防災グッズを準備すること以外で、私たちが災害に備えてやっておくべきことは?【いげちゃんのコツコツSDGs】
日々、よく耳にする“SDGs”という言葉。なんのために取り組むの? 私にできることは何? SDGsに興味を持ち始めた井桁弘恵が、そんな疑問に向きあいます!
Vol.28-3 働くひとり暮らし女性のための防災
近年、日本では大規模な災害が増加傾向にあり、ひとりひとりの地震や津波、豪雨などに対する備えが必須になっています。そこで今回は、防災のプロ・冨川万美さんに、ひとり暮らし女性が知っておきたい防災知識を教えてもらいました。
教えてくれたのは……
東日本大震災の支援活動を機に、防災を啓発するNPO法人「ママプラグ」の設立に携わる。被災体験をもとにした「アクティブ防災」を提唱し、全国各地でセミナーやイベントを開催している。監修本に『家族と自分の命をつなぐ最新常識 今どき防災バイブル』(主婦と友社)がある
防災グッズを準備すること以外で、私たちにできることは?
冨川さん「ハザードマップは必ずチェック! 自治体によっては防災ブックを配布しています」
冨川さん:Web上で簡単に閲覧できるハザードマップは、必ずチェックしましょう。自宅や会社の住所を入力するだけで、洪水や土砂崩れ、道路の冠水など、そのエリアでどのような災害が発生する可能性があるかが分かります。この情報を参考にすることで、災害への備えや対策をより具体的に考えることができます。
また、自治体によっては「防災ブック」を発行していることも。たとえば、東京都の場合は、防災アクションや災害発生時に役立つ知恵や工夫などをまとめた冊子『東京防災』を配布しており、サイト上から閲覧することも可能なのでチェックしてみてください。
防災リテラシーに自信が持てれば、いざという時も冷静に行動できるはず!
冨川さん「都心では“群衆パニック”にも注意!」
冨川さん:都心は人が多いため、群衆パニックが起こる可能性があります。その際に、他人のパニックに流されず、落ち着いて行動することを意識するだけで、被害を最小限に抑えることができます。
たとえばショッピングモールで地震が起きた場合は、勝手に行動するのではなく、施設のスタッフの指示に従うこと。大抵の場合は、スタッフの方々で避難訓練を行っていたり、災害時マニュアルを持っていることが多いです。
非常時の連絡の取り方は?
冨川さん:災害時の連絡方法は、いくつかあります。ひとつ目は、LINEをはじめとしたメッセージアプリを利用すること。ただし、ひとつのアプリだけでは、そのアプリが使えなくなった際に連絡手段が断たれるので、メッセージのやり取りができるアプリを複数持っておくと安心です。
災害時は、固定電話のほうが繋がりやすい場合も。NTTが災害発生時に開設する伝言ダイヤル「171」を使えば、家族同士でメッセージを残すことができます。毎月1日、15日、三が日、防災週間(8月30日9:00~9月5日17:00)、防災とボランティア週間(1月15日9:00~1月21日17:00)は、このダイヤルの体験利用ができるので、家族で一度試して、使い方を覚えておきましょう。
ほかにも最近のスマホには、緊急通報機能が付いています。たとえば、iPhoneの場合、非常時に「SOS」というボタンをスワイプすれば、登録している緊急連絡先に連絡や、位置情報が送信されます。万が一に備えて、連絡先を設定しておくとよいです。さらに、こういった連絡手段がすべて断たれた時を想定して、家族や友人と、非常時の集合場所を決めておくこともおすすめします。
いげちゃんのコツコツ日誌
いげちゃん:災害発生時に備えて、自宅マンションの非常用階段や、近所の学校や公民館など、避難できる場所は把握しておくようにしています。また、災害は自宅にいる時に起こるとは限らないので、充電器や、ちょっとしたおやつなどを持ち歩くことを心がけたいと思っています。
撮影/野田若葉 モデル/井桁弘恵 ヘア&メイク/山口春奈 スタイリスト/辻村真理 取材・文/海渡理恵