これってSNS依存!? 情報とうまく付きあうための考え方をプロがアドバイス
【プロが教える】SNSと情報とのヘルシーな距離感のつかみ方
もはや私たちの生活に切っても切り離せない存在となった、SNSやネットの情報。誰も教えてくれないことだから、疲れたり悩んだりして当然。ネット社会のプロが、今20〜30代が抱える困りごとに答えてくれました。
教えてくれたのは
『東京中央カウンセリング』代表。独自のカウンセリング技法にファンも多い。コミュニケーションの臨床を得意とする
安全なIT活用をサポートするスマホ安全アドバイザーとして記事を執筆。最新トレンドを知るジャーナリスト
検索エンジンをはじめインターネット関連の製品やサービスを展開する『Google』の日本法人でGoogle 検索などの広報を務める
気づけば無意識にスマホを持っていて意味もなくダラダラと見続けてしまいます……。これってSNS依存ですか?
日常生活に支障が出ていなければ一応OK
「SNSを見ていないと不安になるようなら注意が必要です。対人関係に依存しがちな人は、つながりを求めるあまり欲求をSNSで満たそうとするのでSNSにも依存する傾向に。SNSはあくまで現実の人間関係を補完するもの。それを使うことでプラスの関係に転じられるように意識してみて」(塚越さん)
物理的に触れられなくなる状況をつくってみて
「スマホが目についたり通知が来たりすると手に取ってしまいますし、つい長時間見てしまうもの。離れたければ、引出しや箱に入れて物理的に触りづらくする、通知を切る、一定時間電源を切るなどの対策も◎。またアプリの時間制限機能を使うとやめるきっかけになるので活用を」(鈴木さん)
時事ニュースはネットニュースのまとめやTwitterで眺める程度で偏った情報しか摂取できていない気がして不安です。俯瞰的にニュースを見るには?
テレビや新聞などマスメディアにも触れて
「SNSとニュースアプリはその人の好みに最適化した情報を出すようにつくられています。すると、フィルターバブルと呼ばれる、自分がバブル(泡)に包まれた状態になり入ってくる情報が偏ります。ときにはテレビや新聞などのマスメディアに触れ、世間の情報を得ることが大切です」(鈴木さん)
偏った意見ではないか、偏見が含まれていないかを適切に読み取るスキルは必要です!
「今読んでいる記事はバランスのとれた意見ですか? 一方的な見方で書かれている場合は別の意見や情報を見てみましょう。また内容を裏づける証拠があるかも確認を。当事者による説明が記載されていたり、情報元がリンクされていれば裏づけとなるので、より信頼できるといえます」(坂井さん)
ネガティブな投稿を見ると心が沈んだり、自分の投稿に“いいね!”があまりつかないと居場所がないような気分になったりしてしまいます
SNSがすべてだと思わず日常としっかりバランスをとって
「私ってダメだな、とまで考えないようにしましょう。“いいね!”がつかなくても表現者としてどうなのかを問われているわけではありません。SNSにも向き不向きがあり、Instagramが向いている人、Twitterが向いている人などさまざま。悪いのはあなたではなくただの相性。気が合うものを探して」(塚越さん)
友達の友達のアカウントまで見にいったり恋人のフォロワーをチェックしたりSNS上での詮索をやめられません
身近な人がどんな生活をしているか気になるのは当たり前の好奇心です
「友達や恋人がどんな人なのか知りたくて、どんな生活を送っていて、どんな人と仲よくしているのか気になるのは人間として普通の欲求です。ただ、相手の友達の友達の行動まで常にチェックしていないと落ち着かなくなったり、監視するようになっていたら少し距離を取るべきです」(塚越さん)
数あるサイトの中から正しい記事を選ぶコツは?
まずは書き手が信頼できる人かを考えたうえで、下記の3点を留意して
①情報元の信頼性を確認する
「サイト内の概要ページで提供元を確認すること。またGoogle 検索なら検索結果一覧のサイト名の横にある⋮マークをタップすると『この結果について』というパネルが開き、情報の入手元が表示されます。ここでコンテキストを確認するのもおすすめです」
②複数の情報源を確認する
「調べものをする時はひとつの情報だけをうのみにせず、複数確認することをおすすめします。時事ニュースの場合でも全体像を把握できるよう、同じトピックを各メディアがどのように報道しているか。そもそもほかの媒体でも報道しているかをチェックしてみて」
③ファクトチェックを利用する
「SNSやネット上の真偽がわからない情報について、ファクトチェックに基づいた正しい情報が提供されている場合があります。日本にはNPO法人『日本ファクトチェックセンター』のサイトがあるので、真偽が気になるものがあればそれを利用するのも手です」(坂井さん)
イラスト/ボブa.k.aえんちゃん 取材・原文/野田春香 ※アンケート調査は、23〜32歳の全国の女性100名に実施 ※MORE2023年6月号掲載