2021年MORE8月号掲載企画から、インタビュー記事をお届けします。
2021年MORE8月号掲載企画インタビュー、倉科カナ
くらしな・かな●1987年12月23日生まれ、熊本県出身。最近の主な出演作にドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』、公開中の映画『女たち』がある。今秋には、ドキュメンタリードラマ『命のバトン〜赤ちゃん縁組がつなぐ絆〜』が待機。12月には舞台『ガラスの動物園』に出演予定

制限があるのはしかたがない。枠の範囲内で“自分を楽しませる方法”を考え尽くすことが大事。

『週刊少年マガジン』で2012年から約8年にわたり連載され、アニメ化もされた人気コミック『七つの大罪』。人間と人間ならざる種族が共存した時代を舞台に、七人の大罪人からなる伝説の騎士団〈七つの大罪〉が、世界の危機に立ち向かうファンタジー作品だ。倉科カナさんは、『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』で、女神族を率いる“最高神”の声優を務めた。「原作、アニメともに大ファンだったので、オファーが来た時はうれしくてスキップしました(笑)。夢のような経験でした」と、万感の面もちで制作の過程を振り返る。

「今作はテレビアニメから続く物語の“その先”が描かれていて、台本を読み終わった時は、大好きな作品が完結してしまう寂しさと、これまでの謎が明らかになるうれしさの半々でした。声を演じた最高神は、美しさと無機質さを持ちあわせた、ミステリアスな存在。アフレコでは、声から人間らしさをそぐ作業を重ね、最高神ゆえの“冷酷さ”、自分の正義を相手に押しつけようとする側面を声に出すことを意識しました。ジェスチャーや表情で役を表現できる俳優業と違い、声だけでキャラクターの感情や性格を表現する難しさを痛感……。あらためて、声優さんのお仕事に尊敬の念を抱きました」
本作の魅力といえば、七人の大罪人をはじめとする、個性豊かな登場人物たち。倉科さんの推しメンは、昼と夜で性格やルックス、能力が変化する“エスカノール”だそう。

「彼の持つ二面性や、騎士団メンバーのマーリンへの恋心が淡くって! あと、傲慢さにあふれたセリフもカッコよくて大好きです」

また、キャラクターそれぞれが、大切な存在のために戦う姿も作品の魅力。倉科さんにも“これさえあれば強くいられるもの”を尋ねると。

「“情熱”があれば、どんなことも頑張れると思うんです。私が情熱を注いでいるのは“仕事”。その情熱を保つために、きつい現場でも楽しみをひとつ見つけることを心がけています。また、おうち時間が増えた最近は特に、限られた範囲内でいかに楽しむかを考えることが大事だと思っていて。できないことより、できることに目を向けるほうがいいですよね。私の楽しみは“音楽”。たとえば、ストレスを感じた時は、自作の“イライラした時用のプレイリスト”(笑)を流して自分の機嫌を取ったり。バイオリニストを演じてハマったバイオリンを弾いたり。人生一度きりだから、些細なことでも楽しんだ者勝ちだと思っています」

『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』

『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』ビジュアル
メリオダス率いる史上最凶最悪の騎士団〈七つの大罪〉は、人間、女神族、妖精族、巨人族が魔神族と争った“聖戦”を終え、それぞれ平和な日々を過ごしていた。そこに突如、妖精族と巨人族の軍勢が押し寄せてくる。再び混沌に陥った世界の運命とは!? ●7/2〜全国公開
©鈴木央・講談社/2021「劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち」製作委員会
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/宮本 愛 スタイリスト/清原愛花 取材・原文/海渡理恵 構成/加藤朋子(MORE) ジャンプスーツ¥63800/リステア総合カスタマーサービス(アイレネ) ピアス¥20900・リング¥18700/アッシュ・ぺー・フランス(シー・ミー)