「僕がやりたかったのはこれだ」。シーズン1で得た高揚感と自信

“人が喰われているらしい”と噂される閉鎖的な村を舞台にした二宮正明の同名漫画を、ディズニープラスが実写ドラマ化したヴィレッジサイコスリラー『ガンニバル』。2022年末にシーズン1が独占配信され、アジアをはじめ世界中で話題となった作品のシーズン2の配信が、3月19日(水)から開始されます。物語が進むにつれて狂気を帯びていく主人公の警察官・阿川大悟を演じた柳楽優弥さんに、本作の制作秘話をうかがいました。

柳楽優弥 ガンニバル出演

着用アイテムはすべてスタイリスト私物

――シーズン1は世界中で話題となり、「アジアコンテンツ&グローバルOTTアワード」でアジアエクセレンスアワードを受賞しました。

柳楽さん:デビュー作で海外を経験して以来、ずっと「外に出たい」という思いが根底にあったんです。ただ、なかなかそういった機会がなくて。そんななか、世界へ届けることを前提に、しっかりと予算をかけて制作された『ガンニバル』に参加し、プロモーションの一環でシンガポールを訪れることができたんです。そこで、エンタメ業界で勢いのある韓国勢と肩を並べながら、この作品をプレゼンテーションできたことに、ものすごくワクワクしました。「僕がやりたかったことは、まさにこういうことだ」と。プレゼンの時は、「どんな反応が返ってくるかな?」とドキドキしていたんですが、想像以上に温かい言葉をいただけて本当にうれしかったですし、それがシーズン2に取り組む上での大きな自信にもつながりましたね。

柳楽優弥さん

――そうした高い評価を受けて迎えたシーズン2。前作から期間が空いての撮影だったそうですが、再集結した時の現場の雰囲気はいかがでしたか。

柳楽さん:キャストやスタッフのみなさんもパワフルで、シーズン1が評価されたおかげで、みんなが自信を持って作品に臨んでいるように感じました。現場の雰囲気もすごくよかったですね。それは、片山(慎三)監督が作品づくりにおいてセッションを大切にされる方だったから、というのも大きいかなと。もちろん台本はあるのですが、その場の空気感を重視されるので、細かい動きが決められているわけではなく、演者の想像力が試される場面が多くて。ものづくりにおいて、その柔軟性はとても大事だと思いますし、そうした環境での撮影は本当に楽しかったですね。
あと、この作品は撮影の合間にもいい思い出がたくさんあって。それこそ新潟での撮影の時は、みんなでカラオケに行ったんです。あの時、新潟であの場所がいちばん活気があったんじゃないかと思うくらい、凄くおもしろい時間でした。

柳楽優弥さん

――そうしたエネルギッシュな人たちが集まった現場で、主演として心がけたことはあるのでしょうか。

柳楽さん:安全第一ですね。シーズン1の時に、カメラマンの方が「いい作品をもちろん作りたいんだけど、そのプロセスもよくしたい。『大変だったけどよかった』ではなく、『総じていい作品だ』と思えるようにしたい」とおっしゃっていて、僕も同じ考えで。だから安全には特に気を配りましたね。結果的に、最後は笑顔で終われたのでよかったです。

――本作では、“物語が進むにつれて狂気を帯びていく警察官・阿川大悟”を演じられましたが、どのように役づくりされましたか。

柳楽さん:軽く聞こえるかもしれませんが、現場のノリですね。あえてつくり込まない。監督やキャストとのその場のセッションで役をつくり上げたという部分が大きいですね。

柳楽優弥さん

――体づくりはどのようにされましたか。今作は前作以上にアクションシーンが満載ですよね。

柳楽さん:僕はもともと武道をやっているので、特別な体づくりをするということはなかったかな。でもアクションシーンの練習はたくさん重ねました。やっぱりリアルに見せるためには練習して慣れていくしかないので。それこそ、特徴的な動きをする“あの人”を演じた澤井(一希)さんとのシーンは特にそうでしたね。アクションシーンの方とも話し合って、リアルに見えるようにつくり上げました。

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柳楽優弥さん

やぎら・ゆうや●1990年3月26日生まれ、東京都出身。2004年公開、初主演映画『誰も知らない』で、第57回カンヌ国際映画祭・最優秀主演男優賞を受賞。以来、映画『ディストラクション・ベイビーズ』、『銀魂』、『夏目アラタの結婚』、ドラマ『アオイホノオ』、『ゆとりですがなにか』、『ライオンの隠れ家』など話題作に多数出演。

『ガンニバル』シーズン2は3月19日(水)より配信!

ガンニバル シーズン2

『ガンニバル』シーズン2 ディズニープラス「スター」で 2025 年3月19日(水)より独占配信© 2025 Disney

日本ののどかな原風景が広がる供花村(くげむら)。そこへ駐在として赴任してきた警察官・阿川大吾(柳楽優弥)。
閉鎖的な村で囁かれる“人が喰われている”という噂の真相を探るうちに、絶対的な権力を持つ後藤家と激しく対立し、ついに全面戦争が勃発する――。

■原作:『ガンニバル』二宮正明(日本文芸社刊)
■配信:ディズニープラス「スター」で 2025 年3月19日(水)より独占配信
■監督:片山慎三、佐野隆英、大庭功睦
■脚本:大江崇允
■プロデューサー:山本晃久、半田健
■アソシエイトプロデューサー:山本礼二
■出演:柳楽優弥
笠松 将、吉岡里帆、高杉真宙、北 香那、杉田雷麟、山下リオ、田中俊介、志水心音、
吉原光夫 / 中島 歩、岩瀬 亮、松浦祐也、永田崇人 ジン・デヨン / 六角精児
恒松祐里、倉 悠貴、福島リラ、谷中 敦、テイ龍進 / 豊原功補 
矢柴俊博、河井⻘葉、赤堀雅秋、二階堂智、大鷹明良、利重 剛 / 中村梅雀

『ガンニバル』|3月19日(水) シーズン2 独占配信|ディズニープラス公式

撮影/千葉タイチ ヘア&メイク/勇見 勝彦(THYMON Inc.) スタイリスト/長瀬哲朗 取材・文/海渡理恵