上司・後輩・同僚と、どうコミュニケーションしてる? 職場での上手な話し方

あなたは「親しみやすさ」と「信頼できる安心感」、両立できてる?
責任を伴う仕事が増えてきたり、職場における発言がより大事になるモア世代。だからこそただの好印象さだけではなく、「そのひと言が“相手の感情に寄り添えているか”」を意識することが大事。そうすれば人もチャンスも呼び寄せられる言葉選びができるはず。
■対|上司
職場の人間関係をスムーズにする話し方! の画像_1
 損 「後で送ります」
 好 「○分後には送れるのですが間にあいますか?」
上司からの頼まれごとに、「後で」と曖昧に返すのはトラブルのもとです。もしかしたらすぐに必要かもしれない。できないのならほかの人に頼むかもしれない。正確に「いつまでにできるのか」を、伝えるようにしましょう。
 損 「○○させていただきます」
 好 「○○いたします」
知らずに使ってしまいがちな“間違った敬語”No.1。丁寧な言い回しをしているつもりで実は「わざわざやってあげる」という意味合いを含めてしまう、怖いワードです。相手の許可が必要ない場合は無意味なへりくだりは不要!
 損 「悪気はなかったんですが」
 好 「私にも非があるのですが」
本来「悪気はなかったんだろうけど」は、上司が言ってくれるもの。ミスが起きた際、自分には悪気がない=相手が悪いとおとしめる言い回しをするのはNG。相手にも非があったとしても、あなたの印象が悪くなるので要注意。
■対|後輩
 損 「常識だから」
 好   使わない!
「常識だから」、「普通は」という表現は、後輩を一方的に突き放してしまう枕ことば。自分と相手は別ものだし、もし仮にみんなが知っていても、後輩は知らなかったかも。“これが当たり前”と決めつける先輩は好かれません。
 損 「要するに、こういうことでしょ?」
 好 「○○っていう意味で合ってる?」
内容がまとまっておらずイラついたとしても、最初から「こうでしょ」と決めつけると、後輩が自分の意見を言えなくなってしまう可能性があります。まずは「こういうことかな?」と相手の意見を聞き出してあげるのが◎。
 損 「何かあった時は言ってね」
 好 「まず今、何からできそう?」
実際のところ、何かあってからでは遅いはず。わからないところがわからない、という後輩のためにも、まずは具体的にこれから何をするのかを話してもらい、やるべき作業の道筋を自然に示してあげると好印象です。
■対|同僚
 損 「あれ、聞いた?」
 好 「○○って聞いたんだけど」
わざわざ質問にすると、相手が知らなかった場合、「なんで私だけ知らされていないんだろう」と不安を与えてしまう可能性があります。「私も聞いたばかりなんだけど」というニュアンスで様子を見るようにしましょう。
職場の人間関係をスムーズにする話し方! の画像_2
 損 「頑張ってるよね」
 好 「すごいと思ってる」
「頑張ってる」という言葉には上から目線なニュアンスが含まれるため、同じステージの人に言われるとなぜかイヤミに感じてしまうことも。それよりも、素直に「すごいね」とほめるほうが、お互い気持ちがいいはずです。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

教えてくれたのは 
コミュニケーション講師、著作家・桑野麻衣さん
ANAやディズニーなど、さまざまな企業でのサービス・教育経験を経てコミュニケーション講師として活躍。著書『好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい』(クロスメディア・パブリッシング)ほか、好評発売中
職場の人間関係をスムーズにする話し方! の画像_3
監修/桑野麻衣 取材・原文/千吉良美樹 撮影/藤澤由加 イラスト/yui