起こしてしまったマイクロアグレッションへの対応策は? 【いげちゃんのコツコツSDGs連載】
日々、よく耳にする“SDGs”という言葉。なんのために取り組むの? 私にできることは何? SDGsに興味を持ち始めた井桁弘恵が、そんな疑問に向きあいます!
【Vol.33-2】身の回りに起こりうる「マイクロアグレッション」を知ろう
「マイクロアグレッション」という言葉を耳にしたことはありませんか? 「小さな攻撃性」と訳され、人種やジェンダー、性的指向などについてのアンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)によって、誰かを無自覚に傷つけてしまう言動のことです。実は誰もが当事者になりうる可能性があります。
そこで今回は、私たちひとりひとりがマイクロアグレッションを起こさないために知っておきたい正しい知識について、性の多様性やフェミニズムを発信する『パレットーク』編集長の合田文さんに教えていただきました。
What’s SDGs?
国連で採択された、2030年までに達成すべき17のゴールのことで、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略。私たちが地球に住み続けるために、貧困、飢餓、環境、教育、ジェンダー平等などの問題を世界が協力して解決することを目指す。
教えてくれたのは……
1992年生まれ。大手IT企業にて新規事業の立ち上げを経験した後、26歳の時に「らしく生きるを、もっと選びやすく」がテーマの株式会社TIEWAを設立。現在、ジェンダーやセクシュアリティ、ダイバーシティなどをテーマにしたマンガでわかる自社メディア「パレットーク」の編集長を務めている。
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マイクロアグレッションに気づいたときのアクションは?
マイクロアグレッションを自分自身が受けたり、起こしてしまった時はどうすべき? 無意識の偏見を減らすためにできることを解説します。
①自分がマイクロアグレッションをしてしまったら
合田文さん(以下、合田さん):相手を傷つけてしまったかもしれないと思ったら、「ごめんなさい」と、自分の配慮が足りなかったことを素直に認めて、謝ることが大切です。まずは、勇気を持って「傷つけてしまうことを言ってしまったかもしれません。ごめんなさい」と伝えて。
また、お相手との関係性にもよりますが、お相手と「これからも仲良くいたい」と思いを伝えて、「どのように言えば意図が伝わったか」「どういう言い方は傷つけてしまうのか」などを話し合うこともできるかもしれません。「あなたのとの関係性を諦めたくない」という気持ちをしっかり伝えれば、誠意が伝わることもあるでしょう。
また、お互いにリクエストしあえる関係を育むこともよい方法です。普段からコミュニケーションを大切にして、間違った時に指摘してもらえる信頼関係があれば、両者ともに成長できるはずです。
②友人など身のまわりの人がマイクロアグレッションをしているのを見た時は
合田さん:マイクロアグレッションを指摘できる相手には、しっかりと違和感を伝えることが大切。たとえば、「○○とは限らないから」という言葉は、相手の無意識の思い込みに気づくきっかけになる可能性があります。
もし関係性が浅く指摘しにくい相手のマイクロアグレッションに気づいた場合は、その言動には乗らずに距離を置くことも重要です。そうすることで無意識の偏見の助長を防ぐことができます。
③自分がマイクロアグレッションを受けた場合は
合田さん:もし会社でマイクロアグレッションを受けた場合、まずは直接言える関係が好ましいですが、上司など伝えるのが難しい場合、人事部やその上司の上司などに相談して対応をお願いすることも検討できます。
友人といったコミュニケーションが取れる相手であれば、直接「あなたの言動で傷ついた」と伝えてみましょう。もし、それが難しい場合は、相手と距離を置くことも自分自身を守るための一つの方法です。
マイクロアグレッションを起こさないためには?
マイクロアグレッションを避けるためには、想像力を働かせることが重要です。それを養う具体的な方法のひとつが、さまざまな立場や境遇の人々の体験を見聞きし、理解すること。そうすることで、相手を尊重したコミュニケーションが取りやすくなります。私が運営しているメディア『パレットーク』では、ジェンダーやセクシュアリティなどあらゆる人の実体験をベースにした漫画を発信しているので、ぜひチェックしてください。
いげちゃんのコツコツ日誌
実は私も、日常生活でマイクロアグレッションを感じたことがあります。
その時に私は、コミュニケーションをしっかりと取ることができる相手であれば、「今の発言はアウトだと思う」「傷ついた」「腹が立った」とハッキリと伝えるようにしています。
また、普段の会話ではフィルターをかけずに話すことを心がけています。
まだ間違いを指摘しあえるほどの関係性を構築できていない場合は、特に発言に気を配るよういにしています。
今後マイクロアグレッションをしないためにも、さまざまな生き方や考えを学び続けたいと思います!
撮影/川原崎宣喜 ヘア&メイク/山口春奈 モデル/井桁弘恵 スタイリスト/小林優奈 取材・文/海渡理恵