12星座全体の運勢

「幻想の外へと飛び出して!」 

日増しに気温の下がり始める「霜降」が近づき、蟋蟀の鳴き声もいつの間にか聞こえなくなってくると、ますますひんやりとした秋の夜長を愉しめるようになってきますが、そんな中10月20日にはおひつじ座27度(数えで28度)で満月を迎えていきます。 

「大胆な行動」を促す火星や「根本的な変容」を司る冥王星を巻き込む形で配置される今回の満月のテーマは、「子宮内幻想からの脱皮」。これまで無意識的に調子をあわせてきた理想像だったり、なんとなく正しいとされ従ってきた決め事だったり、それらいつの間にか色あせてきつつあった馴染みの「幻想」をいよいよ破棄し、もっとおのれの欲望に忠実になっていくためのきっかけや実感を掴んでいくにはもってこいのタイミング。 

ちょうど秋の日の暮れやすいことの喩えで、よく「秋の日はつるべ落とし」などと言いますが、人によっては「つるべ」を井戸の中に落とすときのように、急速に意識が切り替わっていきやすいでしょう。 

さながら一度も離れたことのない塔から脱け出していくラプンツェルのように、「こうしておけば無難で安全」という領域の“外”へと思い切って飛び出していきたいところです。 
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双子座(ふたご座)

今期のふたご座のキーワードは、「やたらと並べられる横文字を疑う」。

ふたご座のイラスト
2021年9月1日に日本で新たに設置されたデジタル庁については、その人事についてネットやニュースを賑わせたのでその存在を認知している人は多いと思います。しかし、それが内閣の直轄機関であり、その担当大臣が内閣総理大臣を直接補佐する立場に立ち、通常は閣議決定を通さないと出せない他の省庁への勧告も直接出せるほど強い権限が与えられていることまではほとんど知られていないのではないでしょうか。 
 
つまり、デジタル庁とは内閣府より上位に位置する省庁であり、それだけでなく、巨額の予算がつき、民間企業との人材の出入りも自由だというのです。 
 
ジャーナリストの堤未果の『デジタル・ファシズム』によれば、それは「今世紀最大級の巨大な権力と利権の館」であり、さらに中央省庁向けの政府共通プラットフォームのベンダー(製造・販売元)には、国内のIT企業ではなくGAFAの一角であるアマゾンが選ばれています。このことが、いったい何を意味するのか。 
 
堤はそれを「「今だけ金だけ自分だけ」の強欲資本主義が、デジタル化によって、いよいよ最終ステージに入った」という一つの明確なサインだとした上で、「一つはっきりしていることは、私たちが今この改革を、よく理解しないままに急かされている」こと、そして、「わかりやすい暴力を使われるより、便利な暮らしと引きかえに、いつの間にか選択肢を狭められてゆく方が、ずっとずっと恐ろしい」のだと警告しています。 
 
日本におけるデジタル化が、急速な中央集権化と監視社会の実現と歩調を合わせていることについて、堤は本書の中で具体的なデータと問題点を整理しつつ様々な観点から指摘しているが、そこで台湾の若きデジタル担当大臣オードリー・タンの「社会がデジタル化することによって、民主主義は深まる」という見解を取り上げつつ、彼女のつけた次のような条件についても言及している。すなわち、「ただし、決して権力を集中させてはいけない」のだと。 
 
こうした懸念は、残念ながら新政権下でも着々と引き継がれ、現実化しつつあるように見えますが、今期のふたご座のテーマは自分たちの目を眩ませるテクノロジーとスピード感の魔法を、どれだけ解いていけるかというところにあるように思います。 
 
 
参考:堤未果『デジタル・ファシズム』(NHK出版新書) 
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<プロフィール>
應義塾大学哲学科卒。卒業後は某ベンチャーにて営業職を経て、現在西洋占星術師として活躍。英国占星術協会所属。古代哲学の研究を基礎とし、独自にカスタマイズした緻密かつ論理的なリーディングが持ち味。
文/SUGAR イラスト/チヤキ