネル』の『ルージュ アリュール ヴェルヴェット 58』」
BAG
「レシピを打ち込んだり、撮影に必要な食材などをリストアップしたりするのでPCが入る『ザ ロウ』の『パークトート』を愛用。撮影時は、ヘアブラシやリング、イヤカフを入れて。ハンドクリームもマスト!」
Private
「おいしい料理を目の前にすると仕事脳になってしまいがち(笑)。ただ、お酒が一緒なら仕事を忘れてご飯を楽しめます!」
撮影/須藤敬一 取材・原文/宮田彩加 ※MORE2023年8月号掲載