12星座全体の運勢

「快活さの追求」 

暑くも寒くもない、過ごしやすい時期ではあるものの、暦の上ではもう晩秋に入っていく10月6日にてんびん座13度(数えで14度)で新月を迎えていきます。 

今回の新月のテーマは、「力の抜き方を知ること」。人間は、というより、生物は、休息なしに健全な生活サイクルを維持できませんが、コロナ禍が長期化してきた今だからこそ改めて、質の良い休息の仕方だったり、休息にどれだけ創意工夫を凝らしていけるかということに取り組んでいきたいところ。 

例えば、一日のなかで感情的に落ち着かせるためにゆるむ時間をきちんと作るということだったり、そもそも身体のリズムを尊重することだったり。いずれにせよ、ただでさえしんどい現実のなかで喜ばしくない側面を追い払い、生命としての健全なリズムに入っていくための自分なりの切り口をひとつでも明確にしていくことが大切になってくるはず。 

スポーツの秋というように、今では秋の季語になっているものに「運動会」がありますが、官僚としての最高職まで昇りつめた富安風生が引退後に詠んだ「秋晴の運動会をしてゐるよ」という、まるで子どもみたいな一句などは、力の抜け加減としては大いに参考にしていきたいところ。 

そうして、今期はすこしでも朝起きたときにざらりとした不快な目覚めを迎える瞬間を減らし、自分のために快活な人生を組み立てていくことを大事にしていきましょう。 
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牡牛座(おうし座)

今期のおうし座のキーワードは、「種子を寝かせる」。

牡牛座のイラスト
オンラインでのリモートワークが増え、電車に乗ったり、歩いたりといったことも自然と仕事の前後にはさむ機会が減ったことで、アイデアが創発されることも減ってきているのではないでしょうか。 
 
というのも、英語には「sleep it over(一晩寝て考える)」という成句がありますが、これは「発見」とか「創造」とか大それたことでなくても、深夜に何事か思い悩んだとき、そのまま無理に結論を出すのではなく、一晩寝て朝起きてから得られる考えの方が結果的に優れていることが多いことを生活の知恵でとらえた言葉であり、それは洋の東西と問わず、クリエイティブな人々のあいだではよく知られてきた創意工夫だからです。 
 
 例えば、史上最大級の大数学者のひとりとされるガウスがある発見の記録の表紙に「1835年1月23日、朝7時、起床前に発見」と書き入れていたように、確かに着想のあらわれ方の“くせ”を知っていただろう歴史上の天才たちが、こうした“待ち伏せ”を成功させてきた例は枚挙に暇がありません。 
 
『知的創造のヒント』を書いた外山滋比古もまた、「アイデアよ出てこい、アイデアよ出てこい、とばかり、たえず追いかけ廻しているとかえって、ろくでもない考えばかりひっかかる」と述べた一方で、「どうも考えは一度水にくぐってくる必要があるように思われる」とか、「“しばらく忘れるともなく忘れている”と、おそらく無意識のうちに熟していたであろう考えが突然踊り出る」などとした上で、やはり「考えの種子はしばらくそっと寝かせておくのである。その間に種子は精神の土壌の中で爆発的発芽の瞬間を準備する」のだと書いていました。 
 
同様に、今期のおうし座もまた、無意識の力の意図的な活用とそのために、業務と直接関係のない無駄な時間をスケジュールに組みこんでみるといいでしょう。 
 
 
参考:外山滋比古『知的創造のヒント』(ちくま学芸文庫)
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<プロフィール>
應義塾大学哲学科卒。卒業後は某ベンチャーにて営業職を経て、現在西洋占星術師として活躍。英国占星術協会所属。古代哲学の研究を基礎とし、独自にカスタマイズした緻密かつ論理的なリーディングが持ち味。
文/SUGAR イラスト/チヤキ