女優として、ときに被写体として、しなやかに何色にも染まりながら、同時に、唯一無二の存在感を放ち続ける吉岡さんの、27歳の現在地とは。
 
 
  • オンナノコって多面性があるから面白い。それを体現できた写真集
    約2年ぶりとなる最新写真集『里帆採取』は、アーティストの清川あさみ氏がクリエイティブディレクションを務め、「モア読者のみなさんにも、自分と重ねあわせて見てもらえたら」と吉岡さんは言う。
    「多くの女性をディレクションされてきたあさみさんが考える“吉岡里帆らしさ”と、純粋に私の好きなものを織り交ぜながらつくりました。自分の意思も大切だけれど、誰かに色をつけてもらうことで“気づいていなかった自分”が引き出される面白さってありますよね。カメラマンさんも熊谷さんと三瓶さん、それぞれグラビア撮影とファッション撮影でよくお世話になっているおふたりに撮っていただいて。写真によって全然印象の違う私がいるけれど、そもそも女性は誰でもいろんな魅力を持っていると思うんです。そういう多面性を一冊の中で表現できたのは素敵な経験でしたし、読んでくださる方の“多面的な自分”に気づくきっかけになればうれしいですね」
  • 今だからこそ、まわりを明るく照らせる人でいたい
    「どんなお仕事でも、その世界観や色に染まりながら表現したいと思っています。一方で、自分自身は年々、たくましくなってきました(笑)。ただがむしゃらに仕事を頑張るのではなく、テーマを持って取り組むようになったのは大きな変化ですね。『期待に応える』の次のステップとして『自分にしかできないことはなんだろう』と冷静に考えるようになりました。
    今は特に、エンタメのパワーだったり、明るい気持ちになれるものをみんな求めているのを肌で感じているんです。私自身も、仕事に真面目に取り組むのはもちろん、面白おかしくやるというか……!? でも、実際どうしたらいいのかな(笑)。まわりの人に楽しいと思ってもらえる人、肩ひじ張らずにリラックスして一緒にいられる人を目指したいですね」(吉岡里帆、以下同)
  • 観客の人数は半分でもそれ以上に感じる“想い”
    出演舞台『ベイジルタウンの女神』の公演期間中だった撮影当日。徹底した自粛生活をしながらの稽古、出演者とスタッフ全員のPCR検査、観客の収容率50%制限など数々のハードルを経ての開幕となった。
    「大好きな舞台に毎年継続して出演することをずっと理想に掲げてきて、それがちょうど今年から実現し始めたんです。そんな矢先、お客さんに来ていただくこと自体が厳しい状況になってしまった。だからこそ出演できること、観にきてくださることに今まで以上にありがたみを強く感じています。
    そして、いざ幕が開いてみたら不思議なんです! 今回、お客さんの人数は客席の半分のはずなのに、それ以上にお客さんが多く感じて! みなさんの前で演じることができる私たちの喜びと、久しぶりに舞台を観にきてくださったお客さんの想い、それぞれのエネルギーが会場にあふれていることに感動しましたし、演じることへの勇気をもらいました」
  • ワンピース¥68000/ボウルズ(ハイク) 靴¥22000/ジャック・オブ・オール・トレーズ(モリーニ) ピアス¥24000・ピアスチャーム(右耳)¥15000/ショールーム セッション(マリハ) リング¥37000/MATT.(O THONGTHAI)
  • 「『お花やみずみずしい自然が好き』、『舞台が好きなので劇場で撮影してみたい』など、具体的なことから抽象的なイメージまで私の好きなものを清川あさみさんがコンセプトに落とし込んでくれました」。発売中(集英社 ¥2300)
  • 写真集未公開カット 撮影/熊谷 貫 プロデュース/清川あさみ
  • 撮影/三瓶康友 プロデュース/清川あさみ