グランプリファイナル2位！話題のフィギュアスケーター山本草太選手のメンタルの整え方って？

3／22（水）～26（日）にかけて、「ISU 世界フィギュアスケート選手権大会 2023」がさいたまスーパーアリーナにて開催！世界から強豪選手が一堂に会する中、注目の男子シングル競技では日本から３名が選出。MOREでは、代表選手のうちのひとり、山本草太選手への大会直前インタビューが実現しました！

ワンストロークで流れるように氷上を滑る、美しいスケートに定評のある山本選手。今回は、「世界選手権への意気込み」をお届けします！

山本草太選手のプロフィール

やまもと・そうた●2000年1月10日生まれ、大阪府出身。フィギュアスケート選手。中京大学所属。コーチは山田満知子、本郷裕子、村上友季子。6歳の時、トリノオリンピックの金メダリスト、エフゲニー・プルシェンコ選手の表彰式をテレビで見て、「僕も金メダルが欲しい」とフィギュアスケートを始める。主な戦歴は2015年世界ジュニア選手権３位、2016年リレハンメルユースオリンピック優勝、その後2度の骨折と3度の手術を経て、2017―18シーズンに復帰を果たす。今季2022-23シーズンはグランプリシリーズに出場し、ファイナルで２位に。2023年１月に行われたワールドユニバーシティーゲームズでは優勝。趣味はサウナ、アロマ、音楽鑑賞。

世界選手権目前、見えてきた自分のリズム

――フィギュアスケートはメンタルが重要なスポーツでもあると思いますが、オフはどのように切り替えていますか？

山本草太選手（以下、山本）：オフはほとんどひとりで過ごすことが多いです。今はサウナにハマっていて、ふらりと行ってはリフレッシュしていますね。ひとりでボーッとする時間が僕には必要なんです。自宅から中京大学までは車で通っていますが、音楽を聴きながら運転している時間も好き。練習の時は集中して、終わったらスケートのことはあまり考えないように心がけています。一日の中のオンとオフの切り替えをして、オフはきちんと休養する時間と考えているからです。以前はそこが苦手だったんですが、その重要性にも気づきましたね。

――普段の練習はどのくらい行っていますか？

山本：練習時間は１日に何時間とは決めていないんです。その日の自分が納得のいく練習ができるまでと思っています。まあ、でも多くて氷上は３時間くらいですかね。そこに陸上のトレーニングや体のケアもプラスして入ってきます。

――昨年、大学に復学されて、アスリートとの両立は大変なのではないでしょうか？

山本：そうですね。復学して３年生ですが、来年度は４年生。スケートの練習はもちろんハードだけど、自分が好きでやっていることなので継続できます。でも、いざ勉強となると自分からはなかなか進んでやれないところもあって（笑）。まあ、大変だなと思うこともありますが、そういう苦手なことをしっかりやるというのも、意外とスケートの上達につながってきたりします。休学中に毎日スケートのことだけを考えていたときよりも、今の方がスケートでうまくいくことも多くて。今の自分がやるべきことを、その瞬間にきちんとできることが競技力にもつながっているんだと思っています。

中京大学アイスアリーナ「オーロラリンク」の内観

いざ、世界選手権へ

――世界選手権に向けて、どのような準備をされていますか。

山本：シーズンを通して、大きく練習内容などは変えていません。いつも通り、やるべきことをやっていこうという方針です。直近のチャレンジカップで感じた課題を世界選手権に向けて見つめ直して、丁寧に修正していこうとしているところです。具体的には、チャレンジカップではジャンプのミスがあったので、４回転や３回転アクセルなど、ひとつひとつのジャンプがプログラムにきちんとハマるようにということに重点を置いています。このような課題のある試合のあとは、悔しい思いを継続させて、右肩上がりの調子に持っていけることもあるんです。毎試合うまくいくわけではないのですが、少しずつでも上向きになるようにと思っています。

――2022―23シーズンを経て、成功するパターンなどは見えてきたのでしょうか？

山本：ショートプログラムでうまくまとめられるとフリープログラムでも少し余裕が出るかなということはあります。でも、今感じているのは、ショートで失敗したときに、それを挽回できるくらいにフリーで点数を取れるように練習していかないといけないなということです。ショートで質の高い安定した演技で点数を出せるというのは今季の強みだとは思っているのですが、ひとつ失敗するだけで10点くらい点数を失ってしまうので。ショートでミスがあっても、フリーで挽回できることが大事になってくるのかなと思っています。

――今季のショートプログラム『イエスタディ』はとても素晴らしく、世界選手権でも必見のプログラムだと思っています。

山本：２シーズン継続して滑っているプログラムですが、自分でも滑っていてすごくしっくりくる曲ですね。今季はジャッジの方々にも高く評価していただいてうれしいです。自分らしさがすべて詰まっているプログラムだと感じています。