【頭皮のニオイはなぜ起きる？】気を付けるべきポイントと対策を医師が解説

今や「ニオイ」ケアもマナーの時代。そんな気になるニオイ悩みの中から今回紹介するのは、【頭皮のニオイ】悩み。なんとなく自分の髪や頭皮が臭う感じがして気になる……という人も、そうでない人も。マナーとして知っておきたい頭皮のニオイの原因や対策について、皮膚科医の慶田朋子先生に解説していただきました。

教えてくれたのは……

銀座ケイスキンクリニック・院長

慶田朋子先生

医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業。『切らないハッピーリバースエイジング®』をモットーに、最新の照射治療と職人的注入治療を組み合わせることでメスを使わずに肌質を高め、バランスのとれた魅力的で若々しい顔立ちに変えていく治療が人気。 TVや雑誌、WEBなど多方面で活躍。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』（小学館）などがある。

銀座ケイスキンクリニック院長☆トモコセンセのブログ☆

「頭皮」のニオイの原因とは？

☑頭皮の皮脂が酸化した状態
☑若い女性に多い「ラクトン」の減少
☑洗いすぎによる地肌の乾燥

「頭皮は全身で最も皮脂腺が多く、皮脂の分泌量が多い部位です。それに加えて発汗量も多い部位。皮脂や汗はもともとニオイが強くないのですが、時間が経って皮脂が酸化したり、汗が常在菌によって分解されたりするとニオイが発生し、汗の水分によって拡散するのです。また、加齢も関係しています。意外なことに、若い女性でも体から、“加齢臭”と呼ばれるニオイは出ています。加齢臭とは頭皮や耳の後ろなどから発生する、油っぽさと青臭さが混ざったようなにおい。中高年の皮脂に含まれる脂肪酸が分解されることで生じます。また、30〜40代半ばの男性に多い“ミドル脂臭”と言われるにおいもあります。こちらは、汗に含まれる乳酸が分解される過程で発生するジアセチルという物質が原因で、汗をかきやすい後頭部や首の後ろ、耳のまわりから廃油のようなニオイがするのが特徴です。ただし、10〜20代の頃は“ラクトン”というニオイをマスキングする成分が多く分泌されています。若い女性が集まっていると立ち込める、甘酸っぱい花のようなあの香りのもとがラクトンです。このラクトンのおかげで、若い頃は加齢臭やミドル臭は抑えられるのですが、ラクトンは30代半ば頃から徐々に減っていくので、次第にニオイのマスキング効果が弱まり、頭皮のニオイも目立ってくるのです。特に、加齢臭やミドル脂臭が生じやすい後頭部や耳の後ろに洗い残しがあると臭いやすくなるので要注意。また、頭を洗った後、しっかり乾かさずに生乾きの状態にしておくと雑菌が繁殖して臭いやすくなりますし、頭の洗いすぎによる頭皮の乾燥で粉ふき状態になり湿疹ができると、これもニオイのもとになるので気をつけましょう」（慶田先生、以下同）

気になる頭皮のニオイに効く対策TIPS

１まずは自分の肌質に合ったシャンプーを使用する

「頭皮の皮脂はシャンプーで洗わないと落ちないので、ニオイを防ぐには１日１回、シャンプーで洗うしかありません。ただし、皮脂分泌量には個人差があり、皮脂分泌量が多い人が、脱脂力が弱いシャンプーを使っていると皮脂が落ちにくく、臭いやすくなります。逆に皮脂分泌量が少なくて乾燥しているのに、脱脂力が強いシャンプーで洗っていると乾燥が進んで、これもニオイの元に。ですから、自分の頭皮の質に合ったシャンプーを使うことが大切です。家族で同じシャンプーを使っている人もいると思いますが、家族でもそれぞれ皮脂分泌量は違うので、それぞれが自分に合ったものを使うのが理想的です」

２シャンプーなどの洗浄剤はよく泡立てる

「シャンプーをするときは、髪でなく頭皮を洗うことが大切で、たっぷりと泡立てたシャンプーの泡を頭皮にのせて洗うようにしましょう。たっぷりと泡立てる理由は、頭には髪の毛があるから。泡が少ないと頭皮まで洗浄剤が届かず、皮脂が落ちにくくなります。頭皮にしっかりと届くように、たっぷり泡立て洗うことがポイントです」