【千葉】松戸市民が中心となって立ち上げた芸術祭「科学と芸術の丘 2024」開催
ライター
菅原 麻葉
「City of Artists 〜つくるをひらく〜」をテーマに、展示・参加型企画を実施
メイン会場・戸定邸での展示例
千葉県松戸市の市民が主体となってつくりあげる「科学と芸術の丘」が、2024年10月25日(金)〜27日(日)に開催決定しました。科学と芸術の丘は、オーストリア・リンツに拠点を置く世界的なメディアアートの文化機関「アルスエレクトロニカ」の協力を得て毎年開催しています。
“何かをつくり出すことを「アート」というのであれば、街に暮らす私たち誰しもが、「アーティスト」である、と言えるのではないか?” 。そんな問いから、今年のテーマ「City of Artists 〜つくるをひらく〜」が決まりました。科学と芸術の丘を通じて、能動的に「つくる」ことで得られる実感や喜びを体験していただけるような作品展示や参加型企画を実施します。
1998年生まれのフランスのトランスメディア・アーティスト・Diane Cescuttiによる作品。「Nosukaay」は、西アフリカの織機とコンピューターを組み合わせ、織物機械に改造した「コンピューター」を作る初めての試みです。
マンジャク(西アフリカに住む民族)が用いる織機の構造を模倣し、伝統的な織機のフレームの代わりにプラスチックの外殻を取り除いた2枚のスクリーンが設置されています。機械の神であるNosukaayは、コンピューター、マンジャクの織物の知識、数学の間にあるつながりを強調するオルタナティブな歴史についての物語を語ります。この物語は、セネガルで入手したテキストや映像資料、3D画像を組み合わせて構成されています。「Nosukaay」は、インタラクティブな作品であり、セネガルの首都ダカールの工房で作者のDiane Cescuttiと織物職人のEdimar Rosaが両手で織った腰布をキーボードとして使用し、鑑賞者はこのキーボードを用いて物語にアクセスして探求することができます。
作者のSasha Stilesは、第一世代のカルムイク系アメリカ人の詩人、言語アーティスト、AI研究者。アセミック・ライティング(特定の意味を持たない文字を書くこと)とコンピュータサイエンスに影響を受けた「CURSIVE BINARY」は、人間の限界を超えた理解を目指して提案された言語であり、人間から機械への翻訳の機能的な手段であると同時に、人間と機械の協働のプロセス、特質、成果が絡み合う詩的なメタファーでもあります。
この書記体系は、Sasha Stiles自身の人間の手書き文字と、機械言語の0と1を融合させて形成されており、自由に流れるような筆記体の形と、再帰的なコードパターンを対比させ、古いものと新しいもの、有機的なものと自動化されたもの、仮想と生々しいもの、肉体とノードという視覚的な二項対立を表現しています。
1992年タイ生まれの、Sareena Sattapon作。不平等な社会において、違う層にも人々が存在しているということに、私たちは気が付いたことがありません。 高層タワーに住んでいる富裕層はそれを建てた労働者/移民に気が付かない。私たちは、社会は一つではなく多くの層にいる人々によって動いているという真実を無視している、という側面を表現します。
サテライト会場での展示例
サテライト会場「キテミテトナリ」での展示に参加するアーティストは、本展のために作品を制作/過去に手がけた作品を再構成します。
ほか、ワークショップやトークイベントも開催!
戸定が丘歴史公園・松雲亭では、最新の科学、芸術、自然を体感するワークショップを開催します(要チケット、要事前予約)。また、科学、芸術、自然について考えるトークイベントも(戸定邸現地観覧は要チケット、要事前予約。チケット・予約ともに不要のオンライン同時配信あり)。タイムテーブルなど、詳細は公式サイトにて確認を!
「科学と芸術の丘 2024」開催概要
日時:<本祭>2024年10月25日(金)/ 26日(土)10:00 〜 16:30 、27日(日)10:00 〜 16:00
会場:千葉県松戸市(戸定邸、松雲亭、戸定が丘歴史公園、松戸市内各所)
< メイン会場:戸定邸、松雲亭、戸定が丘歴史公園 (松戸市松戸714番地の1)>
< サテライト会場:キテミテトナリ(千葉県松戸市松戸1313)>
前売料金:一般 1,000円、高校生・大学生 900円、松戸市市民割 500円(在住/在勤/在学の方)、中学生以下 無料
出展アーティスト:Diane Cescutti、Sasha Stiles、Peter Haider/Denise Hirtenfelder/Nicolas Naveau/Maria Pfeifer (Ars Electronica Futurelab)、Sareena Sattapon、金箱淳一+首藤圭介
トーク登壇者:小玉 典彦、波田 寿一、清水陽子、金箱淳一、Sareena Sattapon、Denise Hirtenfelder、Sasha Stiles、Diane Cescutti、関口智子
ワークショップ講師:遅四グランプリ実行委員会、千葉大学大学院園芸学研究院 応用昆虫学 野村昌史研究室
*Peatixより参加チケットを購入できるほか、当日、戸定邸入口前【総合受付】でも受付があります。なお、トーク・ワークショップは、チケット購入後に案内するPeatixのURLにて、事前予約を受付中。
*一般、高校生・大学生の当日券は+500円
*トーク、ワークショップなどへの参加は別途予約制
1987年生まれ。OLで雑誌編集を行う傍ら、ファッション、美容、お出かけ系などのライター業も。ファッション初心者ゆえ、安い・着やすい・コーデしやすいアイテムに目が行きがち。身長162cm、ブルベ冬・骨格ストレート寄りらしい。インスタグラムは愛猫と食べログ3.5以上のお店巡りが多め