【佐賀】夜の森がアートになる——「チームラボ かみさまがすまう森」が今夏も御船山楽園で開催
ライター
菅原 麻葉
自然そのものがアートになる夜。御船山で出会う、光と音の幻想
御船山楽園の池の水面にプロジェクションしている。水面はセンシングされ、作品は池に浮かんで進む小舟とともにインタラクティブに変化する。チームラボ《小舟と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング》© チームラボ
佐賀・武雄温泉の御船山楽園を舞台にしたチームラボのライフワーク展「チームラボ かみさまがすまう森」が、2025年7月18日(金)〜11月3日(月)の期間で開催されます。11年目を迎える本展は、300万年の時を経て形づくられた自然の風景をそのままアート空間として楽しめる、夜の大庭園の展覧会です。
実際の巨石を使ったインスタレーション作品。巨石(高さ約3m、幅約4.5m)を仮想の三次元空間に立体的に再現し、そこに水を落下させ、巨石の形による水の動きをシミュレーションし滝を描いた。チームラボ《かみさまの御前なる岩に憑依する滝》© チームラボ
会場となる御船山楽園は、50万平米にわたる広大な敷地に、森や巨石、洞窟などが点在する歴史ある大庭園。夏から秋にかけてのこの季節限定で、自然のありのままの姿が光と音に包まれ、幻想的な夜のアート体験が生まれます。
御船山の断崖下に広がるつつじ谷の久留米つつじが光り輝く。半球型のつつじの光は、それぞれ自律しており、ゆっくりと明滅している。チームラボ《生命は連続する光 - つつじ谷》© チームラボ
本展は、チームラボが2015年からライフワークとして取り組んでいるプロジェクトで、これまで多くの実験的な作品がこの地で生まれてきました。2021年にはCNN「行くべき世界の屋外アート展」に選出、2017年にはデザインブーム誌の「アートインスタレーション TOP 10」で世界1位を獲得するなど、国内外から高い評価を得ています。
御船山楽園の桜ともみじの森が光り輝く。木々の光は、それぞれ自律しており、ゆっくりと明滅している。チームラボ《夏桜と夏もみじの呼応する森》© チームラボ
御船山の自然や歴史にも深く寄り添う本展では、1300年前に名僧・行基が入山し、江戸時代後期には武雄領主・鍋島茂義が築いた御船山楽園の背景に、現代のデジタルテクノロジーを使ったアートが静かに呼応。自然と人が織りなしてきた長い時間の連なりを、光のアートとして体感することができます。
異なる時空の塊(メガリス)が、廃墟の湯屋に群立する。チームラボ《廃墟の湯屋にあるメガリス》© チームラボ
また、チームラボがアート×サウナ体験の原点と語る「御船山楽園ホテル らかんの湯」とのコラボレーションも見どころのひとつ。サウナシュランで3年連続グランプリを受賞し殿堂入りを果たした「らかんの湯」では、地元の薬草を使用したスチームサウナや、御船山の天然水を使った水風呂が楽しめます。アート鑑賞とあわせて、心も身体もととのう特別なひとときを。
ドライサウナ(女性):サウナストーブに積み上げているサウナストーンの上に、キューゲル(アロマ氷)を乗せ1~2分経つと、キューゲルが溶け出し、サウナ室がアロマの香りに包まれる。
薬草スチームサウナ(男性):黒を基調としたシンプルなつくり。薬草の蒸気と壁面から差し込む太陽光、夜は最小限のライティングで幻想的な空間を演出。
薬草スチームサウナ付属の水風呂(男性):薬草の色を模した地下空間。ガラスの壁面からは土の地層が見え、太陽光が差し込み、植物が育つのに必要な要素(光・水・土)を取り込む。
薬草スチームサウナ(女性):既存の女性スチームサウナを増設し、白を基調とした柔らかな空間。
「チームラボ かみさまがすまう森」概要
開催期間:2025年7月18日(金)~11月3日(月)
会場:御船山楽園(佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100)
※詳細な開催日時は公式WEBサイトにてご確認ください。
1987年生まれ。OLで雑誌編集を行う傍ら、ファッション、美容、お出かけ系などのライター業も。ファッション初心者ゆえ、安い・着やすい・コーデしやすいアイテムに目が行きがち。身長162cm、ブルベ冬・骨格ストレート寄りらしい。インスタグラムは愛猫と食べログ3.5以上のお店巡りが多め