結婚して直面した夫婦の性欲ギャップ「拒否されることで自信を失った」【モア・リポート83・前編】
1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、2017年までに延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。
そして、恋愛やセックスがいっそう多様化している現在。20代、30代の体験談を取材した新「モア・リポート」をお届けします!
セックスレスを解消した夫婦のエピソード
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
ーDATAー
深瀬さん(仮名)36歳 / 職業:会社員
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
深瀬さん(仮名・36歳)は、夫との性欲ギャップに悩んでいた。毎日セックスをしたい深瀬さんと、月一回でいい夫。夫に拒否され続けた彼女は「愛されていないのでは」と不安を感じるように。しかし諦めずに夫と何度も話し合いをした結果、解決の糸口を見つける。
「私の方が性欲が強い」夫婦間での性欲差に悩んだ
――深瀬さんはパートナーとの間で性欲に差に悩んだ経験がある?
結婚前に同棲を始めた時から、現在の夫との性欲ギャップに悩むようになりました。(以下同、深瀬さん)
――ふたりの間には、どのような違いがありましたか?
自覚はなかったんですが、夫からすると私の性欲が強かったようです。結婚前に同棲を始めた時、夫に毎日求めると「えっ、今日も⁉ 昨日もしたでしょ!」ってすごくビックリされました。
私はカップルや夫婦であれば毎日、少なくとも週2~3回はセックスをするのが当たり前だと思っていたのですが、夫は月1回で充分のよう。私にとって月1回はレス同然だと感じました。
――深瀬さんにとっては、その頻度が“当たり前”だったのですね。
そうですね。夫と出会う前、20代は10年間同じ人とつきあっていたのですが、彼とは毎日するのが当たり前で、性欲の程度が一致していたんです。当時は彼から求められ、私が拒否することも一度もありませんでした。その習慣に慣れていたんですよね。
――その方となぜお別れすることになったのですか?
結婚の話もあったんですけど、私の転勤や彼の身内の不幸が重なったりして、物理的に一緒にいるのが難しい状況になり、話し合いの結果別れることになりました。
その後、転勤先でアプリを通じて出会い、つきあったのが現在の夫です。当時私は30歳で夫は37歳。互いに結婚願望があったことから、とんとん拍子で結婚まで進みました。
セックスを断られるとすごく悲しくなる
――つきあってどのくらいで性欲の差を感じるようになりましたか?
つきあった当初から夫はそこまで性欲が強くないなと感じていたものの、デートのたびにセックスはしていました。ギャップをしっかり意識するようになったのは、一緒に住み始めてからです。私は当然毎日セックスをすると思っていたのに、「今日は疲れてるから」とか「また今度」と断られることが頻繁にありました。
――一緒に生活を始めてから、ギャップに気づいたのですね。
はい。結婚が決まってからは、夫の実家で、私と夫と夫の母親の3人で暮らすことに。夫は父親を早くに亡くしています。2人の姉が結婚して実家を出てから、夫はずっとお義母さんとふたりで暮らしていました。その家へ私が引っ越し、結婚生活をスタートさせました。
――お義母さんとの同居もふたりの夫婦生活に影響を与えたのでしょうか?
そうですね。お義母さんが1階で、私たちは2階で寝ていたのですが、どうしても音を気にしてしまいます。セックスするチャンスはお義母さんがいない夜か、おでかけしている日中しかない状態になりました。だけどお義母さんがいない日も夫に断られることがあり、すごく悲しくなりました。
結婚してから1年くらいは毎日話し合いをしていた
――悲しくなったのはなぜですか?
10年付き合った元カレとは毎日するのが当たり前だったので、拒否されると自分に魅力がないんじゃないか、と思えてすごくしんどかったですね。どんどん自分に自信がなくなっていきました。夫に、毎日は無理でも週2回くらいはしてほしい、と泣きながら伝えたこともあります。
――話し合ってみてどうでしたか?
夫から「僕はしなくても夫婦生活を続けられる自信があるよ」「一緒にいるだけで幸せ」と言われました。だけどそれは夫の気持ちで、セックスをしたい私の気持ちはおいてけぼりになっていると憤りは消えず、号泣することもありました。結婚して最初の1年は毎日のように話し合っていましたね。
――それでもなかなか解決しなかったのですね。
最初はそうでした。でも、結婚5年目になる現在は解決しています。
――どうやって解決したのですか?
話し合いを重ねた結果、ふたりで“ある約束”をするようになったんです。
取材・文/毒島サチコ