スタイリスト 石上美津江 presents “夏の黒”であか抜ける方法

色が氾濫する夏だからこそ、際立つ存在感を発揮する“夏の黒”。ただし、あくまでも重く見せずに涼やかに、そして地味にまとめないのが大事。スタイリスト石上さんが、あか抜けに直結する黒の着こなしをレクチャー。

困った時も頼れる。毎日使える黒名品を揃えておく

「おしゃれプロたちに共通するのは、その人ならではの“黒のMYベーシック”があること。いつだって頼れて、常に一定レベル以上のしゃれ感をくれる名品をリストアップしておけば、ここぞという場面でも安心です」(石上さん、以下同)

1.『ルミノア』のボーダーカットソー

『ルミノア』のボーダーカットソー

(右)¥17600・(左)¥14300/ゲストリスト(ルミノア)

まとう雰囲気までもこなれるボーダーの最高峰

言わずと知れた、フランス発のボーダー上手な老舗ブランド。「一枚あるとコーデの幅が広がるボーダーカットソー。毎回いろんなブランドとコラボしながら、ピッチやシルエットなどに少しずつ変化を加え、今のトレンドを見せてくれます。身幅の広いゆるっとしたフォルムは、ウエストインしてもアウトしても、こなれた雰囲気に」。

2.『ザ シンゾーン』のデニム

『ザ シンゾーン』のデニムパンツを履いた井桁弘恵

パンツ¥20900/シンゾーン ルミネ新宿店(ザ シンゾーン) シャツ¥33000/メイデン・カンパニー(ヤンマッケンハウアー) 靴¥27500/UTS PR(ヨーク) イヤリング¥1699/Re:EDIT 靴下¥3300/真下商事(パンセレラ)

ブラックデニムならカジュアルもどこか上品

“デニムに合う上品なカジュアル”が軸のブランドならではの、スタイルアップするフォルム。「黒デニムって意外ときれいめにはけて大人にぴったり。タンクと合わせるだけでもさまになります」。

3.『マリハ』のワンピース

『マリハ』の黒ティアードワンピース

ワンピース¥42900/マリハ 靴/着回し

急なお呼ばれにも、一枚で即おめかし完了!

たっぷりと生地が使われた重量感のある贅沢なシルエットで、ひと目で差がわかるワンピース。「まさに風が抜けるシルエット! ボリュームがあるのに涼しげに見えますよね。旬なティアードフレアのデザインは、大人っぽさと可愛さを両立してくれます。ワンピにこだわりのあるブランドなので、一枚は持っておきたいところ」。

4.『レペット』のバレエシューズ

『レペット』のバレエシューズを履いた井桁弘恵

モデル着用の靴(ヒール3.5cm)¥51700・靴(右・ヒール1㎝)¥44000/ルック ブティック事業部(レペット) スカート¥16940/アンクレイヴ(アンクレイヴ スタンダード) シャツ・靴下/着回し

品行方正な愛らしさを足もとに忍ばせて

丸いトウとツヤ感が乙女ゴコロをくすぐるパテントシューズ。 「25歳頃に出合ってからずっと大好きな靴。“女の子”の気持ちに戻してくれるんです。おばあちゃんになってもはいていると思います(笑)」。

5.『ハイク』のリブトップス

『ハイク』のリブトップス

(右)タンクトップ¥7700・(左)Tシャツ¥9350/ボウルズ(ハイク)

颯爽と着こなしたいシンプルトップス

スカートともパンツとも相性がよく、活躍頻度の高いシンプルな定番品こそ、ちょっといいブランドで素材感やシルエットを吟味したいところ。「どちらも体にそうシルエットながらラインが出すぎず、抵抗なく着られる絶妙なタイトさはさすがです。生地もしっかりしていて、モードなハンサムさも足してくれるんです」。

6.『トラディショナル ウェザーウェア』の傘

『トラディショナル ウェザーウェア』のチェック柄の傘

傘¥14300/トラディショナル ウェザーウェア ルミネ有楽町店(トラディショナル ウェザーウェア) シャツ・スカート・靴・靴下/着回し

ちゃめっけを傘に託して雨の日もゴキゲン!

ビニ傘を使わず、傘にきちんと投資するのも大人のたしなみ。「おしゃれな傘を持っている女性って、やっぱり素敵。バリエーション豊かなこのブランドなら、お気に入りの柄に出合えると思います。ブルーな雨の日も、ちょっと楽しい気分にしてくれるはず」。

7.『オブラダ』のキャップ

『オブラダ』のロゴ入りキャップをかぶった井桁弘恵

帽子¥7700/シンチ(オブラダ) シャツ・スカート・靴・イヤリング/着回し

さりげなくやんちゃな大人のハズし♡

「カジュアルな服だけでなく、清潔感あるきれいめなスタイルなど、さまざまな服のハズしに使えます。個人的には、つばはカーブしているほうがおすすめ。抜け感が出て大人に似合いやすい気がするんです。黒なら、髪色ともなじむので、キャップ初心者さんでもトライしやすいと思います」。さりげないロゴもポイントに。

8.『ビリティス・ディセッタン』のブラウス

『ビリティス・ディセッタン』の黒ブラウス

¥39600/ビリティス(ビリティス・ディセッタン)

胸ときめく贅沢なディテールに浸りたい

繊細なレース使いや、大人の甘さがあるデザインに定評がある日本ブランド。「これはもう、些細なところまですべてが可愛い! 着ているだけで、心が浮き立ちます。近くまで寄ってみるとわかるのですが、細かなレースや胸もとタックのディテールにもこだわりがあり、作り手の本気を感じるんです。デニムでカジュアルに着こなしても◎」。

9.『アー・ペー・セー』のバッグ

『アー・ペー・セー』の黒ショルダーバッグ

(上)¥104500・(下)¥132000/アー・ペー・セー カスタマーサービス(アー・ペー・セー)

上質なレザーと共に媚びないカッコよさを求めて

上質なレザーだとひと目でわかるツヤ感と、ほんのり角に丸みのあるクラシックな佇まいにうっとり。「カチッとしたフォルムとゴールドの金具が美しく、バッグの中をちゃんと整理して、丁寧に使いたくなる。持つだけで姿勢がしゃんとするような、『きちんとしよう』と思わせてくれる力のあるバッグです」。

10.『ジョン スメドレー』のポロニット

『ジョン スメドレー』のポロニットを着た井桁弘恵

ポロニット¥35200/リーミルズ エージェンシー(ジョン スメドレー) スカート・イヤリング/着回し

背すじの伸びるきちんと感あるシルエット

90年以上のロングセラーを誇るアイコンモデル。「歴史あるニットブランドだからこその、なめらかな肌ざわりが最高です。素材にほのかな光沢感があり上品に見えるので、スカートだけでなくパンツに合わせてもカジュアルになりすぎません。今年ならコンパクトめなサイズ感を選んで」。

11.『アレクサンドル ドゥ パリ』のカチューシャ

『アレクサンドル ドゥ パリ』のカチューシャをつけた井桁弘恵

カチューシャ¥18700/アレクサンドル ドゥ パリ GINZA SIX店(アレクサンドル ドゥ パリ) シャツ・イヤリング/着回し

ほの甘な品のよさを呼び込む黒ベロア

おしゃれプロに人気な、フランス発の高級ヘアアクセブランド。「ちょっとお高めですが、その価値あり。飽きがこず、高品質で長く使えるアイテムです。甘い着こなしにカチューシャをつけ前髪を上げるスタイルが好きなのですが、黒ならテイスト問わず似合います」。

12.『コンバース』のスニーカー

『コンバース』のスニーカー

各¥8800/コンバース

こなれて見える絶妙なヴィンテージっぽさ

キャンバス地のシンプルなデザインでボトムを選ばず、こなれたカジュアルへと導いてくれる『コンバース』。「なかでもこの『U.S.オリジネーター』は、アメリカンヴィンテージを追求した独特な風合いが特徴。毎シーズン豊かなカラーバリエが登場するのも魅力のひとつでもありますが、難しいテクニックを必要としない黒スニーカーは一足あると便利なのでぜひ」。

スタイリスト
石上美津江

『MORE』や『LEE』をはじめとした女性誌で活躍中。大人にちょうどいい甘さとトレンド感をバランスよく落とし込んだ、上品なカジュアルスタイルに定評あり

撮影/森脇裕介 ヘア&メイク/河嶋 希(io) モデル/井桁弘恵(モア専属) スタイリスト/石上美津江 取材・原文/道端舞子 ※MORE2023年9・10月合併号掲載