12星座全体の運勢

「淀みや停滞を吹き流せ!」

いよいよ梅雨が明け、本格的な夏の到来に向け日に日に太陽がパワーを増していく二十四節気の「小暑(しょうしょ)」に入るのが7月7日。そして今回はその直前にあたる7月5日にやぎ座で満月を迎えていきます。テーマは「禊ぎと祓い」。

 すなわち、すでに時代遅れで何の支えにもなっていない空っぽの言説や価値観に絡まったままもがき続けるのか、それともまやかしやごまかしを切り捨てたところに今後の活動の土台や、大切にすべき礎(いしずえ)を見出していけるか。いずれかに分かれていくことになりそうです。

 かつて7月は、涼しい風が吹くのを待つことから「風待月」とも言われたそうですが、今回の満月前後にかけては、自分の内部や周囲に漂うよどみや停滞、行き詰まり感をどれだけ爽やかに吹き流していけるかが問われていくでしょう。

魚座(うお座)

今期のうお座のキーワードは、「霊魂の門」。

魚座のイラスト
6月下旬から7月下旬にかけて、太陽は昼の空の中をかに座とともに移動しており、実際にかに座を観測することはできないものの、その中央あたりにはぼんやりと青白く光る小さな雲のような「プロセペ星団」が存在します。

かつて古代ギリシャのプラトンやその弟子たちは、この星団は霊魂の出てくる門であり、霊魂はここから下って人間の身体に宿ると説いていましたが、民俗学者の野尻抱影はそんなプロセペ星団について触れながら次のように述べました。

私はポリネシアの土人が死ぬ前に、思い思いの星を指さして、「自分が死んだらあの星に住む」と言って息を引き取るという話を思い出した。そう心から信じられることは死ぬ者にも、その周囲に幸福に違いない。また科学がどんなに進んでも、これを否定し、霊魂の門を閉めきるほどの断案は永久に下せないはずだ。

これからの未来や現状の行き着く先を、すこし俯瞰的に見通していくことがテーマとなっている今期のうお座にとっても、こうした野尻の空想はどこか他人事ではないはず。

あなたなら、死んだらどんな星に行きますか?また、自分が行けると心から信じられる場所はあるでしょうか?

今回の満月にはそんなことを考えてみるといいでしょう。


出典:『野尻抱影 星は周る(STANDARD BOOKS)』(平凡社)
12星座占い<6/28~7/11>まとめはこちら
<プロフィール>
慶大哲学科卒。学生時代にユング心理学、新プラトン主義思想に出会い、2009年より占星術家として活動。現在はサビアンなど詩的占星術に関心がある。
文/SUGAR イラスト/チヤキ