美食家の御曹司とバツイチヒロインが巻き起こすラブコメ史劇『御史<オサ>とジョイ~朝鮮捜査ショー~』【韓ドラオタクおすすめの1本】
イッキ観推奨! 頭を空っぽにして観ることができるドタバタ★ラブコメ時代劇
- イッキ観推奨! 頭を空っぽにして観ることができるドタバタ★ラブコメ時代劇
- あらすじ
- ここが見どころ
- 不遇 or 能力者 or 極悪人ではないテギョンが新鮮!
- 大ブレイク中のキム・へユンの、愛とキレのあるお小言がよき♡
- これほど気楽に視聴できる時代劇はない⁉
韓国ドラマ大好き!なライターがおすすめしたい作品を紹介する不定期連載コラムです。今回は美食家のお坊ちゃまとバツイチヒロインが巻き起こす新感覚ラブコメ時代劇『御史<オサ>とジョイ~朝鮮捜査ショー~』を紹介します。
『御史<オサ>とジョイ~朝鮮捜査ショー~』
全16話(DVD版は全32話)
出演:テギョン(2PM)、キム・へユンほか
© STUDIO DRAGON CORPORATION
あらすじ
仕事より三食ごはんが大事な役人ラ・イオン(テギョン/2PM)。宮廷では、王の隠密捜査官=暗行御史(アメンオサ)が、次々と死亡しているという噂で持ちきりのなか、暗行御史着任の命を受けてしまう。こうなったからには、おいしい食事処を巡りながら役目を果たそう、と従者ユクチル(ミン・ジヌン)とクパル(パク・ガンソプ)とともに派遣先・忠清道に向かったイオンは、そこで不可解な事件に直面する。事件を捜査するなか、離婚訴訟中のジョイ(キム・へユン)に出会う。ひょんなことからイオンに手を貸すことになったジョイは、やがて御史団に加わり、行動をともにするようになるのだが……。
ここが見どころ
今回ピックアップするのは『御史<オサ>とジョイ~朝鮮捜査ショー~』(2021)。出世欲はないけれど、ムダに頭がいいため、エリート官職・暗行御史に任じられてしまった美食家のお坊ちゃまと、自由と幸せを求めて離婚を勝ち取った自立型ヒロインが、不可解な事件をキッカケにタッグを組み、真相を探るという痛快捜査時代劇です。
時代劇といえば、「韓国の歴史はよくわからないし……」「重い話はちょっと」というイメージを持っている方が多いかも。しかし、本作は「李氏朝鮮時代の暗行御史や離婚女性のイメージをくつがえすような斬新な史劇ラブコメを目指す!」と意気込んだ制作陣が手掛けているため、時代劇=シリアスという固定観念を吹っ飛ばすほどにエアリーかつ快活な仕上がりになっております。
主人公ラ・イオンには2PMのテギョン、イオンの相手役のキム・ジョイ役には、『ソンジェ背負って走れ!』で大ブレイクしたキム・へユンを起用し、コメディ要素も十分。時代劇というよりコメディ捜査ショーと呼んだ方がしっくりくるので、ご安心ください。
それでは、本作の見どころをどうぞ!
※本記事はネタバレがありますので、ご注意ください。
不遇 or 能力者 or 極悪人ではないテギョンが新鮮!

© STUDIO DRAGON CORPORATION
イオンを演じるのは、俳優としてのキャリアを着実に積み重ね、作品ごとに強い存在感を放っているテギョン(2PM)。本人にとって初めて時代劇に挑んだのが、のほほんとしたお坊ちゃまとポジティブなバツイチ女性がくり広げる本作。
このイオン、時代劇の主人公としてはかなり変わっていまして、結婚か仕事かを祖母に迫られて“仕事”を選んだら、科挙を主席合格したエリート官僚。しかも“一食入魂”の精神で、日々気合いの入った弁当をみずから用意するほどの美食家で、勤務中には昼食や夕食のメニューを考えながら、そわそわ、ニヤニヤ……。復讐や出世街道を突き進む時代劇の王道キャラとはかけ離れているので、この時代では謎の人物にちがいありません(笑)。
そんなNO美食、NOライフを地で行くイオンは、やる気もないのに暗行御史に任命され、旅に出発しなければならなくなったのですが、「だったら、ついでに地方のおいしいごはんを食べまくっちゃうもんね!」と開き直り、従者たちと一緒に派遣地へ向かう、というグルメドラマ『ゴハン行こうよ!』シリーズをほうふつとさせる脱力的展開に、思わずにんまり。
普段は愛嬌たっぷり、ゆる~いイオンですが、やるときはやる男。事件を捜査していくうちに覚醒して、暗行御史の本領を発揮します! 持ち前の賢い頭脳と正義感で、権力者に渇を入れる姿は雄々しく、見事な推理力で事件の真相に迫る様子は痛快のひとこと!
一方、小競り合いを繰り広げつつも徐々に特別な存在へと変化していくイオンとジョイとの純情ラブストーリーはほほえましく、イオンと2人の従者による暗行御史トリオのばかばかしいやりとりに大爆笑。ロマンス、ギャグ、シリアスなど、テギョンの演技の三角跳びによって、さまざまな魅力があちこちでスパーク! そのギャップもたまりません♡
よく考えてみると、テギョンのドラマ出演作中、ここまでハッピーな役はなかったのでは? これまでの作品でパッと思いつくものをあげてみると……。
『ドリームハイ』(2011)→ヒロインにフラれる同級生役
『ザ・ゲーム〜午前0時:愛の鎮魂歌』(2020)→「死が見える」能力で苦悩する刑事
『ヴィンチェンツォ』(2021)→非情な極悪人
『ハートビート』(2023)→愛を求め、100年間も棺桶の中で眠り続けたヴァンパイア
お、重い……! 不憫と悪人と異能と愛を切望するドラキュラという、観ているほうも胸が苦しくなる役が多いだけに、テギョン本人に一番近い、明るく楽しくポジティブな姿を拝むことができる本作は間違いなく要チェックです♡
大ブレイク中のキム・へユンの、愛とキレのあるお小言がよき♡

© STUDIO DRAGON CORPORATION
『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』(2018)や『偶然見つけたハル』(2019)といった人気ドラマ作品に出演し、『ソンジェ背負って走れ!』(2024)で一躍スターダムにのし上がったキム・へユンが演じたのは、情けない夫と意地悪な姑から解放され、幸せになるために離縁する庶民の女性キム・ジョイ役。ひょんなことからテギョン演じる暗行御史・イオンに出会い、彼の仲間たちとともに捜査に関わることになる人物です。
朝鮮時代の離婚女性の扱いはといえば、男尊女卑の空気が強く、生きづらいイメージ。ところがジョイは官職のイオンと堂々と恋愛もすれば、手に職を持って事業で大成功を収める、自立しまくりのバリキャリ女性。自分の不遇をさめざめと嘆くのではなく、男に負けないくらいたくましく、言いたいことや表現したいことを相手にぶちまけて不義を許さない。幸せをつかみにいく自立的なジョイの姿は見ていてスカッとします。
そして、ジョイとイオンとのコミカルなやりとりと、少しずつ発展していく恋愛関係も見どころポイント。適度なキスシーンに、低温初夜シーン(笑)。“ドキドキ”ではなく“トゥンク……”という、趣き深いロマンスにもご注目ください。
新婚生活中に小言を飛ばし合う2人を見、結婚はロマンではなく、生活そのものなのだなと感じました……これぞリアル!
こちらのオフショット動画で2人の空気感を確かめてみてください♡
これほど気楽に視聴できる時代劇はない⁉
時代劇といえば、権力をめぐって振り回される人々の悲運、悲恋といった姿を描くことが多いですよね。本作は早い段階で世子殺しの真相を探るストーリーを展開していくのですが、基本コメディ路線なので、全体的にストーリーがドタバタでふわっふわで、時代劇なのにエアリー感100%(笑)。
唯一、事件の中心となる悪徳親子の描写が重めといえば重め。これは後半にある切ないエピソードへのつなぎでして、ラスト3話で“お待ちかねのメインディッシュです!” と、待たされたぶんだけ大満足の伏線回収! 最後は美食家&ハッピーお坊ちゃま・イオンがカムバック、最終回のラストシーンは視聴者ももれなく大爆笑&ハッピー気分にしてくれるので、イッキ観推奨です‼
余談ですが、テギョン以外にも演技ドルが特別出演。ジョイの幼馴染のチェ・スンヨル役に、男性アイドルグループVIXXのエンこと、チャ・ハギョンが演じています。このスンユル、ジョイへの複雑な想いの中、寡婦のジョイが両班(貴族)のイオンと結婚できる方法を伝授してくれる、めっちゃいい人。正義感にあふれ、ジョイの初婚の時も反対していて、「ぶっちゃけ、スンユルを選んでもよかったんじゃ……」と思ってしまうような好青年でした。ただ、コメディ要素は薄いキャラだったので、敗因はそこかもしれません。
みなさんもハッピーになれる時代劇で、この春をもっと陽気に過ごしてみませんか♪
テギョンのインタビュー動画。TOEIC満点ホルダーで帰国子女でイケメンという高スペック男性なのに、なぜか笑いを誘発する不思議な魅力が♡
作品概要

『御史<オサ>とジョイ~朝鮮捜査ショー~』
全16話(DVD版は全32話)
出演:テギョン(2PM)、キム・へユンほか
DVD-BOX1~2 好評発売中/各¥17,600(税抜価格 各¥16,000)
発売元:ストリームメディアコーポレーション
販売元:TCエンタテインメント
© STUDIO DRAGON CORPORATION
※商品情報は記事公開時点のものです。

Kカルチャー・旅・お酒・漫画・音楽・スポーツ観戦好きのライター。ドハマりしたK沼が旅沼に直結し、年間十数回は海外へ。マイブームは「海外の大衆食堂をめぐること」。2023年は釜山&ソウル(韓国)、バンコク&ブリーラム(タイ)、ホーチミン&ハノイ&ダラット(ベトナム)、コロンボ(スリランカ)、リヤド&ジェッダ(サウジアラビア)で爆食。2024年はソウル、ソウル、台湾、ソウルへ。さらに東アジア最大のレインボーパレードである、台湾LGBTプライドパレード「臺灣同志遊行」にも参加。2025年の“海外旅はじめ”はソウル&プサン(韓国)。6月にはシアトル(アメリカ)へ。ミズーリ州まで足を延ばして「水月観音像」を拝めたらいいのだけど……。