12星座全体の運勢

「いい風吹かそう」 

4月4日に二十四節気も「清明」に移り、すべてのいのちがいきいきと輝きだす季節となっていきますが、そんな中4月12日にはおひつじ座22度(数え度数で23度)で新月を迎えていきます。 

今回のテーマは「風になる」。つまり、もはや東から吹いて草花や木々を芽吹かせていく春の風を感じ取るだけでなく、自分自身が「創造的な風のエネルギー」そのものとなって何かを始めたり、新しい動きをしていくなかで、見てくれている人々を感化していくこと。 

ちょうど、はるか南の国で冬を越したツバメが、故郷である日本へ戻ってくる時期でもありますが、昔から人びとは「ツバメが巣をつくった家は栄える」として、その帰還を歓迎してきました。 

すばやく空中を横切り、背をひるがえして方向転換する独特の動きや、大きな口をあけてエサを待つヒナたちにつがいで協力し合いながら子育てをする姿に、日本人は「清浄明潔」な精神を見出し、積極的にその風を呼び込もうとしてきたのかも知れません。 

その意味で、今期はここにこそ“いい風=創造的なエネルギー”を吹かせていきたいと願うような相手や人びと、場所、業界などをどれだけ具体的にイメージしていけるかが大事になってくるように思います。 

山羊座(やぎ座)

今期のやぎ座のキーワードは、「野蛮人の体力」。

山羊座のイラスト
ここのところ空手の東京五輪代表に内定している女性選手が、指導者からの暴力的な指導やパワハラ行為が日常的に行われていたことをブログで告白し、ニュースになっていました。 
 
教師やコーチによる体罰問題というのは昔から指導との区別という文脈で追及や議論の俎上にあがってきましたが、それが暴力であれ親切であれ、いずれにせよ外部から余計な影響を与えて、かえって体の勢いを消してしまうということはよくあることなのだと野口晴哉は述べていました。 
 
「野口整体」を創始し、日本の東洋医学を代表する一人でもあった野口は、例えば著書『整体入門』において、人のからだに力を呼び起こすのは「勢い」であるという自論に基づいて次のように書いています。 
 
近頃は人間の意識が発達したためか、笑うのでも、こんなことを笑ったら他人に笑われはしまいかと、あたりを見回してからでないと笑えない。泣くのでもそうである。体中を震わせて、泣いたり怒ったりすることが珍しくなった。しかし体の勢いをつくり、体の力を発揮するためには、笑う時には声をあげて笑わなければならない。泣くときは泣き、怒るときは怒る。気取りのために、体中で泣き、笑い、怒ることもできないようなことをしていては、活気が興ってこない。」 
 
野口は、現代人は自分の発揮できる力を過小評価するようになってしまった、という言い方もしています。つまり、怒りであれ悲しみであれ、顔の表面から消してしまえばなくなるというものではなく、潜在している感情もまた自分の力であり、それを自覚して自発的に発露させる=勢いに乗せれば、想像以上の活力が呼び起こされてくるのだと。 
 
今期のやぎ座もまた、「野蛮人の体力を得て今日の文明生活を見直す」ことが一つの指針となっていくように思われます。 


参考:野口晴哉『整体入門』(ちくま文庫) 
12星座占い<4/4~4/17>まとめはこちら
<プロフィール>
應義塾大学哲学科卒。卒業後は某ベンチャーにて営業職を経て、現在西洋占星術師として活躍。英国占星術協会所属。古代哲学の研究を基礎とし、独自にカスタマイズした緻密かつ論理的なリーディングが持ち味。
文/SUGAR イラスト/チヤキ