“ママダメ”は、ちょっと笑顔を増やしてくれる、そんな映画です。

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その恋は、Facebookの1通のメッセージから始まった。台湾に住むリンちゃんと、日本に住むモギさん。実在する夫婦の国境を越えた恋物語は、本人たちが発信するFacebookで話題になり、本になり、ついに『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』(通称“ママダメ”)として映画化されました。モギさんを演じたのは、ワイルドな魅力と演技力を武器に、テレビドラマや映画で大活躍中の中野裕太さん。本作についてはもちろん、恋についてもたっぷりお話をうかがいました。 ――映画“ママダメ”は台湾でも撮影をしたんですよね。それまで台湾に行ったことは? 「今回の撮影で初めて行きました。めちゃくちゃいいところです! 何よりも、人間がみんな温かいですね。『この人は小学生の時もこんな笑顔だったんだろうな』っていう無邪気な笑顔の人ばかりで、すごく素敵だなと思いました。一番楽しかったのは、台北の街角での撮影。休憩中にふらっと裏道を散策しただけでも、現地の穏やかな雰囲気を感じられてよかったですね」 ――台湾はバイク文化も強いですよね。バイクに二人乗りするシーンが特に印象的でした。 「あの撮影の時は雨がぱらついていたし、マンシューさん(リンちゃん役のジエン・マンシュー)が運転していたから、内心めちゃくちゃハラハラしてました(笑)。とにかく『何かあったら俺が絶対に助ける!』と思っていたので、いつでもパッと手を差し出せるように考えてましたね。映像では笑顔でしゃべっているのですが、『滑るからマンホールに乗らないでね』とか『信号青になったけど気をつけて』とか、実際はそんな内容だったんです」

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――そんな秘話があったとは(笑)。実際のリンちゃん・モギさんとも仲良しだそうですが、ご夫婦から何かリクエストはありましたか? 「リンちゃんはモギさんの外見にすごくこだわりがあったみたいで、『ひげを生やして、パーマをかけて』とだけ言われました。当時、僕は直毛で長さも短かったので、台湾に出発するギリギリまで伸ばして、まだ短い髪を頑張って巻いてもらって、天然パーマっぽく見えるようにしましたね。あとは日焼けして、体重も5キロくらい増やして、健康的な感じを目指しました」 ――実在する方を演じてみていかがでしたか? 「そもそも映画の役割として、ドキュメンタリーっぽいものをやるなら本人たちを見たほうがいいし、原作を読んだほうがいいと思っているんです。だから今回は、実話がベースのノンフィクションなんだけど、映画としてちゃんとフィクションに仕上げようということは、監督も僕も考えていました。だから、モギさんそのものを演じるのではなく、彼のことをリスペクトしながら、少しエッセンスを借りて、日本の最近の男子を代表するようなキャラクターに昇華させたいな、と」 ――中野さんやマンシューさんの演技はもちろん、映像や音楽もとてもかわいくて穏やかな、モア世代女子がノンストレスで観られる映画に仕上がっていますよね。 「ありがとうございます! “ノンストレス”というのはすごくいい表現ですね。人生を深く考えさせる映画や、アトラクションに乗っているように楽しめる映画など、映画にはいろんなタイプがありますが、“ママダメ”は本当にノンストレス。フラットに観て、『恋っていいよね』とか『旅行行きたいな』とか、そういうちょっと笑顔を増やしてくれる映画になったかと。カップルはもちろん、女子同士や男同士で観ても違和感がないと思います」

国籍も出会いも関係ない! 近くにあるかもしれない“恋の落とし穴”

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実は高校時代にアメリカ、大学時代にイタリアへ留学していた中野さん。猛勉強を重ね、今では英語やイタリア語、フランス語など、5.5ヶ国語(中国語は勉強中のため)を話せる国際派! そんな様々な国の人と接してきた彼が考える、国際的な恋、SNSから始まる恋、そしてSNSのやりとりでうれしいメッセージなども聞いちゃいました! ――今作のような国際的な恋愛についてどう思いますか? 「確かに言葉が違うのは、あまりないケースだとは思います。僕は留学中にイタリア人の女子とおつき合いしたことがあるのですが、その子はとにかく『ご飯を食べろ、ご飯を食べろ』って言うんですよ(笑)。彼女から見ると当時の僕の体は細すぎたみたいで。これもある意味、異文化を感じるケースですよね。でもいろいろな国の人と接していると、笑うタイミングや恋に落ちること、悩んでいることも、みんなどこか一緒なんだなってわかるんです。ちょっとした表現の仕方は、たとえば日本でも東京と大阪で違うし、イタリア人にだってすごくシャイな子はいるし、結局“人と人”なわけで。それを頭の片隅に置いていれば、国際的な恋愛や結婚も大したことではないと思いますね」 ――様々な国の方と交流してきた中野さんが話すと、説得力が違いますね。ではSNSで『こういうメッセージはうれしい』という男子の意見を聞かせてください。 「僕は会話が下手なので、たとえばLINEだとどうしてもスタンプとかで返すだけなってしまうんです(笑)。だから、そういうスタンプでの会話も楽しく続いていくようなメッセージが来るとうれしいですね。会話をうまく繋いでくれると、楽しいし救われます」 ――逆に『こういうメッセージは困るな』というものは? 「そうですね〜……仕事で忙しい時に、『なんで返信してくれないの?』とか言われるのは本当にイヤかな(笑)。嫌いとか忘れたとか、そういう問題じゃないんですよ。仕事に集中している時は他に意識を向けられないから。『仕事と私、どっちが大事なの?』とか昔から言うじゃないですか。『そういう問題じゃないっ!!!』って感じです。仕事の時は仕事だし、あなたの時はあなたです(笑)」 ――女子として耳が痛いです(笑)。最後に、“ママダメ”のような、SNSから始まる恋についての考えを聞かせてください。 「いいと思いますよ。それって、昔からある“街角でぶつかってハンカチが落ちて恋が始まる”ような出会いと変わらないんじゃないかな。僕の母がよく『恋は落ちるものだ』って言うんです。その通りで、恋に落ちる時って、本当に穴みたいなものあるんですよね。見えない糸に引き寄せられて、その穴にポンと落ちるような感覚。その穴のひとつとして現代にはSNSが加わっただけというか。穴は今も街角にもあるはずだし、本質的に、恋は全部一緒だと思います」 (取材・文/堀越美香子 撮影/宮本暁子) (プロフィール) なかの・ゆうた/1985年10月9日生まれ。福岡県出身。演技を、今井純氏に師事。2013年にGAS LAW(バンド)を結成。主な出演作に映画『新宿スワン2』や、テレビドラマ『拝啓、民泊様。』などがある。今注目を集める演技派俳優。

日台共同制作映画『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』

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台湾に住む元気いっぱいの女の子リンは、日本のドラマやアニメが大好きで、通っている大学でも日本語を専攻するくらいの立派なジャパオタ。日本を襲った震災の話で世界が揺れている時、リンのFacebookに一通のメッセージが届いた。それは日本人青年からのメッセージ。そこから始まった、実話ラブストーリー ●5/27(土)〜新宿シネマカリテ、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場ほか順次全国公開。6月からは台湾でも公開される。

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