大型&150点に及ぶキース・ヘリングの作品が茨城にやってくる!

大型&150点に及ぶキース・ヘリングの作品が茨城にやってくる!

1980年代アメリカを代表するアーティストの一人、キース・ヘリング(1958-1990)の大規模な個展が、水戸の茨城県近代美術館にて開催されます。館内は一部を除き写真撮影OK! SNS映え間違いなしです。

Photo by ©Makoto Murata

Photo by ©Makoto Murata

絵画、彫刻、また舞台セットやポスターの制作など多彩な分野で活躍し、HIV・エイズ予防啓発運動にも取り組んだヘリング。本展では日本初公開となる貴重なドローイングを含む初期から晩年までの約150点により、今も色褪せないヘリングのメッセージをさぐります。

明るく、ポップなイメージで世界中から愛されているキース・へリング。へリングは「アートはみんなのために」という信念のもと、1980年代のニューヨークを中心に地下鉄駅構内やストリート、つまり日常にアートを拡散させることで、混沌とする社会への強いメッセージを発信し、人類の未来と希望を子どもたちに託しました。へリングが駆け抜けた31年間の生涯のうちアーティストとしての活動期間は10年程ですが、残された作品に込められたメッセージはいまなお色褪せていません。

本展は6メートルに及ぶ大型作品を含む約150点の作品を通してヘリングのアートを体感いただく貴重な機会です。社会に潜む暴力や不平等、HIV・エイズに対する偏見と支援不足に対して最後までアートで闘い続けたへリングの作品は、時空を超えて現代社会に生きる人々の心を揺さぶることでしょう。

「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」構成と見どころ

《無題(サブウェイ・ドローイング)》 1981-83年 中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

《無題(サブウェイ・ドローイング)》 1981-83年
中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

第1章 公共のアート
1978年、故郷のペンシルベニア州からニューヨークに移ったヘリングは、絵画だけでなく映像やインスタレーションなど多様な美術表現を学びながら、美術館など従来の展示空間だけでなく、公共空間でアートを展開する方法を模索しました。中でも、人種や階級、性別、職業に関係なく多くの人々が利用する地下鉄に注目。「ここに描けばあらゆる人が自分の作品を見てくれる」と、駅構内の空いている広告板に貼られた黒い紙にチョークでドローイングを描きました。シンプルな線で素早く描き出された人間や動物から宇宙船に至るまでの自由奔放なイメージは、多くのニューヨーカーの心と記憶に刻み込まれました。

《無題》 1983年 中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

《無題》 1983年
中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

第2章 生と迷路
1980年代のニューヨークは、HIVの蔓延が社会に暗い影を落としつつありましたが、ペンシルベニア州ピッツバーグから移ってきたばかりのヘリングにとっては、日々新しい文化が生み出されゲイカルチャーも盛り上がる自由で刺激的な場所でした。混沌としながらも希望に溢れるこの街で解放されたヘリングは、生の喜びと死への恐怖を背負いながら、自らのエネルギーを創作へと注ぎ込んでいきます。

『スウィート・サタデー・ナイト』のための舞台セット 1985年 中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

『スウィート・サタデー・ナイト』のための舞台セット 1985年
中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

第3章 ポップアートとカルチャー
アメリカが経済不況にあった1980年代、ニューヨークは現在以上に犯罪が多発する都市として知られており、ドラッグや暴力、貧困がはびこる状況にありました。それでもクラブ・シーンは盛り上がり、ストリートアートが隆盛を極めます。特に、ヘリングにとってのクラブは、踊りと音楽に酔いしれるだけではなく、創作のアイデアが湧き出る神聖な場所でもありました。多様な文化が混ざり合う環境で、ヘリングは舞台芸術や広告、音楽などと関わりながら制作の場を広げていくことになります。本章で紹介する幅6メートルに及ぶ『スウィート・サタデー・ナイト』のための舞台セットは、ダンサーが踊るように描かれており、実際にこの作品の前でブレイクダンスが披露されました。

楽しさで頭をいっぱいにしよう!本を読もう! 1988年 中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

楽しさで頭をいっぱいにしよう!本を読もう! 1988年
中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

第4章 アート・アクティビズム
ヘリングは大衆へダイレクトにメッセージを伝えるため、ポスターという媒体を使いました。題材は核放棄、反アパルトヘイト、エイズ予防や性的マイノリティのカミングアウトをテーマとする社会的なものから、商業的なものまで100点以上にも及びます。アートの力は人の心を動かし世界を平和にできると信じていたヘリングは、ポスターだけでなくワークショップや壁画といった多くの媒体を使ってメッセージを送り続けました。


第5章 アートはみんなのために
アートを大衆に届けたいと考えたヘリングは、自身がデザインした商品を販売するアート活動・ポップショップや、世界の都市数十ヶ所で制作された彫刻や壁画といったパブリックアートなどを通して、彼らとのコミュニケーションを図りました。本章のメインとなる《赤と青の物語》にもヘリングのそのような思いが反映されています。本作は、絵画の連なりから1つのストーリーを想像させ、子どもだけでなく大人にも訴えかける視覚言語が用いられた、ヘリングの代表的な作品のひとつです。

《イコンズ》 1990年 中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

《イコンズ》 1990年
中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

第6章 現在から未来へ
1988年にエイズと診断されたヘリングはその後、死を意識ながらも最後まで自らの思いを未来へとつないでいこうとしました。本章では、最後の個展に出品された三角形の変形キャンバスによる大作《無題》(1988年)のほか、ヘリングの最もポピュラーなモチーフのひとつである「ラディアント・ベイビー」を含む《イコンズ》、22歳の頃のドローイングを17点からなる大画面の版画にした《ブループリント・ドローイング》といった、1990年に亡くなる直前に制作された作品を中心に紹介します。


スペシャル・トピック「キース・ヘリングと日本」

日本に対して特別な想いを抱いていたヘリングが初来日したのは、今からおよそ40年前の1983年。東洋思想や書は以前よりヘリングに影響を与えており、来日の際は扇子や掛け軸など日本特有の品々に墨を用いたドローイングを制作しました。1988年にはヘリングがデザインしたグッズを販売するポップショップ東京を青山にオープンし、大きな話題を呼びます。本展では、茶碗や扇子などポップショップ東京のために制作された代表的なアイテムを紹介します。※スペシャル・トピックについては、撮影NG


他、会期中には講演会やワークショップなどのイベントも開催。本展のためだけにデザインされたアイテムや、お土産にぴったりなお菓子など展覧会オリジナルグッズも登場します!  詳細は美術館の公式サイトをチェック!

※各イベントは、内容が変更または中止になる場合があります。来館の際は、公式サイトで確認、または美術館までお問い合わせください。

「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」開催概要

茨城県近代美術館

会期 2025年2月1日(土)〜2025年4月6日(日)
会場 茨城県近代美術館
住所 310-0851 茨城県水戸市千波町東久保666-1
時間 9:30〜17:00(最終入場時間 16:30)
休館日 月曜日 ただし2月24日は開館、翌日休館
入場料 一般1,360(1,240)円/満70歳以上680(620)円/高校生1,130(980)円/小中生550(420)円
※( )内は20名以上の団体料金 
※障害者手帳・指定難病特定医療費受給者証等持参者および付き添い(1名)は無料
※春休み期間を除く土曜日は高校生以下無料
※2月1日(土)は満70歳以上の方は無料
TEL 029-243-5111

詳細は「茨城県近代美術館」の公式サイトをチェック!