新しい職場でのお悩みあるあるQ&A

“このやり方のほうが早くて正確なのに……” “この転職、ほんとによかった?”etc. 新しい職場でわき出るさまざまな悩み。キャリアアドバイザーが、解決の糸口を教えます。

■教えてくれた人
『リクルート キャリア』キャリアコンサルタント 岩山笑子さん

Q 転職したら“同期”という存在がいなくなって、心細いです

A 年齢や年次にとらわれない関係づくりが求められる時

「転勤や異動、転職ラッシュが始まる20代後半は、これまで一緒に切磋琢磨してきた同期が、それぞれのキャリアを歩み始める時期。職場が変わるだけでなく、産休や育休に入ったりそれぞれのライフステージが変わっていくのは、モア世代なら誰しもが経験することです。こういう時こそ、凝り固まっていたコミュニティの枠を一気に広げるいい機会。むしろ、年齢や年次にとらわれないことで、前職では得られなかった新しいコミュニケーションの形や人脈がつくれれば今後のキャリアにいい影響があります」(岩山さん、以下同)
年下の上司や年上の部下、転職して同期がいの画像_1

Q 年下の上司や年上の部下ができて、どっちも気を使います

A 仕事だと割り切りつつ、新しい発見が生まれることも

「年功序列の職場から転向してくるとなかなか慣れないかもしれませんが、年上、年下だからと気を使いすぎる必要はなく、仕事上の関係性として割り切って接してください。また、年齢差によるギャップは、仕事において思わぬ化学反応をもたらすことも。お互いの感覚の違いをうまく利用することで、広い視野で物ごとが考えられるメリットを活用してみては?」

Q 異動先の仕事のやり方は効率が悪く思えるけど、指摘しづらくてモヤモヤが募るばかり

A 上司や話しやすい人に、“指摘”よりも“相談”をしてみて

「仕事の進め方に疑問を抱いた時はとっさに指摘をするより、そもそもなぜそのような方法をとっているのか質問してみたり、観察してみてください。そのうえで、なお改善したほうがいいと考えたのであれば、上司や話しやすい同僚に相談を。『このやり方はよくない』と一方的な否定よりも、自分が理解した現状の進め方が間違っていないか確認したうえで、『こんな方法はどう思いますか?』という提案スタイルの伝え方にするとスムーズかもしれません。転職や異動してきた人は、新しい視点を持っていることが期待される存在。改善したほうがよいと思った点があれば、それをうまく伝えていくことが、自分のためにも会社のためにもなりますよ」
年下の上司や年上の部下、転職して同期がいの画像_2

Q 以前より給料はアップしたけれど、想像以上にプレッシャーが大きくなって困惑

A 理想と現実のギャップは100%起こるもの

「転職後は、大なり小なりイメージしていた理想と現実の差を必ずと言っていいほど感じるものです。そんな時は、そもそもなぜ転職をしたか、その理由に立ち返って考えましょう。収入? やりたいこと? それとも、働き方? 何が最優先事項であったのかを思い出してみてください。また、収入アップを求めれば仕事の責任は大きくなる。余裕のある働き方を優先すると年収がダウンすることもあるというように、何かと何かを天秤にかければ、どちらかが多少は下がってしまうことが多いのが現実でもあります。今後もキャリアを重ねていく中で、天秤にかける事案がいくつも出てくると思います。変化を恐れないために、自分が仕事をするうえで何をいちばん大切にしたいのか、その軸を忘れずに持っておくことは重要です」

Q 前任者のほうが仕事ができると思われていそうで不安です

A あなたが「必要とされた理由」があることを忘れないで

「採用された、もしくは異動の辞令が出たということは、会社があなたに、“期待しているポイント”が必ずあります。『前任者のほうが適任だったのでは?』という漠然とした不安がよぎるのであれば、上司に相談してみることをおすすめします。会社や職場の意向と自分に期待されている役割を聞くことができれば、やみくもに人と比べるよりも“頑張るべきポイント”が明確になるはずです。また、成長スピードや成果を出せるポイントは、人によって異なります。前任者だけでなく、一緒に働く同僚に対しても、自分に足りない力量を持っている存在は学びの対象でもあり、逆に自分にしかない強みを教えてくれる映し鏡であるととらえるのがいいですよ」
取材・原文/海渡理恵 監修/岩山笑子(リクルート キャリア) イラスト/Shapre ※全国の22~32歳有職女性を対象に、100名にインターネットによるアンケートを実施