【乙女座】哲学派占い師SUGARさんの12星座占い<7/12~7/25> 月のパッセージ ー新月はクラい、満月はエモいー
12星座全体の運勢
「飛び地へとアクセスしていくこと」
6月21日には372年ぶりの夏至の日食(新月)がありましたが、7月22日からの「大暑」に前後する7月21日にはそれに続き蟹座での2度目の新月を迎えます。
今回の新月は「取り込まれるべき大きな物語」がテーマだった前回の新月に対するフォローアップ的な位置づけにあり、この一カ月のあいだに土星が山羊座へ戻り“試練や課題”が明確になってきた状況において、改めてこれからその中で生きていきたい世界や価値観を選びなおしていく軌道修正のタイミングなのだと言えるでしょう。
その際、意識していきたいのが「直感に従って選ぶ」ということ。もしいまあなたの前に二つないし複数の選択肢があるなら、以前の自分であれば無意識的にこっちを選んでいたなという“自分が逃げ込みがちな”選択肢(しかし長い目で見れば破綻が明らかな)ではなく、一見奇妙に見えたり、これまでの現実の延長線上から外れたところに現れた“飛び地”的な(したがってほとんど孤立した)特異点、すなわち未知の領野へアクセスするような選択肢を選んでいきたいところです。
今回の新月は「取り込まれるべき大きな物語」がテーマだった前回の新月に対するフォローアップ的な位置づけにあり、この一カ月のあいだに土星が山羊座へ戻り“試練や課題”が明確になってきた状況において、改めてこれからその中で生きていきたい世界や価値観を選びなおしていく軌道修正のタイミングなのだと言えるでしょう。
その際、意識していきたいのが「直感に従って選ぶ」ということ。もしいまあなたの前に二つないし複数の選択肢があるなら、以前の自分であれば無意識的にこっちを選んでいたなという“自分が逃げ込みがちな”選択肢(しかし長い目で見れば破綻が明らかな)ではなく、一見奇妙に見えたり、これまでの現実の延長線上から外れたところに現れた“飛び地”的な(したがってほとんど孤立した)特異点、すなわち未知の領野へアクセスするような選択肢を選んでいきたいところです。
乙女座(おとめ座)
今期のおとめ座のキーワードは、「世界全体に否定を突きつける」。
歴史の急変に翻弄されて悲劇的な死を遂げていく人もいれば、驚くべきたくましさで生き残り以前よりも強く豊かな生を手に入れていく人もいる。
歴史的な動乱期というのは、どうしても人生の光と闇のコントラストが激しくなってくるものですが、戦争孤児の双子について<ぼくら>の日記形式で描いた『悪童日記』という小説は、いかにもお涙頂戴的なストーリーにも、重苦しいだけの歴史の講釈にもなっていない、国や時代の違いをこえた普遍的な強度を備えています。
例えば、強制収容所にひかれていく人たちを見た後、司祭から一緒に祈るかと聞かれた二人は次のように答えています。
「ぼくたちが絶対にお祈りをしないことは、ご存知のはずです。そうじゃなくて、ぼくたちは理解したいんです」
二人のこうした態度は一見すると傲岸なのですが、世界の不条理みたいなものに負けないための必死の抵抗であり、そうした不条理について「ウイ(フランス語のYES)」と肯定で返していくことによって、二人は負けない経験を積み重ねていく。
そして、一つひとつは小さな経験であったものが、組み合わさって組み合わさって、やがて世界全体に対して「ノン」と否定を突きつけるにいたる訳です。
先の、不条理な世界をありのままに分かりたいというのは、そうすることで初めてちゃんと自分たちを肯定しつつ生きていくことができるんだ、というメッセージでもあるのでしょう。
と同時に、こうした世界との戦い方であり抜け出し方というのは、今のおとめ座にとって大いに指針となるはずです。
「塵も積もれば山となる」ではないですが、ふたりが悪口の言い合いや殴り合い、断食の練習を積み重ねていったように、今期はいかに不条理の自覚的肯定=負けない経験を積んでいけるかが問われていくでしょう。
出典:アゴタ・クリストフ、堀茂樹訳『悪童日記』(ハヤカワ文庫)
歴史的な動乱期というのは、どうしても人生の光と闇のコントラストが激しくなってくるものですが、戦争孤児の双子について<ぼくら>の日記形式で描いた『悪童日記』という小説は、いかにもお涙頂戴的なストーリーにも、重苦しいだけの歴史の講釈にもなっていない、国や時代の違いをこえた普遍的な強度を備えています。
例えば、強制収容所にひかれていく人たちを見た後、司祭から一緒に祈るかと聞かれた二人は次のように答えています。
「ぼくたちが絶対にお祈りをしないことは、ご存知のはずです。そうじゃなくて、ぼくたちは理解したいんです」
二人のこうした態度は一見すると傲岸なのですが、世界の不条理みたいなものに負けないための必死の抵抗であり、そうした不条理について「ウイ(フランス語のYES)」と肯定で返していくことによって、二人は負けない経験を積み重ねていく。
そして、一つひとつは小さな経験であったものが、組み合わさって組み合わさって、やがて世界全体に対して「ノン」と否定を突きつけるにいたる訳です。
先の、不条理な世界をありのままに分かりたいというのは、そうすることで初めてちゃんと自分たちを肯定しつつ生きていくことができるんだ、というメッセージでもあるのでしょう。
と同時に、こうした世界との戦い方であり抜け出し方というのは、今のおとめ座にとって大いに指針となるはずです。
「塵も積もれば山となる」ではないですが、ふたりが悪口の言い合いや殴り合い、断食の練習を積み重ねていったように、今期はいかに不条理の自覚的肯定=負けない経験を積んでいけるかが問われていくでしょう。
出典:アゴタ・クリストフ、堀茂樹訳『悪童日記』(ハヤカワ文庫)
<プロフィール>
慶大哲学科卒。学生時代にユング心理学、新プラトン主義思想に出会い、2009年より占星術家として活動。現在はサビアンなど詩的占星術に関心がある。
慶大哲学科卒。学生時代にユング心理学、新プラトン主義思想に出会い、2009年より占星術家として活動。現在はサビアンなど詩的占星術に関心がある。
文/SUGAR イラスト/チヤキ