おしゃれと年齢の素敵な関係。映画『アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生』
女性はいつだってファッションに敏感で、次から次へと変化する流行を追いかけていますよね。でも、10代から20代、30代と年齢を重ねていくなかで、ふと「今の私はどんな服を着たらいいの?」と迷ってしまうこともある。この洋服は気に入っているけどもう着られないかなとか、年齢を気にしすぎて諦めちゃうこともあったり……。
そんな女性の迷いを晴らしてくれるだけでなく、おしゃれをすることも年を重ねることも楽しいものだと思わせてくれるのが映画『アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生』です。名物カメラマンのドキュメンタリー『ビル・カニンガム&ニューヨーク』と同じようにニューヨークの街角ファッション・スナップが題材ですが、この作品がユニークなのは、取り上げられているのが60代以上の女性ばかりだということ。2008年に始まったファッション・ブログ「Advanced Style」が2012年に写真集になり、そして映画に! という流れです。映画では62歳から95歳までの7人のマダムたちの4年間を追いかけています。
流行に左右されない彼女たちのファッションは見ているだけで心が躍り、おしゃれは自分のためにするもの、もっと自分らしくていいんだと気づかされます。また、ファッションを思いきり楽しんでいる彼女たちは、人生も思いきり楽しんでいる。女性はとかく年齢を重ねていくことに悲しさを抱く生き物ですが、この7人のマダムたちを見ていると、それがとても素敵なことに思えてくる。彼女たちの生き方を参考に自分に似合うファッションを探してみたくなる、そんなドキュメンタリーです。
(文/新谷里映)
●TOHOシネマズ シャンテ&新宿ほかにて公開中
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