【井桁弘恵連載】寄付をする時の3つのポイント。初めてするのにおすすめの寄付先は?【いげちゃんのコツコツSDGs】
日々、よく耳にする“SDGs”という言葉。なんのために取り組むの? 私にできることは何? SDGsに興味を持ち始めた井桁弘恵が、そんな疑問に向きあいます!
【Vol.34-2】寄付を通して、社会問題に目を向けよう
SDGsが掲げている貧困、飢餓、環境、教育、ジェンダー平等などの社会問題の解決のために、私たちができる身近な一歩が「寄付」です。そこで正しい寄付の仕方や注意点を、寄付アドバイザーの河合将生さんに教えていただきました。
What’s SDGs?
国連で採択された、2030年までに達成すべき17のゴールのことで、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略。私たちが地球に住み続けるために、貧困、飢餓、環境、教育、ジェンダー平等などの問題を世界が協力して解決することを目指す。
教えてくれたのは……
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime (オフィス ムスビメ)代表。伴走支援を専門としながらNPOの基盤強化、マネジメント・ファンドレイジング支援、コンサルティング・ファシリテーション等に取り組む。まちづくり、子育て、子ども・若者支援、福祉、国際協力、NPO支援など、複数のNPOに役員やアドバイザーとして関わるほか、大学の非常勤講師や研修講師、チャリティや寄付に関する相談・助言等の活動も行っている。寄付アドバイザーとしてメディアへの出演多数。
寄付をする団体の選び方は?
寄付をする団体の選び方のポイントを教えてください!
ポイントは3つあります。
①情報がきちんと公開されていること。具体的には、何を目的に寄付を募り、その達成のためにどのような活動を行う予定か明示しているかが重要です。また、計画の実行状況や成果についての報告があるかも確認しましょう。信頼できる団体は、事業報告や決算報告を公開し、寄付金の使い道をホームページ上で明らかにしています。
②SNSやHPが定期的に更新されていること。事業報告や決算情報は過去の活動結果ですが、今現在も活動が続いているかは最新の情報から確認できます。きちんと発信している団体であれば、そこをチェックするだけで活動内容が具体的に分かるので安心して寄付できます。
③顔が見えるかどうか。どんな人が活動を行っているのか、団体を運営しているのか、その団体の役員やスタッフの紹介がきちんとされていたり、活動の受益者のコメントやエピソードが紹介されているかも、信頼に足る団体か見極めるポイントになります。加えて、寄付者紹介や、寄付のきっかけや思い、団体や活動への期待などの紹介も、信頼や仲間意識につながります。
私も、寄付先を選ぶときにSNSやHPをしっかりチェックしました。以前、古着を寄付したことがあるのですが、古着といった物品の場合、寄付してもゴミになってしまうことがあると聞いたことがあります。自分がしたことが、相手の負担になってしまうことは絶対に避けたいのですが……。
そうですね、物品の場合は送っても残念ながら活用されない可能性もあります。でも、信頼できる団体の場合は、そういったデメリットや、受け取ることが可能なアイテムの詳細も明示していますのできちんとチェックしてください。ちなみに、ご自身でフリマで換金して、そのお金を寄付することもひとつの手です。
たしかに! フリマやリサイクルショップで換金するというのはいい手段ですね。
"はじめての寄付”におすすめの団体をピックアップ!
河合さんに”はじめての寄付”におすすめの団体を、目的別で教えてもらいました。
1)災害支援に寄付をするなら
国内の災害支援は、「赤い羽根共同募金」がおすすめです。ここは一般的に高齢者や障がい者、子ども食堂の支援といった社会福祉のイメージが強いかもしれませんが、実は災害時には、被災地のニーズに合わせた支援活動をサポートしています。
また、個人、企業、NGO、政府が連携し、日本の支援を世界に届ける「ジャパン・プラットフォーム(JPF)」は、国内だけでなく海外の災害支援にも寄付されます。
2)人権保護に寄付をするなら
1961年に発足した世界最大の国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル」は、人種、性別、宗教、思想などによる差別や迫害を受ける人々を守るための活動を行っています。活動はテーマごとに紹介されており、世界が抱える人権問題を学び、支援することが可能です。
3)女性のための支援に寄付をするなら
ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを推進する国連機関「UN Women」は、女性を支援したいと考える方におすすめです。
また、「認定NPO法人 フローレンス」、「認定NPO法人 ノーベル」といった病児保育やひとり親家庭の支援、仕事と子育ての両立のサポートを行っている団体や、「子育てをまちでプラスに」を合言葉に、子育てが「まちの力」で豊かになる社会を目指し活動している「認定NPO法人こまちぷらす」などへの寄付は、子育て支援を必要としている家族への支援につながります。
4)子どものための支援に寄付をするなら
日本含む約120カ国で子どもの権利を守るための支援活動を行う民間・非営利の国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」や、全国の子ども食堂に寄付をするなら「NPO法人 全国こども食堂支援センター むすびえ」がおすすめです。
5)動物保護のために寄付をするなら
100カ国以上で活動している環境保全団体「WWF(世界自然保護基金)」は、動物と自然が調和して生きていくための活動を行っています。子どもから大人まで、幅広い支援者がいて、寄付者になると動物柄のグッズをもらえることもありますよ。また、犬や猫の保護・譲渡活動や人と動物との共生をめざす活動を行っている団体も、身近な動物保護の活動ですね。
6)地域産業支援のために寄付をするなら
ふるさと納税では、地場産業で作られた品物を返礼品として選ばれているので、一度チェックしてみるとよいでしょう。また、クラウドファンディングの中にも地場産業を応援するプロジェクトが多数あります。たとえば、能登半島地震で被災した輪島塗の事業者や商店、観光業の復興支援を支援するようなプロジェクトもあるので確認してみてください。
撮影/遠藤優貴 モデル/井桁弘恵 ヘア&メイク/山口春菜 スタイリスト/小林優奈 取材・文/海渡理恵