持っておくべき防災グッズは? 防災のプロに教えてもらいました【いげちゃんのコツコツSDGs】
日々、よく耳にする“SDGs”という言葉。なんのために取り組むの? 私にできることは何? SDGsに興味を持ち始めた井桁弘恵が、そんな疑問に向きあいます!
Vol.28-2 働くひとり暮らし女性のための防災
近年、日本では大規模な災害が増加傾向にあり、ひとりひとりの地震や津波、豪雨などに対する備えが必須になっています。そこで今回は、防災のプロ・冨川万美さんに、ひとり暮らし女性が知っておきたい防災知識を教えてもらいました。
教えてくれたのは……
東日本大震災の支援活動を機に、防災を啓発するNPO法人「ママプラグ」の設立に携わる。被災体験を元にした「アクティブ防災」を提唱し、全国各地でセミナーやイベントを開催している。監修本に『家族と自分の命をつなぐ最新常識 今どき防災バイブル』(主婦と友社)がある
地震に備えて、用意すべきものは?
冨川さん「いつも使うものをストックしておくのが大切!」
冨川さん(以下、敬称略):災害発生時は、電気・ガス・水道といったライフラインが止まる可能性があるため、最低3日分の飲料や食料をはじめ、自分のライフスタイルを振り返った時に欠かせないアイテムを備蓄をしておきましょう。
また、トイレットペーパーや毎日飲んでいる飲料、そして小腹を満たすお菓子などは常にストックがある状態にして、切らさないようにしましょう。
防災セットも、自分でカスタムを!
冨川:防災セットを買ったら、防災準備が完了ということではありません。防災セットは、基本的に避難所に行く際に必要な最低限のアイテムが入っていると考えましょう。災害が発生して数日は、不安で眠れなかったり、食欲が落ちたりすることも。その時に、自分が安心して暮らすために、なくてはならないものをリストアップして、防災バッグを自分仕様にカスタマイズしてください。
災害1日目の行動を想定した荷物を収納するのにぴったりなリュック。帰宅困難時などに必要な装備を背負って持ち歩くのに最適。口が大きく開くので、物の出し入れも簡単! さらに反射マーク付きで夜道でも安心。¥8580/モンベル
たとえば防災セットの中身はこんな感じ!
とはいえ、防災セットには何が入っているの? という方のために、一例を紹介。食料やライト、ポリ袋などだけでなく、衛生用品なども避難所では必要になってきます。水をためるためのタンクや、室内履きのスリッパなども避難所では活躍。
「アイリスオーヤマ」の防災セット
防災士×災害備蓄管理士監修。1日2食×3日分の食品入りセットは5年保存可能。また、避難所で必要な防寒、寝具、衛生用品も豊富!(1)防水性に優れた反射板&ベルト付きリュック (2)懐中電灯ランタン、手回し充電ラジオライト、長期保存乾電池 (3)携帯トイレや歯ブラシ、ウェットティッシュといった衛生用品 (4)EVAサンダルやタオル、ポリ袋(5)ホイッスル、防水スマホ袋など (6)ウォータータンクやラップ、紙皿など食事セット (7)1日2食×3日分の食品・飲料 (8)エアベッド、アルミブランケットなど寝具・防寒アイテム ¥23980(価格は編集部調べ)/アイリスオーヤマ
必要なものがない、という状況を作らないことが大切!
冨川さん「非常用トイレは、絶対に用意したほうがいいです」
冨川:災害時は、断水や下水管の停止によりトイレが使えなくなることがあります。使用できたとしても、下水が逆流したり、排水管の破損によって下の階にしみ出してしまう可能性があるので、トイレは不用意に使わないように。トイレが制限されたり、トイレのにおいが気になるとメンタル的にもかなりしんどくなってしまう方が多いので、防臭力の高い非常用トイレを必ず用意しておきましょう。
自宅や会社の備蓄としてもぴったりな15回分(約3日分)の非常用トイレセット。悪臭成分のテスト済みで、防臭力が高くいざという時も快適。コンパクトなので収納もらくらく。防臭袋と凝固剤、汚物袋、便器カバーがセットに。¥1650(価格は編集部調べ)/BOS
オフィスで被災した際に必要なものは?
冨川:気温に体調を左右されやすい女性は、防寒と暑さ対策ができるグッズを置いておくことをおすすめします。また、生理用ナプキン、デリケートゾーン用のワイプ、消臭効果の高いゴミ袋なども3日分は常備しておくと安心。さらに、お菓子をはじめ、自分の好きな食べ物を用意しておくと、メンタルが不安定になりがちな避難生活の時に役立ちます。
いげちゃんのコツコツ日誌
いげちゃん:防災バッグは、いつでも取り出せるように玄関に置いています。中身を定期的に見直すようにしていて、最近は、非常用トイレを追加しました! 防災用備品の中でも、特に水は大量にストックするようにしています。
撮影/野田若葉 モデル/井桁弘恵 ヘア&メイク/山口春奈 スタイリスト/辻村真理 取材・文/海渡理恵