1980年──、いまから40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、2017年までに延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。
そして、恋愛やセックスがいっそう多様化している現在。MORE世代=20代の女性の体験談を取材した新「モア・リポート」をお届けします!

「彼女になりたい」……そのひと言をいうのが怖かった

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ーDATAー
新垣さん(仮名)25歳 /未婚 /業種:スポーツメーカー
初体験:17歳 /経験人数:20人くらい/セックスとは:愛を確かめる行為
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スポーツ選手からのDMナンパで始まった

ープロのスポーツ選手のセフレだったんですか?

はい、大学1年生だった19歳から21歳までの2年半、ある選手と友達以上恋人未満でした。(以下、新垣さん)
スポーツ選手からナンパされたNさん
ー出会いは?

インスタのDMです。
私は昔からあるスポーツの熱狂的ファンで、将来は絶対に関連の仕事に就きたいと思っていました。
インスタの投稿もそのスポーツの事ばかりアップしていたんです。そうしたらある日突然、とある選手からDMがきて……。もともと私とその選手とは相互フォローだったんですが、「公式マークがついてる選手からDMが!」ってめっちゃテンション上がりました。

しかも、その選手は、私の一番好きな選手に顔が似ていたこともあって! めっちゃ興奮しました。

ーどんな内容だったんですか?

「飲み行こうよ~」みたいな。「私19歳なんで、飲みに行けませんよ!」みたいなやりとりをしつつ、結局会って、2時間食事をしました。

1回目は食事だけして帰ったんですけど、2回目はL字ソファーのカーテンつきのお店に誘われて。「今日帰んの?」って聞かれたときは、反射的に「帰らない」って言ってました(笑)。
そのままホテルへ行っちゃって。

ーその後はどうなりましたか?

ホテルに着くなり、2人とも疲れて一回寝たんです(笑)。でも夜中にむくっと彼が起き上がって、自然な流れでセックスが始まって。

スポーツ選手だから、体力がすごくて。一晩に3回くらいしましたね。もう、とにかく激しい! ごつくて、あつくて、熱っぽい。めっちゃ気持ちいいし「すごい人とセックスしてる!」っていう興奮もあって、今まで経験したことない快感を味わいました。

それまで雑なセックスしか経験したことがなかったから、なおさらでした。

高校時代の彼もスポーツマンだった

学生時代からスポーツが好きだったNさん
ー“雑なセックス”とは?

高校時代の元カレとのセックスです。学年がひとつ下の運動部の子だったんですけど、つき合って10日くらいで「もうええやろ?」って言われて結構無理やり……それが初体験でした(笑)。
しかも、場所が学校の近くの大きな川の橋の下だったんです。めちゃくちゃ痛かったです……。制服のスカートに血がついたし。

ー元カレもスポーツマンだったんですね。

そうですね。彼は高校入学前から「すごい子が入学する」って噂になっていて、私のほうから話しかけて、TwitterのDMでやりとりを何度かしてつき合うことになったんです。
私が受験生になって、あまり会えなくなって、その間に元カレは別の子と……、とかまぁいろいろあって。結局別れちゃいました。

そんな雑な恋愛&セックスのあとだったから、プロスポーツ選手とのセックスは本当に燃えました。

私は彼のことが大好きだった……

スポーツ選手が大好きだったNさん
ープロのスポーツ選手とは、身体だけの関係だった?

いいえ、私は本当に彼のことが大好きでした。支えたいって思っていたし「今日はこんなことがあって~」とか、いろんな話しもしていました。でも、相手はプロのスポーツ選手だし、“もし私が重い女になったら振られるだろうなぁ”って思っていました。

実際、インスタで彼と相互フォローの女の子が、彼っぽい男の人と手を繋いでいる匂わせ投稿とかも見かけたので、結構遊んでたんだと思います。

ー寂しくなかった?

私も、合間につき合った人はいました。
でも2、3ヵ月しか続かなくて。スポーツ選手の彼とのセックスが気持ちよすぎて、他の人じゃ満足できなくなってたんですよね。彼とのセックスでしか「うわ~くるくる~!」っていう感じのイク感覚は味わえない。身体も会話も相性が良すぎて、彼以外の人とのセックスが楽しくなかった……。

結局誰かとつき合っても「セフレにいつも戻ってくる女」みたいになっていました(笑)。“イカせてくれる人じゃないと無理!”って。でも、いつかはこの関係を終わらせなきゃいけないのか……と。

「スポーツ関連の仕事がしたい!」大学を辞めて海外に

ーその後は?

スポーツ選手の彼と一緒だと、身体は満たされるし会話も楽しいし、“わざわざ恋愛なんてしなくてもいいか~”みたいな時期が続きました……。

でも、しばらくして、友達の紹介で出会った25歳の人が「野球観に行こうよ!」って誘ってくれたのをきっかけに仲良くなって、その人とおつき合いすることになりました。
いつもだったらすぐセフレに戻っちゃうところだけど、彼とは身体の相性もよくて。むしろ、スポーツ選手のセフレの激しさを少し抑えたバージョン、みたいな感じで私にはちょうどよくって(笑)。 

それで、やっとセフレ沼から抜け出せました。

でも、その頃私は大学3年生で、進路も考えはじめていた。どうしてもスポーツ関連の仕事がしたい!と思っていたんです。いろいろ探していたら、とある海外のスポーツチームが若手の人材を募集している事を知りました。これはチャンスでした。3年生のときに大学をやめて、海外に飛びました。

ー大学を辞めて!? 彼とはどうなったんですか?

遠距離恋愛を頑張ってみたけれど、続かず……。2020年の夏に私が帰国したときには、連絡が来ましたけどね(笑)。

私が一番好きなのは「スポーツそのもの」だと分かった

現在は仕事に夢中なNさん
ー帰国してからはどうですか?

2年間の海外生活を経て帰国したあとも、やっぱりスポーツの仕事がしたい!と思い、海外で学んだことを武器に、スポーツ関連の会社に就職。選手を陰でサポートする業務をしています。

今思い返してみると、セフレだったプロのスポーツ選手は、私と出会った頃、スランプの時期だったんです。注目され、みんなからちやほやされた時期が過ぎて、ちょっと寂しかったんだと思います。だからインスタナンパとかをして、自分を絶対にちやほやしてくれるファンの女子と遊びたくなったんだなって……。自分の未来への不安もあったんじゃないかなと思います。

海外でも、選手生命を絶たれて苦しむ選手をたくさん見てきたから……。今は、そういう人たちの今後のキャリアにもスポットが当たればいいなって思って活動しています。今、仕事がとても楽しいです。

ー恋愛はどうですか?

恋愛は今はいいかな(笑)。セフレっぽい人はいますけど、お互い完全に都合のいい関係です。
それに、私は恋愛にのめりこんむと、良いことが無い。大学受験も恋愛に悩みすぎて第一志望に落ちたし、セフレにハマっていた時期も迷走してたし(笑)。

今は仕事が楽しいから、とにかく必死で頑張りたいなって思います。それに、仕事を通して、私が昔から一番憧れていて大好きだったスポーツ選手の方と繋がれたんです! 身体じゃなくて、ちゃんと仕事で繋がりました(笑)。

ーやっぱりスポーツ選手が好き?

ん~。今までの人生を振り返ってみて、私が一番好きなのは、スポーツそのものなんだなって思いましたね。いつかは結婚したいって思うけど、今は、仕事で満足しているから、恋愛は必要ないのかも。
取材・文/毒島サチコ