
【2025年最新】韓国ドラマで号泣必至の感動ヒューマンドラマ、おすすめ9選!
どれも一度見始めたら止まらない、次の展開が気になる作品ばかり! 人の優しさや人の思いやりを感じて、心が温まる! 韓国ドラマの中でも特に心にズーンと響く、人間模様を描いたヒューマンドラマをご紹介。
※記事発信時点での情報のため、最新情報は公式サイト等でご確認ください
韓ドラマニアのライターがおすすめ!

Kカルチャー・旅・漫画・音楽・スポーツ観戦好きのライター。ドハマりしたK沼が旅沼に直結し、年間十数回は海外へ。最近の趣味は「各国でローカライズされた韓国料理を食べること」。
- 全編吹き替えなし! 圧巻のステージパフォーマンスに号泣必至『無人島のディーバ』
- 彼女たちの人生の一瞬一瞬の愛おしさ、その輝きを共有してほしい作品『39歳』
- Netflixの申し子、美しく青きソン・ガンが高く舞う!『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』
- ヒョプ様出演作史上No.1“リアコ”キャラ!?『時速493キロの恋』
- 青春は永遠? 夢を奪われた若者たちの成長と初恋を描く『二十五、二十一』
- バスタオル必携! 秋の夜長のお供にピッタリな人生賛歌ドラマ『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』
- 「カン・ハヌルはどこに?」 彼史上最もイケてない警官役だけど、回を追うごとにその“姿”にハマっていく『椿の花咲く頃』
- 中学生たちの青春がきらめくスポーツドラマ『ラケット少年団』に泣いて笑って!
- いまを生きる20代の夢と友情と恋愛をリアルに描いた『青春の記録』
- 韓ドラオタクおすすめの作品を探す
全編吹き替えなし! 圧巻のステージパフォーマンスに号泣必至『無人島のディーバ』

無人島で一人、たくましく生きるモクハ
『無人島のディーバ』
全12話
出演:パク・ウンビン、キム・ヒョジン、チェ・ジョンヒョプ、チャ・ハギョンほか
Netflixシリーズ「無人島のディーバ」独占配信中
あらすじ
歌手を夢見ていた中3のソ・モクハ(少女時代役はイ・ハ)は、暮らしている離島からソウルに向かう途中の船から転落して無人島に流れ着く。15年もの間、過酷なサバイバル生活を強いられたモクハだったが、TV局で働くカン・ウハク(チャ・ハギョン)、カン・ボゴル(チェ・ジョンヒョプ)兄弟に発見され、社会復帰を果たす。
慣れない都会生活を過ごしながら、傷付けられるのもいとわずに自分を手助けしてくれた同級生チョン・ギホ(少年時代役はムン・ウジン)の行方を捜す中、憧れの歌手ユン・ランジュ(キム・ヒョジン)が落ちぶれていることを知ってしまう。彼女の再起を強く願うモハクのこの行動が、ウハク兄弟やランジュの抱える問題を浮き彫りにしていく。
ここが見どころ!
「現代の韓国国内で遭難⁉ しかも無人島に、女子中学生がひとりで15年間も⁉」というストーリーのさわりだけ読むと、まるで超能力系SF作品のようですが、まごうことなき日常系。それも、社会復帰したヒロインが、幼少期からの夢・歌姫になるまでの紆余曲折を、愛と笑いと涙とサスペンスで描いたヒューマンドラマ。面白いのかって? ええ、一度観始めたら止まらない、徹夜必至の沼ドラマだと断言できます!
何せ、本作の主人公、モクハを演じているのは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(2022年)で、大ブレイクした演技派女優のパク・ウンビン。彼女は、子役時代から現在に至るまで、時代劇、スポーツドラマ、音楽ドラマなどジャンルレスで活躍。演じてきたキャラクターも男装女性や自閉スペクトラムを持った弁護士など、一筋縄ではいかない役柄も多く、いずれも高い評価を得ています。そんな彼女が16歳でサバイバル生活を強いられ、15年ぶりに戻った現代では、社会や芸能界の理不尽さを目の当たりにして、傷付きながらも成長するモクハを体当たりで熱演。
以下、おすすめポイントです!

参加した結婚式で偶然、ボゴル(チェ・ジョンヒョプ)と遭遇し、戸惑うモクハ(パク・ウンビン)。
主人公のサバイバル能力がすごい
正直に言えば、観る前までは「無人島経由で社会復帰した、たくましいヒロインが歌姫を目指すサクセスストーリーなのかな」と想像していたんです。しかし、そんな予想は第1話から粉々に砕け散りました……。
全羅道にある離島で暮らす中学生のモクハと同級生のギホ。最初はそりの合わない2人でしたが、ある日、お互いに父親からの酷いネグレクト受けていることを知ります。父親に内緒で逃走資金を貯めていたギホは、歌手を目指すモクハへ、一緒に島を離れようと持ちかけるのですが、あと一歩のところで、彼女の父に追い詰められ、モクハは船から海へと転落。気付けば無人島へと流されていたのでした。
15年後、島の清掃ボランティアにやってきたウハク&ボゴル兄弟に発見&保護されたモクハは、ひょんなことから憧れの歌姫ランジュに遭遇。そして、偶然の出会いをしっかりとキャッチし、マネージャー兼コーラススタッフとして雇ってもらうことに。全盛期を過ぎて思うように声の出ない、落ちぶれ歌手のランジュを不屈のポジティブ思考で誉めちぎり、「私ってまだイケる⁉」とやる気と自信をつけさせて音楽シーンに戻すことに成功。
15年間、無人島で培ったガチサバイバー能力を都会で応用し、時には笑いを、時には涙を流しながらも、ガンガンとのし上がっていくモクハの姿にスカッとします!
また、随所に散りばめられた謎と伏線をキッチリ回収していく様子も、サスペンスとしてレベルが高く、楽しめます。
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ジャガイモでカモメを呼び寄せるモクハ。その目的は、カモメと一緒に食卓を囲むことだった(涙)。
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島に流れついたゴミを再利用して、住まいをアレンジするモクハ。
散々、ウンビンについて語ってきましたが、もうひとり、大注目の俳優が。それは無人島でモクハを見つけ、何かと世話を焼くボゴル役のジョンヒョプ。2024年1月期のドラマ『Eye Love You』で、ヒロインの二階堂ふみの相手役の韓国人留学生テオ役を演じ、日本での注目度が急上昇した俳優です。
これまで、『ストーブリーグ』(2019)では苦しむ野球選手、『シーシュポス: The Myth』(2021)ではパク・シネに想いを寄せるサン、『わかっていても』(2021)ではハン・ソヒに長い間片想いしている通称“ジャガイモくん”など、スランプに悩んだり、主人公に片思いするサブキャラを多く演じているのですが、そのいずれも、表情に滲ませる切なさが役柄といい感じで絡んで目が離せなくなる、という魅力を持っています。
本作でも、モクハを見つめるボゴルの眼差しはツン強め。しかし、時々、スイッチングで表れるデレが、とんでもない直球で、観ている方がドキッ。ちょっと影があって、心に傷を抱えているからなのか、優しく、賢く、気が利いていて、助けが必要な時に側にいてくれて、しかも余計なことを言わない(口数が少ないだけだけど)ボゴルは「ひょっとして神?」と何度も思いました……。
なお、チャ・ハギョンこと、VIXXのエンが演じるボゴル兄のウハクにもご注目を。弟とは別次元のいい人で、思わず応援したくなっちゃいます。個人的には、モクハ、ボゴル、ウハクの友達以上家族未満の優しい三角関係にほっこりしました!
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メガネ姿が萌え! しかし、この笑顔の裏にはある悲しい決意が……。
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大切な人を守る忠犬のように、実の兄ウハク(写真右)を威嚇するボゴル。
いかがだったでしょうか。
本作は、やや荒唐無稽な設定に、純愛劇とピュアな友情&成功ストーリーを絡めつつ、巧妙に散りばめた謎と伏線がエモさとともにさく裂する極上サスペンス・ストーリー(長い!)です。
モクハをはじめとする登場人物たちの言葉や生き方は強く、前向きで、心に刺さる言葉ばかり。本作を観て、新しい環境を乗り越えるパワーをチャージしてくださいね。

モクハとボゴルが互いに思いやる、感動のシーン。
■配信サイト
『無人島のディーバ』
全12話
Netflixシリーズ『無人島のディーバ』独占配信中
彼女たちの人生の一瞬一瞬の愛おしさ、その輝きを共有してほしい作品『39歳』

写真左からチョン・チャニョン(チョン・ミド)、チャ・ミジョ(ソン・イェジン)、チャン・ジュヒ(キム・ジヒョン)。
『39歳』
全12話
出演:ソン・イェジン、チョン・ミド、キム・ジヒョンほか
Netflixシリーズ「39歳」独占配信中
あらすじ
皮膚科医のチャ・ミジョ(ソン・イェジン)、演技指導者のチョン・チャニョン(チョン・ミド)、化粧品セールスマネージャーのチャン・ジュヒ(キム・ジヒョン)は20年来の親友。うれしいことも辛いことも、ともに乗り終えてきた3人は、40代を目前にして、それぞれ人生の“宿題”と向き合っていた。だがある日、残酷な運命が訪れる。
ここが見どころ
みなさん、『39歳』はもうチェック済みですか?
こちらは良質なシスターフッド作品として話題になっていたドラマ。20年来の友情をメインに、さらにはアラフォー女性が直面するリアルについても心に刺さるように描いていて、世代を問わず、学びのある作品です。
バリキャリ、不倫中(と言っても、プラトニックな関係)、そして恋愛経験ほぼゼロという独身女性3人は、39歳をどう過ごすのか……。共感が止まらない、だけど泣けて感動する。そんな本作の見どころをご紹介します。
アラフォー女性のリアル

才色兼備の皮膚科医ミジョ。なんでも持っているかのような完璧さの裏には悲しみが。
本作は、脚本家のユ・ヨンア(映画『7番房の奇跡』、『82年生まれ、キム・ジヨン』など)が、40歳を目の前にして人生を見つめ直す3人の女性の“生き様”を描いた物語です。
その3人とは……。
養子でありながら裕福な家庭で大切に育てられ、皮膚科を営む院長ミジョ(ソン・イェジン)。演技指導者で、長い間、1人の男性と不倫関係を続けてはいるけど、純粋でさっぱりした性格のチャニョン(チョン・ミド)。そして、長らく恋愛からは遠ざかっているものの、真実の愛を見つけたいデパートの化粧品販売員として働くジュヒ(キム・ジヒョン)。
20年来ものあいだ、仲の良い友人としてともに過ごしてきた彼女たちは固い絆で結ばれています。
そして、全員39歳。40代を目前に控えた微妙な心の揺れや、恋愛模様、友人関係や親子関係などが、おかしくも切なく、時には身を切るような切実さで描かれる場面も。恋愛に人生が押し切られるような関係や貧富の差が強調されることはないけれど、40代を目前にした女性が何を選択し、何を切り捨て、彼女自身の人生を貫いていくのかという“アラフォー女性のリアル”がしっかりと描いている作品は、韓国ドラマでは新機軸。そのリアルさは、世代に関係なく、女性の心に刺さりまくっているようです。

『賢い医師生活』で大ブレイクを果たしたチョン・ミド演じる、チャニョン。サバサバしてるのにピュアな性格が素敵♡
主人公の3人組を演じるのは、『愛の不時着』のソン・イェジン、『賢い医師生活』のチョン・ミド、『海街チャチャチャ』や『D.P. -脱走兵追跡官-:シーズン2』のキム・ジヒョン。しかも、3人とも同じ1982年生まれというキャスティングの徹底ぶり。
それぞれが主役を張れるビッグな役者なうえに、リアル同級生(2021年の撮影当時、3人はガチで39歳)たちは阿吽の呼吸で、親友同士にしか出せない雰囲気を漂わせていました。
ソン・イェジンについては言わずもがな、チョン・ミドも、キム・ジヒョンも、ミュージカルや演劇でキャリアを積んできた実力派女優。揺らぎ世代の女性たちの繊細で複雑な感情を、それぞれが丁寧に表現していました。
彼女たちの“明るさ”とは対照的に描かれる重いテーマが、第1話・開始3分後の葬儀のシーン。20年来の付き合いがある家族同然の親友3人組のうちの1人が亡くなることを前提に物語が進んでいくのです。
出だしから、あまりにも衝撃的な展開。「一体、何があったの?」とイッキにドラマの世界へと引きこまれたかと思えば、彼女たちの1人に“余命半年”が宣告されて……。
ありふれた、しかし、とてつもなく悲しい状況の中で彼女たちは選びます。
できる限り楽しい時間を過ごすことを。大切な相手を尊重することを。
人生の伏線を回収するように、残された宿題を解決していきます。

大人のパジャマパーティ(といっても、着ているのはミジョだけだけど)って、楽しいですよね!
各話の冒頭に挿入される、回想シーン。何気ない会話のこともあれば、3人にとっての“ちょっとした事件“だったりするのですが、それがそのエピソード回の切ない伏線となって、物語に引き込まれていきます。彼女たちの人生の一瞬一瞬の愛おしさを、視聴者も共有しているような気分にさせてくれるのです。
「人生にとって一番大切なのは、誰かと過ごした時間である」。
「別れは、始まりでもある」
そんなことを何度も噛みしめたくなるドラマです。
作品概要
『39歳』
全12話
Netflixシリーズ「39歳」独占配信中
Netflixの申し子、美しく青きソン・ガンが高く舞う!『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』

写真左からチョロク(ソン・ガン)、ドクチュル(パク・イナン)。
『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』
全12話
出演:パク・イナン、ソン・ガンほか
Netflixシリーズ「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」独占配信中
あらすじ
一流のバレエダンサーを目指すイ・チェロク(ソン・ガン)は、自分を取り巻く厳しい現実のせいでスランプに陥っていた。一方、郵便配達員として家族のために働き続けたシム・ドクチュル(パク・イナン)は定年を迎え、残りの人生を考え始めていた。ある日、友人の葬式の帰りにダンススタジオを通りかかったドクチュルは、チェロクが踊る姿に心を奪われる。
ドクチュルは子どもの頃バレエダンサーに憧れていたが、貧しい家庭環境がそれを許さなかった。かつてあきらめた夢に挑戦するため、ドクチュルはダンススタジオに再訪し、バレエのレッスンを受講したいと伝えるが、チェロクは相手にしない。それでも熱心に通い続けるドクチュルを見たバレエスタジオの団長から、チェロクはドクチュルのバレエの指導者に、ドクチュルはチェロクのマネージャーになるよう言い渡される。
かくて23歳と70歳の奇妙なバレエレッスンが始まり……。
ここが見どころ
今回紹介するのは、“47歳”もの年の差を超えて、バレエでつながった老人と若者の物語、『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』。嬉しくも悲しく、熱くて切なく。観る者すべてに勇気と感動を与える極上の夢追い物語でした……。
高みを目指す若きバレリーノ、チェロク役には人気俳優ソン・ガン。70歳でバレエに挑戦するのドクチュルを、大御所俳優パク・イナンが熱演しています。
原作は韓国ウェブトゥーン(縦読み漫画)で、漫画界のアカデミー賞と呼ばれる“アイズナー賞”のベストウェブコミック(2022年)にもノミネートされた人気作。ドラマ化のみならず、2023年には全本語版コミックも発売。今年春には、三浦宏規さん・川平慈英さん・狩野英光さんほか出演で、日本でミュージカル化も! 世界的にも大注目の作品になっています。

自主レッスン中のチョロク。
一方、パク・イナンが演じているドクチュルは、バレエスタジオの門を叩いたものの、当然、最初は全然踊れなくて、基礎動作とストレッチばかりなのですが、どうみても素人のそれなんですね。しかしドクチュルは、47コも年下のチェロクを“師”として敬い、厳しい練習にも必死に食らいつき、自主練習も欠かさず、真剣にバレエと向き合います。
その一方で、チェロクのマネージャーとしてのドクチュルは、持ち前の勤勉さで、毎朝のコールはもちろん、コンディションや練習量、食事などを事細かに記録。さらに風邪をひけば、家を訪ねておかゆを作り、薬やおかず、梅エキスといった体にいいものもしっかりと差し入れるなど、渾身のサポート。
スランプでやさぐれモードになっているチェロクから見れば、ただのお節介にしか思えないのですが、次第にお節介は真心となって、孤独と不安で隙間だらけだったチェロクの心を埋めていくのです。また、ドクチュルがバレエに挑む真摯な姿が、チェロクの心に情熱の火を灯していき、二人の間に特別な絆を結んでいくのです。

人のよさが滲み出ているドクチュルの笑顔。
何歳になっても夢を追いかける姿、周りに反対されても諦めないドクチュルの姿は、ともすれば「70も過ぎて妙なことを始めたお節介じいさん」になりかねません。
そこは半世紀以上も最前線で活躍する大俳優パク・イナン。大らかで人情深く、お節介だけど憎めないかわいらしさで、まわりに愛情を与えるドクチュルを、魅力たっぷりに演じています。
ドクチュルな真剣な思いと優しい言葉、そして思いやりの数々は、慈愛に満ちた海のように周囲の人を包み込み、チェロクだけでなく、明るい未来を描けなかった若い世代の背中も押していくのです。

バーでレッスン中のドクチュル。毎瞬間、全力投球!
「今こそ新しいことを始めよう」。そんな希望を胸に抱きつつも、なかなか踏み出せずにいることってありませんか?
ドクチュルがバレエに挑むキッカケは、旧知の友が最期に言い残した後悔でした。友の慟哭を聞いて、「バレエをやらないまま、人生を終えることはできない」と決心したドクチュル。世間体や、家族の反対や、体力的限界にも負けず、必死にバレエに食らいつきます。そこまで努力しても、妻や息子、孫は「いい歳をして何を言っているのか」と冷ややか。
一方、若いチェロクが順調満帆かと言われたら、そうではありません。親元を離れて生きているチェロクは、経済的にも精神的にも不安だらけ。若いが故の迷いもあります。
つまり、夢を追うことへの苦悩や葛藤は、年齢に関係なく付きまとうってこと。だからこそ、本作で描かれる夢を追うことの苦悩、乗り越えた先にある奇跡が、心を揺さぶるのだと思います。

「準備が整うまで待つな。まずはスタートを切れ」
「さあ次はお前の番だ」
そう若者たちに声をかけるドクチュルの言葉は、画面の向こう側にいる我々にもエールを贈ってくれているようで、胸に沁みます。
年齢も、生きてきた環境も違う2人をつないでいるのは、バレエへの情熱。自分の夢を他人に踏みつけられたり、容赦のない“老い”という時の流れに、怒り、苦しみ、絶望しながらも前へと進み続ける2人。彼らを見ていると、「したいことをする」その先には「幸せ」というまばゆい光景が広がっているのだなと思いました。
タイトルの“ナビレラ(나빌레라)”は、韓国語で「蝶のように美しく羽ばたく」という意味。ソン・ガンの蝶のような舞いに見惚れ、パク・イナンの演技やセリフに胸打たれ。2人の追いかける夢の結末に涙するはずです。
作品概要
『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』
全12話
Netflixシリーズ「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」独占配信中
ヒョプ様出演作史上No.1“リアコ”キャラ!?『時速493キロの恋』

『時速493キロの恋』
全16話
出演:チェ・ジョンヒョプ、パク・ジュヒョン、キム・ムジュン、パク・ジヒョンほか
ディズニープラス スターで全話独占配信中
© 2024 Disney and its related entities
あらすじ
バドミントン用品販売店を経営する親の影響でバドミントン選手となったパク・テジュン(チェ・ジョンヒョプ)。彼にとってバドミントンは“職業”に過ぎなかった。ある日、かつて天才少女と呼ばれながらも、こつぜんと姿を消したパク・テヤン(パク・ジュヒョン)が復帰する。同じ実業団チーム・ユニスに所属することになったテジュンとテヤンは、男女混合ダブルスのパートナーになる。
ここが見どころ!
『Eye Love You』でヒョプ様ことチェ・ジョンヒョプにハマり、彼の過去の出演作を遡って観たという人も多いのではないでしょうか。
今回紹介する『時速493キロの恋』は、チェ・ジョンヒョプの初主演ドラマ。こんなピュアで優しい人が現実にいたらいいのに!と思わせる好青年キャラが似合うチェ・ジョンヒョプですが、本作で演じたテジュン役は、その魅力+等身大の“リアコ感”がたまらないんです!
ちなみに、時速493キロとは、2013年にマレーシア選手が樹立した当時のスマッシュ世界最速記録。韓国語の原題は『君に行く速度493キロ』で、“あなたへの愛の速度はこれほどに速い”という意味が込められています。

選手の怪我よりも試合を優先する監督に嫌気がさし、所属していたチームを辞めるテジュン(チェ・ジョンヒョプ)。
非公式記録ながらスマッシュの世界最高速度493kmを打つほどの才能がありつつも、バドミントンはお金を稼ぐ手段と割り切って実業団選手をしているテジュン。その背景には、幼い頃からスター選手の姉と比べられて寂しい思いをしてきた影響がありました。
テジュンは25歳。この年齢って変わろうと思えば変われるけど、学生の時ほど身軽じゃないし、仕事や未来に対するモヤモヤを感じるようになってくる頃じゃないですか。そんな25歳のリアルをチェ・ジョンヒョプが自然な演技で表現していて、本気になることをやめてしまったテジュンのちょっと斜に構えているところや冷めた感じが、彼のはまり役である好感度100%の好青年キャラとは一味違って、また魅力的。近所にいそうな親近感が(絶対にいないけど)テジュンのリアコ属性を押し上げています。
そんなテジュンですが、「私にはあんたの才能が見える」と自分の実力を真っすぐ認めてくれたパク・テヤン(パク・ジュヒョン)にぐっと心を掴まれちゃいます。不愛想なのに恋に落ちるポイントがピュアなところもまたかわいい……!

テヤン(パク・ジュヒョン)は約190万円という安すぎる契約金と引き換えに現役復帰のチャンスを掴む。
テヤンは、“韓国バドミントン界の未来”と期待された有望株。ある事件によってコートを離れますが、競技を諦めきれず、3年のブランクを経て現役に復帰します。演じるのは、『人間レッスン』のパク・ジュヒョン。
テジュンとテヤンは幼い頃に出会っていて、テヤンがバドミントンを始めたのは彼女の才能を見抜いたテジュンがきっかけだったというビハインドも韓ドラ好きにはたまりません。飲み屋でテヤンと偶然再会したテジュンが「12歳の時から応援してた」と言い、引退してコーチにでもなろうと考えているテジュンに、今度はテヤンが「私も12歳からあんたのこと応援してたよ」と簡単に辞めようとするなと言うんですよ。ドラマ序盤に登場する何気ないセリフからすでに爽やかで熱い! きらきらとした清らかさが疲れた現代人(私)の心に恵みの雨のように降り注いで、うるおいで満たしてくれます。
その後、テジュンがユニスに移籍してテヤンと同僚になるのですが、チームメイトからいびられるテヤンを放っておけなかったり、手にマメができたテヤンに軟膏を買ってあげたりと、言動はぶっきらぼうなのになんだかんだテヤンをサポートするテジュンのツンデレっぷりは胸キュン不可避。
テジュン&テヤンは25歳の同い年ということで、お互いにタメ口でフランクな雰囲気がリアルでいい。恋愛経験なしのテヤンに対してテジュンが一枚上手なのもいい。ヒロインを一途に思う優男でも、本作ではちょっと余裕をかましてる感じが非常にメロいです。そこにあのひまわりのような眩しい笑顔まで見せてくれるので、これはもうリアコ沼まっしぐらです。
テジュンとテヤンは恋愛だけでなく、ダブルスのパートナーとしても信頼を築いていくのですが、お互いに隠している秘密があり、大きな試練にぶつかることに……。“双パクペア”(苗字が同じだから)が葛藤や苦悩をどう乗り越えていくのか、ぜひ試合を応援するような気持ちで見守ってください!

劇中ではテジュン、テヤンとバチバチですが、実年齢ではみんなの弟ポジションなキム・ムジュン(1998年生まれ)。
『ユミの細胞たち』のパク・ジヒョン、『ヒエラルキー』のイ・チェミンなど、注目の若手俳優が出演しています。チェ・ジョンヒョプが「ラケットの握り方から練習した」と語るバドミントンシーンも見応え抜群。パリ五輪と高校野球でスポーツ熱が高まった8月の締めくくりに、爽快感たっぷりのスポーツロマンスはいかがでしょうか。
配信サイト
『時速493キロの恋』
全16話
ディズニープラス スターで全話独占配信中
© 2024 Disney and its related entities
青春は永遠? 夢を奪われた若者たちの成長と初恋を描く『二十五、二十一』

『二十五、二十一』
全16話
出演:キム・テリ、ナム・ジュヒョクほか
Netflixシリーズ「二十五、二十一」独占配信中
あらすじ
アジア通貨危機で韓国が深刻な経済不況に陥っていた1998年。予算を減らされたことでフェンシング部が廃部になってしまったナ・ヒド(キム・テリ)は、フェンシングを続けるために憧れの選手コ・ユリムが通う高校に転校する。同じ頃、ペク・イジン(ナム・ジュヒョク)は、裕福な家庭に育つも不況の影響で父の会社が倒産し、大学を中退してアルバイトを掛け持ちしながら生計を立てていた。時代に夢を奪われた2人は、18歳と22歳で初めて名前を呼び合い、お互いを励ましながら支え合う関係になっていく。
ここが見どころ!
皆さんは、放送終了から時間が経っても忘れられないドラマやキャラクターはいますか?
韓国ではロスのことを「후유증(読み:フユチュン、意味:後遺症)」のほかに「앓이(読み:アリ、意味:患う)」と言います。「후유증」は作品そのものをさす時に使われる一方で、「앓이」には特定の人物を意味するニュアンスが含まれ、主に登場人物や俳優の名前につけて「〇〇앓이」と表現します。
私にとっては、今回ご紹介する『二十五、二十一』のペク・イジン(ナム・ジュヒョク)がまさにその一人。今でも振り返るたびに胸がギュッとなるほど“患っている”キャラクターです。前述の通り表現するなら、“ペク・イジン앓이”というわけです。

本作で多くの視聴者をとりこにしたナム・ジュヒョク。韓国のポータルサイト「NAVER」でも「ペク・イジン앓이」の記事が大量にヒット!
1997年、韓国はアジア通貨危機や財閥の倒産などの煽りを受けて経済危機に陥り、「国際通貨基金(IMF)」の救済を受けることになります。本作で登場する「IMF」とはこのことです。1998年には2万社あまりの企業が倒産したと言い、物語はこの時代を舞台に描かれます。
イジンは名門大学に真っ赤なオープンカーで通うお坊ちゃまでしたが、父親の会社が倒産してしまい、22歳で小さな部屋を借りて一人暮らしすることに。
若くして夢も希望も失くしてしまったイジンが引っ越した町で出会うのが、夢に向かって突き進む18歳のナ・ヒド。IMFのせいでフェンシング部が潰れちゃったけど、最年少金メダリストのコ・ユリム(宇宙少女・ボナ)がいる高校に転校しちゃえばいいじゃん!と逆境を逆手に取るポジティブで明るい女の子です。

憧れのコ・ユリムが練習しているところをこっそりのぞき見するヒド。
2人はイジンがアルバイトでヒドの家に新聞を配達した時に出会い、偶然の再会が重なって仲を深めていきます。
父の破産で多くの人が苦しんでいることから「どんな瞬間も僕は絶対に幸せにならない」と十字架を背負っていたイジンの心を「これから私と遊ぶ時だけこっそり幸せになるの」とヒドが溶かし、イジンは母親と折り合いが悪く孤独を抱えるヒドの癒しの存在となって絆を育む過程がこの上なくピュア。4歳差だけど年上男子×年下女子ではなく、対等な目線でお互いを高め合っていく2人が美しくて、どこかはかなくて、胸が熱くなります。

韓国では年上の男性を「オッパ」と呼びますが、ヒドは「ペク・イジン」と名前で呼ぶところから2人の少し特殊な信頼関係が感じられます。
未来を向いて高め合ってきた2人ですが、大人になるとその関係は少しずつ変わっていきます。イジンはTV局の記者、ヒドは国家代表選手となり、それぞれ多忙を極める中で、相手に負担をかけたくないイジンと喜びも苦しみもすべて分かち合いたいヒドはすれ違うようになり……。リスペクトし支え合う気持ちはあの時のままでも、人生のチャプターが変わってしまった。そのことに2人は気づいてしまった。青春が終わってしまったんですね。
お互いに思い合っているのにうまくいかない。頑張るほど遠くなっていく。そんな変化が切なくて切なくて……。2人が結ばれるまでが丁寧に描かれるおかげでどっぷり感情移入できちゃうので、まるで自分が経験したかのように胸が張り裂けそうになります。
夢に恋に友情に全力だったキラキラと眩しい時期は一瞬で過ぎ去ってしまうからこそ青春なのであり、永遠に続かなくてもその一瞬があったことは永遠に変わらない。そして、それは人生の宝物になる。本作は、そんなメッセージを伝えてくれているのだと思います。
青春の終わりを迎えたイジンとヒドがどのような道を選ぶのか。青春真っただ中の人も、青春が過ぎ去った人も、自分の思い出と重ねながら一緒にときめき、苦しみ、共感できる『二十五、二十一』。書いていたらまたペク・イジン앓이を発症しちゃいました。N回目の視聴、いってきます。
配信サイト
『二十五、二十一』
全16話
Netflixシリーズ「二十五、二十一」独占配信中
バスタオル必携! 秋の夜長のお供にピッタリな人生賛歌ドラマ『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』

写真左からチョ・サング(イ・ジェフン)、ハン・グル(タン・ジュンサン)、家族同然の隣人ユン・ナム(ホン・スンヒ)。
『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』
全10話
出演:イ・ジェフン、タン・ジュンサン、ホン・スンヒ、チ・ジニほか
Netflixシリーズ「ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です」独占配信中
あらすじ
父ハン・ジョンウ(チ・ジニ)と息子グル(タン・ジュンサン)は、遺品を整理し、故人の想いを遺族に届ける遺品整理業の"MOVE TO HEAVEN"を親子で営んでいた。ある日、病を抱えていたジョンウが急死。アスペルガー症候群の息子を心配したジョンウは、生前に後見人として弟チョ・サング(イ・ジェフン)を指名しており、サングとグルはひとつ屋根の下、一緒に暮らすことに。最初は遺産目当てだったサングだが、"MOVE TO HEAVEN"で働き、グルとともに過ごすことで、少しずつ心情に変化が表れる。
ここが見どころ
秋の声が聞こえてきましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
自分はややセンチメンタルモードになっておりまして、「泣ける話が観たいな……」と思い、本作をピックアップした次第です。
本作は、父ジョンウを失くして一人ぼっちになったアスペルガー症候群の青年グルと、父の弟で、寄る辺なく生きるチンピラボクサーの叔父サング。孤独な2人が家族になっていくまでを描いた物語です。この作品の何がいいって、主人公親子であるジョンウ&グルの親子、ジョンウ&サングの兄弟関係に号泣必至なうえ、各話で登場する故人や遺族のお話も涙なくしてはみれない、グッとくるエピソードが満載なところ。しかも、それがたったの全10話で観れるんです! 週末にサクッと完走できるボリュームはありがたいですよね。
「次は何を観ようかな?」という方は、本作をチェックしてください。観終わったあと、自分を取り巻く世界が違って見えてくるはずですよ。
それでは、本作のみどころを紹介します。
タイトル“ムーブ・トゥ・ヘブン”に込められた意味に涙
本作のタイトルは『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』。実は、劇中の遺品整理会社の社名が「MOVE TO HEAVEN」なんです。
遺品整理を業者に頼むということが何を意味するのかというと、片付けてくれるような身内がいないか、家族と疎遠になっている孤独死が原因であるケースがほとんど。毎話、誰かが亡くなるのですが(みんな、善良ないち市民なのに!)、「MOVE TO HEAVEN」の人々は彼らを軽んじることはありません。故人が亡くなる直前まで住んでいた場所を清掃しながら、ていねいに遺品を整理します。その姿は清掃業などではなく、慈愛に満ちた引越し業者。故人が天国へ行けるよう、最後の引越しのお手伝いをするんだというグル親子の姿勢が胸に刺さります。
作業の始まりと終わりには故人への祈りを捧げ、作業時にはできる限り、マスクや手袋は可能な限り使わない彼ら。(衛生的にどうなのかということはひとまず置いておいて)良い意味で淡々と丁寧に遺品を回収していく姿は、まさに「故人の最後の引っ越し」のようで、静謐な時間が流れるのでした。

遺品整理の仕事を始める前に故人への哀悼の意を表する、息子グル(タン・ジュンサン)と父ジョンウ(チ・ジニ)。
それらをより感動的にしているのは、アスペルガー症候群のグルの視点で描かれる作業中のシーン。ドローンで撮影したかのように俯瞰で街の景色を映したり、故人の遺品や、そこから浮かび上がる生前の故人の記憶に降り注ぐ光の描写が、まるで“天国への階段”を想起させるほどに、まばゆく輝いているのでした。さらに、グルの携帯音楽プレーヤーから流れるクラシック音楽も、故人に捧げられた鎮魂歌のようで。
「どんな人生であっても、故人は尊重されるべきである」
「故人の想いは、伝えるべき人に伝えられる」
そんな強い思いが伝わってきました。

遺族に遺品を渡そうと努力するグルと、そんな甥っ子を見守るサング。
基本的にマジメで感動的な物語ですが、2話以降、笑いの要素が増えます!
1話は、世界一やさしい父ジョンウと、そんな故人の想いを大切にしていた父の姿を見ていたグルが驚異的な記憶力で遺品から想いを読み解いて遺族に伝えていくという感じで話が進むのですが、2話以降のグルの相棒は、ジョンウの弟サングにバトンタッチ。このサングがかなりのクセ者。ムショ上がりで、兄の遺産狙いでグルと暮らしはじめたチンピラボクサーなんですよ(言い方!)。

サングの腕に傷を見つけては治療しようとするグルのワンコっぷりと、最初は嫌がっていたのに、途中からまんざらでもなくなってくるサングに萌え♡
食べたら食べっぱなし。飲んだら飲みっぱなしで、不規則極まりない日常を送る肉体派のサング(ボクサーのはしくれなので、いい体してます)。一方、家の中のモノがちょっと動いたり、変わっているだけで「アンデヨ!(ダメです!)」とパニックに陥るグル。アスペルガー症候群特有の強いこだわりを持つ彼は、規則正しく清潔好きで、絶対に自分のペースを変えられないんですね。
さらに、闇ボクサーのサングは、しょっちゅうケガをこさえて帰ってくるのですが、グルはケガを見逃しません。過去の顧客や父親のことを思い出して「手当しないと死んじゃう!」と不安になって、治療をしようとサングをかまい倒すんです(涙)。
グルの素直な心に感化され、亡き兄の愛情を知ることで、トラウマを乗り越えていくサングの心の変化にも号泣(何度目……)。
毎話、泣かされるので、ハンカチの予備をご用意ください。

グルの父であり、サングの兄、ジョンウの慈悲深きご尊顔……。
グルの出自エピソードであったり、グル親子と付き合いのある廃品回収業を営むおじさんが脱北者だったり、実際に韓国で起きた、過去最大級の三豊百貨店崩落事故(『応答せよ1994』や『ただ愛する仲』でも取り上げられていましたね……)にまつわるエピソードが盛り込まれていたりと、韓国の社会問題と、それらによって人生を変えられてしまった人々の様子も。
この作品を通して、どんな困難に直面しても「愛する想い」は消えないし、「大事な人を愛し、大切にしていく」ことで、故人と残された人々の人生は、より強く輝くのだと感じました。
喜怒哀楽を、人生という五線譜の上に載せて奏でる人生賛歌。
そんなメロディが聴こえてくるような本作を、秋の夜長のお供にしてみては?

心が洗われるような水族館でのシーン。大好きな魚たちを眺めるグルの心境やいかに。
作品概要
『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』
全10話
Netflixシリーズ「ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です」独占配信中
「カン・ハヌルはどこに?」 彼史上最もイケてない警官役だけど、回を追うごとにその“姿”にハマっていく『椿の花咲く頃』

ソウル勤務から、半ば左遷の形で地元の派出所に異動した巡査のヨンシク(カン・ハヌル)。
『椿の花咲く頃』
全20話
出演:コン・ヒョジン、カン・ハヌル、キム・ジソクほか
Netflixシリーズ「椿の花咲く頃」独占配信中
あらすじ
女手ひとつで息子を育てるドンベク(コン・ヒョジン)に突然訪れた、新たな恋の予感。
シングルマザーへの偏見と差別に負けることなく、幸せをつかむことはできるのか。
愛に傷付き、何度も裏切られた経験から、心に傷を持ったドンベクと、「愛があれば大丈夫」と信じる田舎くさくも善良なヨンシク(カン・ハヌル)。そんな2人を取り囲む、地域密着型のロマンティックコメディドラマ。

息子ピルグ(キム・ガンフン)の髪の毛を愛おしそうに触れる、母ドンベク(コン・ヒョジン)。
ここが見どころ
今回ご紹介するのは、韓国ドラマファンなら一度は耳にしたことがある『椿の花咲く頃』。コメディ、サスペンス、ヒューマン、ロマンスなど、実に様々な要素が複雑に絡まり、視聴者の琴線を絡ませまくった名作です。2019年の作品を、なぜおすすめするのか。
それはカン・ハヌル演じるヨンシクが、めっちゃカッコいいから!
カン・ハヌルといえば、ドラマ『イカゲーム』シーズン2出演者のひとり。「彼の姿が待ち遠しい!」という方は、本作をチェックしてみて。イケメンで演技も上手く、“美談製造機”と評されるほどに人柄もいいカン・ハヌルらしさを最も昇華したキャラクターが本作のヨンシクなので、きっと満足いただけるはず。
それでは、おすすめポイントです!

「美人ママ」であり「かわいそうな未婚の母」のドンベクは、近隣の人に心無い言葉を投げかけられることも。
舞台となるのは、オンサンという小さな田舎町(ロケ地は韓国・慶尚北道にある浦項市郊外の九龍浦。ノスタルジックな町並みが良き)。ここに乳飲み子を連れたシングルマザーのドンベク(コン・ヒョジン)が引っ越してきたところから物語が始まります。
幼い頃は母親に、成人してからは恋人に捨てられ、ひとりで産んだ息子と生きていくため、ドンベクはオンサンで「カメリア」という居酒屋を始めます。町の男たちが常連となって店は大繁盛する一方、町の女たちからはあからさまにのけものにされ、妬み嫉みは日常茶飯事。しかし、「母親に捨てられた」過去を持つドンベクは自己肯定感が低く、反論できず、口ごもってばかり……。
そんな時に現れたのが、我らがカン・ハヌル!
ソウル勤務だった警官・ヨンシクは、優れた捜査勘の持ち主でしたが、正義感の高さゆえに問題を起こしてオンサンの交番に左遷されます。そして、町で見かけたドンベクに一目ぼれ。その後は、猪突猛進にドンベクへの好意を、ただひたすらに示し続けるのです。
ぶっちゃけ、本作を観るとドンベクを取り巻くつらい現実も見えてきます。
シングルマザーであることによって軽んじられたり、未婚の母だと後ろ指を指されたり。しかし本作では、ドンベクが真正面から社会に立ち向かい、悪者をやっつけて大団円……、という話ではありません。性差別、親子関係、自尊心、嫉妬と劣等感、虚栄を張ってしまうこと、地域社会で暮らす……など、一筋縄ではいかない問題をあるがままに取り上げ、現実世界のように行きつ戻りつ、緩やかに変化をくり返しながら、人生という山の斜面を登っていきます。そんなドンベクに影響を与えるキーマンがヨンシクなのです!
物語前半は、町の人々や男性陣からドンベクに対する偏見や蔑視についての場面が数多く描かれます。特に印象的だったのは、「ピーナッツをサービスしろ」と店の大家がしつこく絡んでくるシーン。この大家は自尊心に問題があり、「自分が見下されている」と感じるような言動を相手がとると騒ぎ立てるんです。酒の勢いもあり、どんどんエスカレートする彼は、「この店の店主は笑顔さえもない」と言いがかりをつけ、腕まで掴む始末。「はいはい」と、あしらうこともできるのですが、彼女はキッパリと拒否。

ドンベクが気になって仕方のないヨンシク。
そして、以降ヨンシクの一途でひたむきなメッセージが、その後のドンベクを幾度も支えます。
元恋人で子供の父親であるジョンニョル(キム・ジソク)と再会し、「(女手ひとつで育児をする)こんなつらい人生を送ってほしくない」と言われたドンベク。たったひとりで息子を育ててきた8年をまるっと否定された彼女は泣きたくなるほど、みじめな気持ちに。その時、ヨンシクがドンベクにかけた言葉がこちら。
「あなたは弱くない。身寄りのない未婚の母が、ピルグを立派に育てながら店を切り盛りしてる。
責任感もあるし、道徳的に生きている。そのうえ、誰よりも真面目で一生懸命だ。
それって称賛に値することですよ。普通だったらとっくに挫折してます。
だから忘れないで。あなたは誰よりも強くてすばらしい人です。誰よりも立派です」
……こう言われて、ほれない人います?
彼女自身と彼女が築いた歴史を全肯定する言葉にホッとしたのは、きっとドンベクだけじゃないと思います。
ここまでイケメンだの、カッコイイだのと散々ほめまくってきたヨンシクですが、物語序盤の港町の巡査・ヨンシクは、とにかくイケてなかったです!
「カン・ハヌルはどこよ⁉」と叫びだしたくなるほどに見た目がダサいし、動きもダサい(写真ではわかりにくいですが、劇中はすべてがもっさりしてる)。食堂でつまようじを使ってシーシーする姿なんて、想像を超える冴えなさ(笑)。「巡査の制服×カン・ハヌル」という、どう料理しても高級料理にしかならない組合せなのに、弾けないポップコーンのように口の中でジャリッとする残念クオリティーなんですよ。じゃあ、私服はオシャレなのかと言えばそうではなく、襟元とスソがヨレヨレのシャツをインせず、見かねた母親に直されるというね……。
ところが回を重ねるうちに、そのダサさが眩しく見えるのです。それは思い込みや偏見をものともせず、対象の本質を見るヨンシクという男の在り方に視聴者が感化されていくからかも。

どう見ても漁師町の冴えないカップルなのに、めっちゃ輝いて見えます!
ドンベクの元々の強さを引き出し、それを彼女と周囲に再確認させたヨンシク。相手を理解し、支え続ける存在として特別な魅力を持った彼の生き方は、愛や尊重の在り方の幅を広げてくれます。心に余裕がない時、ささくれ立ってる時、自信を失いかけた時など、本作を観てください。彼の言葉と行動が心に沁み込んで癒されるはずです。
作品概要
『椿の花咲く頃』
出演:コン・ヒョジン、カン・ハヌル、キム・ジソクほか
Netflixシリーズ「椿の花咲く頃」独占配信中
中学生たちの青春がきらめくスポーツドラマ『ラケット少年団』に泣いて笑って!

写真左からバトミントン部キャプテンのユンダム(ソン・サンヨン)、ウチャン(チェ・ヒョンウク)、ヨンテ(キム・ガンフン)、へガン(タン・ジュンサン)。
『ラケット少年団』
全16話
出演:キム・サンギョン、オ・ナラ、タン・ジュンサン、ソン・サンヨン、チェ・ヒョンウク、キム・ガンフン、イ・ジェイン、イ・ジウォンほか
Netflixシリーズ「ラケット少年団」独占配信中
あらすじ
主人公のユン・へガン(タン・ジュンサン)はプロを目指す野球少年。父親のヒョンジョン(キム・サンギョン)が知人の借金の保証人になったことから、へガンの野球クラブの費用すら捻出できない経済状況に。へガンの妹ヘイン(アン・セビン)が喘息持ちということもあり、父親はソウルから遠く離れた中学校のバトミントンコーチの職に就く。都会から田舎に転校してきたへガンはバドミントン経験者。寄せ集めのバドミントン部を廃部の危機から救うため、コーチである父親とともに、再びラケットを握り、大奮闘するのだが……。

ヘガン父であり、バトミントン部コーチのヒョンジョン(キム・サンギョン)。彼の適当さとふてぶてしさ、素っとん狂な表情がいちいちおもしろい(笑)。どうみても3枚目なのですが、時時折垣間見える繊細さのさじ加減が絶妙。強いるでもなく、ほったらかしにするでもなく、息子と生徒たちの最善を見極めている感じがよき!
ここが見どころ
オリンピックに、夏の高校野球と、例年よりも熱い2024年の夏、皆様どうお過ごしでしょうか。「スポーツってドラマティックだよね」「もっとスポーツに浸りたい!」というお気持ちが残っている方に特におすすめしたいのが今作。
ソウルから遠く離れた過疎の村で、中学生たちがバドミントン部の存続をかけて一致団結! と言っても、「気合いだ~!」で乗り越えるようなスポ根ドラマでもなければ、先輩のシゴキやいじめのドロドロも、ほぼゼロ。友情、家族、村の人々との交流、そしてちょっぴりのラブストーリーまでが、優しく織り交ぜられたヒューマン青春スポーツドラマなんです。
そんなわけで、本作の推しポイントを説明します!
1中学のバドミントン部のドタバタを演じ切った主要メンバー(男子4名&女子2名)の演技がすごい! 真っ直ぐなへガン(タン・ジュンサン)たちの言葉にハッとさせられたり、元気になれたり。大人になるにつれ、人は世間体や責任を複雑に考えてしまうもの。だからこそ、「まだ何者でもない」ピュアで真っ直ぐなへガンたちの言葉が刺さるんです。

写真左からセユン(イ・ジェイン)、ハンソル(イ・ジウォン)。セユンは女子バトミントンを背負ったエース。2人は仲良し。
たとえば、日本チームとの試合で勝利したとき、コーチが生徒に「日本が嫌いでしょ? 正直に言ってもいいのよ」と言うんです。女子選手たちは「嫌ってません。とても親しくしてます」と。ではなぜ、気合を入れて戦ったのかと聞かれた彼女たちは、こう答えます。「相手が日本でなくても同じように戦っていました。これはスポーツだから。バドミントンで戦うだけです」ときっぱり。その場にいた大人たちはハッとした顔をしながら「俺たちより大人だな」と感心するのでした。一方、同じ質問をされた男子選手たちはというと……。「怒られたくなかったから頑張りました」だそうで。素直か!(笑)

女子はだいたいキリッとしてるんですが、男子選手たちの方は、わりとズレ気味というかゆるっとしてます…。
選手たちの素直なフィルターを通して表現された作品メッセージ、すばらしかったです。逆に、試合攻略法や、工事現場でのアルバイトといったエピソードでは、世の中の仕組みや厳しさが表現され、「世の中はきれいごとだけではない」という若者向けのメッセージも含まれていて、10代の彼らにそういったメッセージを伝えさせるという演出・脚本の上手さがキラリ。
子どもたちの熱演もさることながら、子供たちを見守る大人たちにもご注目を。
友情や初恋、家族など描かれるが、日々の生活の中でご近所さん=村人たちが深く関わってきます。5歳のヘイン(ヘガンの妹)が迷子になれば村人全員で探しまわり、料理を作りすぎたら(あるいは味に自信がなかったら)近所へとおすそ分け。おばあさんの100歳の誕生日を村中で祝い、冠婚葬祭や困った問題も村ぐるみで考え解決。子どもたちのバドミントンの試合には村中で現地へかけつけて応援。まるで、ご近所付き合いがあたりまえだった“昭和”の時代のよう。

写真左から村長(ノ・ウヒョン)、、ヒョンジョン(キム・サンギョン)、ヘガン、ヘウン(アン・セビン)。引っ越してきた直後のヒョンジョン一家。ド田舎すぎてロングドライブをした結果、ヒョンジョンとヘガンの目の下にクマが(笑)。
村での生活は、ただただ平凡な日常そのもの。しかし、大人たちそれぞれが抱える問題にも焦点を当てて丁寧に描いているんです。ヒョンジョンはコーチ、そして親として悩み、また完璧に見えるヨンジャ(オ・ナラ。ヘガンの母)も辛い思い出が。老夫婦はすてきな子供部屋(村で唯一、Wi-Fi完備)まで用意しているのに、肝心の孫は遠くに住んでいて空き部屋のままだし、100歳の母親と2人暮らしの中年の娘は都会者を毛嫌い。さらに都会からやってきた中年夫婦はワケアリなのか生きる気力がなく、過疎化が進む村なのに村長はノープラン……。
様々な問題を、時に優しく、時に激しい言葉でぶつかり合いながらも、互いに助け合い、解決していく村人たち。子どもたちは大人に助けられ、大人たちも子どもたちに教えられながら、問題を最善の方向へと導いていくんです。つまり、本作は村で暮らす全員が成長するリアル青春ドラマなんですね。

めったにお目にかかれない(笑)ユンダム、ヘガン、ウチャンの教室シーン。彼らが高校に進学できるのかも確かめてくださいね(笑)。
田舎が舞台ということもあり、ほのぼのと癒されるストーリー、豪華出演者たちが魅せてくれる演技に、泣いて笑って感動しきりの、全16回でした。基本的には中学生メインのスポーツ青春ドラマではありますが、スポーツをする意味、そこから得られるもの。そして、決して忘れてはいけないこと。若者世代、そしてかつての少年少女だった今の大人たちに投げかけられた真摯なメッセージが胸にささる作品でした。
作品概要
『ラケット少年団』
全16話
Netflixシリーズ「ラケット少年団」独占配信中
いまを生きる20代の夢と友情と恋愛をリアルに描いた『青春の記録』

グラビア取材中のヘジュン(パク・ボゴム、写真左)と、ヘヒョ(ビョン・ウソク、写真右)。
『青春の記録』
全16話
出演:パク・ボゴム、パク・ソダム、ピョン・ウソクほか
Netflixシリーズ「青春の記録」独占配信中
あらすじ
俳優としての成功を夢見るヘジュン(パク・ボゴム)とヘヒョ(ピョン・ウソク)。そして、メイクアップアーティストの卵のジョンハ(パク・ソダム)。生まれや家柄が重要視される芸能界で、自らの力だけで夢に挑む若者たちの青春を描く。
ここが見どころ
韓国では“国民の彼氏”と呼ばれ、幅広い世代から愛されている人気俳優パク・ボゴム。
日本でも『恋のスケッチ~応答せよ1988~』や『雲が描いた月明かり』、『ボーイフレンド』の大ヒットで高い認知度を誇る彼の入隊前最後のドラマ出演作が本作です(2022年に除隊済み)。
モデルから俳優への転向を目指す青年の夢と恋と友情、そして家族についてのリアルな日常が綴られた、まさに“青春の記録”のようなドラマです!
ここから、見どころについて説明していきますね。
(ネタバレあります)

モデルや役者の仕事と並行して、飲食店のバイトに勤しむヘジュン(パク・ボゴム)。その姿もスタイリッシュ!
主人公ヘジュンは元モデル。俳優に転向するも、なかなか芽が出ず、アルバイトを掛け持ちしていました。事務所の代表からは出演料を払ってもらえず、家族からは「ルックスだけじゃ食べていけない、実直に生きろ」と言われ、実家が裕福な幼なじみ兼親友のヘヒョと自分を比べて、惨めな気持ちで過ごす日々。さらに、26歳という年齢で、兵役入隊期限も差し迫っていて……。
そんながけっぷちの状況で参加したファッションショーで、同い年のヘアメイクアシスタントのジョンハと出会い、意気投合。
その後、様々な出来事にぶつかりつつも、ヘジュンは成長していきます。

真剣にメイクを施すジョンハ(パク・ソダム)。
そして、へジュンたちが生きている華やかな芸能界の裏側にはびこる闇、各種ハラスメントや、フェイクニュース、SNSでの誹謗中傷といった、現代ならではの胸が苦しくなるような描写も。へジュンの成功をよく思わず陥れようとする人々もいる中で、彼がどこまで信念を貫くことができるのかは、重要なポイントです。
自分の力で夢を成し遂げようとするジョンハの姿は、ヘジュンとそっくり。だからこそ、2人は親近感を覚え、刺激を与え合う仲間となり、同じような業界で苦労をしながらもひたむきに努力する存在として心の支えになっていくのでしょう。
2人が一緒にいるシーンの描写は、一度でも夢を追いかけたことがある人なら胸に刺さるほどリアルでピュア。個人的には、誰にも頼らず、寄りかからず、自らの人生の舵取りをジョンハ自身がする姿にぐっときました。
ヘジュンとへヒョは、漢南洞(韓国ソウルの高級住宅エリア)に暮らす幼なじみ。同じタイミングでモデル業をスタートさせましたが、いまは実家が裕福なヘヒョが先んじています。何かにつけ、周囲から比較される2人。ヘジュンもヘヒョも「自分たちは親友であって、目標ではない」とピシャリと言い返します。幼なじみ同士、お互いを認め合っている姿がいい!

居酒屋で一杯中のヘジュン(パク・ボゴム、写真右)とヘヒョ(ビョン・ウソク、写真左)。
もう1人、小学生の頃からの仲間でカメラマンのジヌもいるのですが、この3人が集まる感じがエモいんです。26歳にもなれば、それぞれ職場や実家で上手くいかないこと、イヤなことってありますよね。しかし、小学生の頃から慣れ親しんだ地元の公園に行けば、いつのまにやらなじみの顔が集まって、“いつもの空気”を纏いはじめるんです。
冗談を言い合ながら、バスケをしたり、酒を酌み交わしたり。謎の追いかけっこまではじめる始末(笑)。大人の世界では言動に結果や利益を求められるけれど、この3人なら、あの頃のまま、無邪気なままでいられる。その感じが切々と伝わってきて、うるっとします。
とはいえ、物語が進むにつれ、3人の置かれている状況も大きく変化するのですが……。
どう変化するのかは、本編で確かめてください。
『青春の記憶』
全17話
Netflixシリーズ「青春の記録」独占配信中
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