【Ado】「もっとラフに生きていい」初のワールドツアーを経ての気持ちの変化
Adoさん作詞作曲も収録! CDシングル『桜日和とタイムマシン with初音ミク/初夏』を誕生日にリリース
2020年にメジャーデビュー曲「うっせぇわ」が大ヒットして以来、圧倒的な活躍を続ける歌い手・Adoさん。今年は、自身初となる世界ツアーを開催したほか、女性ソロアーティスト史上初となる国立競技場での単独ライブ、さらには全国アリーナツアーを成功裏に終えました。そんな彼女が、22歳の誕生日である10月24日に初のCDシングル『桜日和とタイムマシン with初音ミク/初夏』をリリース。
インタビュー後編では、2024年に開催したワールドツアーの裏話や、休日の過ごし方などについてたっぷりと語ってくれました。
人生初の海外滞在で気づいた「もっとラフに生きていい」ということ
―――今年は、全11カ国14都市を巡るワールドツアーに加え、女性ソロアーティストとして史上初の国立競技場での公演、さらにはアリーナツアーも開催し、それら全てを無事に終えられました。こういった大きなステージを経験するなかで、ご自身に何か変化はありましたか?
Adoさん:今年に入ってからは怒涛の日々でした。特に世界ツアーでは、2ヶ月間にさまざまな都市で公演を行いましたので、パフォーマンスのレベルが上がっただけでなく、海外の文化に触れて考え方も大きく変わりました。
たとえば、アメリカでコーヒーショップに行った時、注文したドリンクを待っていたら、店員さんが「間違えて作ってしまったから、このドリンクを無料であげるわ!」と言ってくれたことがあって。日本だと、マニュアル通りに処分されることが多いと思うので、「え、もらっていいの!? ラッキー!! でも一体何ドリンクなの!?」と一瞬戸惑いましたが、ありがたくいただくことにしました。ささいな出来事でしたが、この店員さんの接客に触れて、「もっと気楽に生きてもいいのかもしれない」と思えたり。以前より肩の力が抜けたような気がします。ちなみに、中身はチョコドリンクでおいしかったです(笑)。
――ワールドツアーは、長距離移動や慣れない環境ということもあって、心身ともに消耗することもあったのではないでしょうか。どのようにご自身をケアされていましたか。
Adoさん:海外に行ったことがなかったので、ツアーで一気にいろんな国を巡れることがうれしくて、ホームシックになることは一度もなかったですね。それよりも、新しい国に訪れるたびに「どんな街なんだろう?」「どんな食事が楽しめて、どんなに素敵なことが待っているんだろう」「この国のお客さんはどんな感じかな?」と常にワクワクしていました。想定外のことが起こっても、それすら楽しんでいました。とにかく「もっと知りたい!」という気持ちが強くて、全く辛いと感じなかったです。
強いて言うなら、日本食が恋しくなったことくらいでしょうか。ツアー中、チームのみんなと「だし! 味噌が食べたい」とよく話していました。でも、私はカップ味噌汁を日本から持ってきていて、それを食べていたので大丈夫でしたが(笑)。
【LIVE映像】 Trailer of PEACOCK THEATER Los Angeles, CA 2024.3.29【Ado】
今年開催した、THE FIRST WORLD TOUR "Wish"のLA公演の様子。
理想の休日&心揺さぶられたエンタメ作品を公開
――休日の過ごし方を教えてください。
Adoさん:私の本当にダメなところが、朝4時とかまで起きてしまうところ。それで、お昼の12時に起きるつもりが、気づくといつも14時(笑)。自分に「12時って言ったじゃないかー! こんなに寝てどうするんだー!」とツッコミを入れたところで1日が始まります。その後は、「何食べようかなー!」と考えているうちに15時になり、「次は何しよう? ドラマか映画でも観ようかな?」と迷っているうちに夜になっていて「あぁ、寝なきゃ……」となる。こんな感じで、何をしていたかよく分からない休日を過ごしてしまうことが多いです。だから、もう少しちゃんとした休日を過ごしたいと思っています。
ちなみに、理想の休日は、まず朝8時に起きて、カフェラテと目玉焼きを作ってから、ベランダでのんびり。その後、散歩に出かけ、一旦帰宅して身なりを整えてから映画館や花屋、カフェへ。そして、夕方には帰宅してご飯を食べたら、ギターを弾いたり、お部屋を少し片付けたり、お風呂でお肌と髪をツヤツヤにケアしたりする。で、22時45分に就寝する。そんな素敵な暮らしを習慣化したい……です。
――最近、心揺さぶられたエンタメ作品はありますか?
Adoさん:湊かなえさんの小説の映画「告白」です。映画を観ることが好きで、これまでいろんな映画に感銘に受けてきましたが、この作品はとても面白くて特に印象に残っています。ずっと目を離せなくて、緊張感が途切れないんです。まるで切れそうで切れない、ちぎれかけの糸に触れているような感覚がありました。観る前は、視聴者の感情をぐちゃぐちゃにする映画だと思っていたのですが、そうではなくて、登場人物一人一人を丁寧に描いていて、心情描写や言葉選びも素晴らしい。名作と言われるだけあるなと。ちなみに、映画は幸せすぎる内容ではなく、どこかむくわれない映画が好きです。
新しいことに挑戦し続けるAdo、22歳の抱負。
――今の自分を色で表すと何色ですか? 10月24日に誕生日を迎えましたが、22歳はどういう一年にしていきたいか教えてください。
Adoさん:薄めの水色。21歳は怒涛の日々を過ごしながら、自分が目指すべき場所に向かって新しいことにいくつも取り組んできました。そう聞くと、情熱の赤をイメージするかもしれませんが、少し大人になったというか、目の前のことを一つひとつ冷静に感じながら進むことができたという感覚があります。だから、やわらかさと冷静さをも兼ね備えたイメージのある薄めの水色が、今の私の色かなと思います。22歳は、これまでに触れてきたことをもう一段階、深く濃くしていきたいと考えています。そして、もっと前へ、一歩一歩の重さをしっかりと実感しながら進んでいきたいです。
↓Adoインタビュー前編はこちら↓
10月24日リリース!『桜日和とタイムマシン with 初音ミク/初夏』
女性ソロアーティスト史上初の国立競技場でのワンマンライブとなった伝説の単独公演「Ado SPECIAL LIVE 2024『心臓』」で披露した初音ミクとの夢のコラボレーション曲「桜日和とタイムマシンwith 初音ミク」(楽曲提供:まふまふ)と、自身で作詞作曲した「初夏」を収録した両A面シングル。詳細は下記の特設サイトをチェック!
取材・文/海渡理恵