【島根】奈良原一高の初期作品《無国籍地》と「グループ“実在者”」の仲間たちが一堂に!
ライター
菅原 麻葉
戦後日本の写真界を牽引した奈良原一高の原点に迫る
奈良原一高《無国籍地》1954年 島根県立美術館蔵 © Narahara Ikko Archives
島根県立美術館では、2025年7月14日(月)まで、「結成70周年記念 奈良原一高《無国籍地》と『グループ“実在者”』の仲間たち」展が開催中です。
戦後日本の写真界を牽引した奈良原一高(1931-2020)の初期作品《無国籍地》を中心に、彼が関わった前衛画家集団「グループ“実在者”」のメンバーの作品も展示され、当時の芸術的な交流と創作活動の軌跡をたどることができます。
《無国籍地》と「グループ“実在者”」の関係性を紐解く
堀内康司《無題》1954年 島根県立美術館蔵
奈良原一高の《無国籍地》は、1954年に大阪の砲兵工廠跡地や東京・王子の軍需工場跡地の廃墟を撮影したシリーズで、彼の初個展「人間の土地」(1956年)に先駆けて制作されました。この作品群は、戦後の廃墟を通じて人間の存在や社会の変貌を表現しており、奈良原の芸術的な出発点として重要な位置を占めています。
『5人の片眼の兵隊』中表紙
また、奈良原は1955年に結成された前衛画家グループ「グループ“実在者”」に客員として参加し、メンバーである堀内康司や池田満寿夫、真鍋博らと交流を深めました。彼らとの共同作業や展示活動を通じて、奈良原の表現はさらに深化していきました。
「結成70周年記念 奈良原一高《無国籍地》と『グループ“実在者”』の仲間たち」概要
開催期間:2025年7月14日(月)まで
休館日:火曜日
開館時間:10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時刻まで)
会場:島根県立美術館 コレクション展示室4
観覧料:一般300円、大学生200円、小中高生無料
1987年生まれ。OLで雑誌編集を行う傍ら、ファッション、美容、お出かけ系などのライター業も。ファッション初心者ゆえ、安い・着やすい・コーデしやすいアイテムに目が行きがち。身長162cm、ブルベ冬・骨格ストレート寄りらしい。インスタグラムは愛猫と食べログ3.5以上のお店巡りが多め