又吉直樹10年ぶりのエッセイ集『月と散文』など、一気読み必至の3冊!
最近発売された本の中から、おすすめを厳選して紹介!
最近発売された話題の本から、3冊のおすすめをご紹介します。
『月と散文』又吉直樹
人気作家としての地位が定着した著者の、10年ぶりのエッセイ集。自身が2021年に立ち上げた実験的コミュニティサイト『月と散文』で、「書き物」「自由律」「実験」の3つのカテゴリで毎週発表していた文章をまとめた一冊。コロナ禍で感じ、向きあってきたさまざまな思いに、著者ならではのクセになる笑いのエッセンスがちりばめられていて、一気読みは必至。(KADOKAWA ¥1760)
『こんな大人になりました』長島有里枝
写真家でエッセイストとしても活躍する著者が、アラフォーからアラフィフになるまでの、10年もの間の日々をありのままに記録したエッセイ。小学生だった息子がティーンエイジャーになるほどの長い月日を過ごすうちに、やるせない日を、悲しい時をどうすればいいのかがわかるようになっていく。楽なことばかりではないけれど、年を重ねることに勇気をもらえるはず。(集英社 ¥1980)
『花に埋もれる』彩瀬まる
恋人よりもソファの肌ざわりを愛でる女、体から出た美しい石を交わしあう恋人たち、白木蓮に姿を変えた夫と暮らす女など、不思議な世界観で語られる愛の物語は、匂い立つ花のように美しく官能的。イギリスの老舗文芸誌『GRANTA』に掲載された『ふるえる』から、単行本初収録となるR-18文学賞受賞作『花に眩む』までを網羅した、著者のベストアルバム的短編集。(新潮社 ¥1760)
原文/千吉良美樹 本間香奈 ※MORE2023年6月号掲載